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政治ドットコムインタビュー政治家インタビュー自由民主党・朝日健太郎議員に聞く!現役世代が安心してチャレンジできる日本の未来づくり

自由民主党・朝日健太郎議員に聞く!現役世代が安心してチャレンジできる日本の未来づくり

投稿日2025.12.23
最終更新日2025.12.23

朝日 健太郎 あさひ けんたろう 議員

1975年熊本県生まれ。中学からバレーボールを始め
法政大学では全日本大学選手権で優勝し、日本代表にも選出。
卒業後はサントリーで活躍し、2002年からはビーチバレーに転向。五輪に2度出場。
2012年に現役を引退。
日本バレーボール協会などを経て2016年の参議院議員選挙で初当選(2期)。
2020年の菅内閣で国土交通大臣政務官就任。
2023年の第2次岸田内閣で環境大臣政務官就任。

オリンピック・パラリンピックやWBC、世界陸上など、大型の国際大会を通じてスポーツへの関心が高まる中、JリーグやBリーグのように地元密着のスポーツクラブが地方創生の一翼を担う事例も増えています。今回のインタビューではバレーボール選手として活躍した朝日健太郎議員に、スポーツ行政のあり方や環境政策との関係についてお聞きしました。

(取材日:2025年11月11日)

(文責:株式会社PoliPoli 秋圭史 )

社会貢献を軸にセカンドキャリアを模索

ーまずは、バレーボール選手として活躍されていた朝日議員が政治に興味を持ったきっかけを教えてください。

引退後のキャリアを模索するにあたり、自分の中では「社会貢献を通じて価値を提供する」という方針を定めていました。自分の経験値や行動をいかに「マネタイズ」するかを考えながら、チャリティマラソンや講演など社会活動に携わっていました。その中で転機となった出来事が2つあります。ひとつは2016年の熊本地震。自分自身の故郷でもある熊本の復興支援に関わる中で、社会貢献に対する意識がそれまで以上に高まるのを感じました。

そしてもうひとつが、ちょうど同じ頃に東京オリンピック・パラリンピックの準備が本格的に動き出したこと。2020年に向けて「さぁ、東京が変わっていくぞ」という高揚感があり、そこに政治家として関わってみたいと思うようになったのです。

ーアスリート出身の政治家には、どのような特徴があると思われますか。

ひとつは、スポーツが持つ「挑戦」や「フェアプレー」といった前向きなイメージが、アスリート出身の政治家にも重ねて期待される点です。国民の皆様がスポーツに抱く価値観が、そのまま政治家としての姿勢にも投影されているのではないでしょうか。

また、アスリートは現役時代に海外遠征などを通じて国際感覚を養っている部分もあります。世界を知り、海外とのコミュニケーションに壁がないことも強みだと感じます。そして、そもそもスポーツを通じて人に何かを伝えて影響を与える、人の行動を変える、ということを生業としてきたのがアスリートなので、政治家になる上でアスリートの経験はとても有効だと思っています。

カーボンニュートラル宣言で環境政策は「規制」から「経済促進」

ー実際に国政に入られて感じられたことや印象に残ったことはありますか。

国会対策委員会に入って2年目になりますが、野党との関わり方について学ぶことがたくさんありました。野党の皆さんも有権者からの票を得て議員になっています。同じ国民の代表であるという意識をもって正面から向き合えば、折り合いがつきやすいということを経験して知りました。

ーその目線は、与党が過半数割れしている今の状況では特に大切ですね。

そうですね。与党の支持が高かったときは最終的に私たちで決められる部分がありました。現在の状況は国民の皆様からの審判の結果なので、前向きに捉えるようにしており、「多様な意見を反映した上で、どこで決着を付けようか」という視点を大切にしています。

野党の皆さんも何から何まで反対したり、国会運営を止めたりする意図はないので、基本的なコミュニケーションを守りながら向き合うことが重要です。このような姿勢が求められる場面では、スポーツの経験がプラスに働きますね。

ー初当選から9年ほど経ちますが、この間に政治家としての考えに変化などはありましたか。

まず変わらない点でいうと、国民の皆様からの支持は「信頼」に基づいているので、それを大切にしていることです。ですから、いわゆる倫理観や行動規範などは変わらず大切にしている部分です。もちろん失敗をすることも多いですし、批判も集まりやすい立場ではありますが、だからといって萎縮するのではなく、正々堂々とスポーツマンシップに則って政治活動に身を投じる姿勢は一貫しています。

経験を積んできて変わったなと思う点は、やはり政治的に判断する場面が増えたことです。要は「社会の流れや世界情勢を考えたとき、この施策が本当に効果を生むのか?」といった考え方です。このようなアプローチの手札がだいぶ増え、「政治的に即効性があって効果が高いのはどれか」と模索しつつ「それが実現可能かどうか」という軸で考えることが増えたと思います。

ーこれまでに国土交通大臣政務官と環境大臣政務官を歴任されてきましたが、その中で印象に残っている政策はありますか。

国土交通の分野に関しては、やはり震災復興、熊本地震が政治家を志す原体験としてあるので、防災・減災には力を入れて取り組んできました。とても時間のかかる取り組みですが、いわゆる公共工事のように防災・減災と経済をいかに両立させるのか、という課題にはしっかり向き合ってきました。高市政権でも更に発展させています。

環境に関しては、2020年に当時の菅政権がカーボンニュートラル宣言をしました。本来、環境行政は大気汚染や水質、ごみ問題などを扱うため、考え方のベースは「規制」です。しかし、この宣言によって環境行政が経済政策と足並みをそろえて脱炭素に向けた新ビジネスや技術の開発、街づくりなどを担うものに変わっていきました。環境政策が経済性を伴うものに変わったのは非常に画期的なことだと感じました。

近年は自動車やエネルギーなどの大きな産業に環境行政が重なり合うことも多く、それが政策づくりの現場では非常に面白いと感じます。この動きには今後も関わっていきたいですね。

脱炭素に向けた努力は、最終的に日本の国際競争力につながる

ーアスリート出身の議員として、スポーツ行政に対してはどのような視点をお持ちですか。

私がスポーツ政策を行うと、どうしても選手の立場から発信してしまいがちなのですが、あまりそのような意識はなく、スポーツ活動を通じた「まちづくり」が重要なテーマだと思っています。スポーツと地方の活力との関係を細かく分析すると、重要な地域活動であり、地域コミュニティーの形成につながるものです。一方、もっと目線を下げれば子どもたちの目標だったり、教育に不可欠なものだったりします。このような「スポーツ」の価値を、今後もまちづくりに生かしていきたいと考えています。

実際、良い事例がいくつか出てきています。約10年前に「スタジアム・アリーナ構想」が立ち上がり、それまで「箱物」と呼ばれ地域のお荷物のように扱われていた施設を、官民で協力しながら地域の活力源にする取り組みが広がっていきました。平将明前デジタル大臣の言葉を借りれば地域を「ブーストさせる」存在、つまり大きな推進力になっているのです。

具体的には、スポーツ施設に人が集まり、地域に住む人の顔が見え、それが結果的に消費を高めることにつながります。消費が高まれば自然とそこにサービスが入ってくるという、いわゆる一般的な経済サイクルが起こります。すると、なかなか活性化できなかった地域で地元の名士たちが、あるいは坂本龍馬のような志のある若い人たちがチームを立ち上げ、一生懸命シティセールスをしながら地域を盛り上げてくれます。そんな事例が増えているのです。この動きをもっと全国に広げていきたいと思います。

ー近年、よく話題になる「部活動」の問題解決にもつながりそうですね。

そうですね。今後の展望としては、スポーツを通じて地域が元気になり、サービスや人が流動化する動きに部活動も連動していってほしいですね。縦割りで進めていたことが、面的に広がっていくような展開を想定しています。「箱物」を共有することで、共鳴し合いながら良くなっていく、その現象をスポーツで起こす、というイメージですね。

ーその部活動にも影響のある話として、夏の猛暑が年々深刻になっていますが、環境政策の観点からは気候変動をどのように捉えていますか。

気候変動はなかなか解決策が見当たらない超長期的な話ですが、環境省の気候変動対策には「緩和」と「適応」という2つのアプローチがあります。「緩和」は温室効果ガスの排出を抑制して、気温上昇を抑えることです。今求められているのが「適応」の方で、今後も気温はある程度上昇する前提で、いかに健康を守り社会活動を維持していくのか、という考え方です。この1~2年で、「適応」に注力すべきだ、という考え方に変わっていきました。

適応の例としては、熱中症アラートのように一定の指標を超えたら活動を中止するようなルール設定や、シーズンを少しずらすなどの対策が挙げられます。スポーツに限りませんが、これらの適応策を社会活動に実装していかないと、さらに危険な状況になるでしょう。そのための新しいサービスや取り組みが生まれることを期待しています。

ー気候変動はグローバルな課題ですが、日本の役割をどのように捉えていますか。

ちょうど第30回COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)がブラジルで開かれましたが、COPで取り上げられる課題も年々スケールが大きくなっています。脱炭素については、温室効果ガスを多く排出する先進国が発展途上国に対して1兆ドルくらいの規模感で資金援助するような姿勢が求められていますが、その議論は停滞していますね。アメリカトランプ大統領の就任によって、れまでの積み重ねが大きく形を変える可能性があります。

だからこそ日本の立ち位置としては、この脱炭素政策を力強く進める存在になるべきです。新たな技術の開発も重要です。温室効果ガスを大量に排出している産業がしっかり努力し、それを国も支援する仕組みが必要です。それが最終的には日本の強みになります。気候変動で負担を強いられている国、特に海抜の低い国にとっては、海に囲まれた日本の環境対策が有益な指針となるでしょう。

次世代に豊かな社会を残すためにも、現役世代が頑張れる土壌を築く

ー特に注目されている政策テーマはありますか。

一番大切にしているのは「現役世代」です。現役世代がいかに活躍できるか、安心してチャレンジできるか、は高齢化が進む日本の未来を左右する鍵になります。私は今50歳で就職氷河期世代ですが、新卒の頃はみんな厳しい状況でした。この世代の活躍の場が抜け落ちていることに問題意識を持っているので、再チャレンジできる環境を整えたいと考えています。

キャリアチェンジやリスキリングなど手段はいくつかありますが、伝えたいのは「40~50代の人が日本を支えている」ということ。まさに「現役世代ど真ん中」なのです。この現役世代、あるいは責任世代のボリュームゾーンを大きくしていくことが重要なのだと思います。

ー現役世代の幅を広げるには、老後に対する認識も変える必要がありますね。

はい。かつて所属していたサントリーの同期会に毎年行くのですが、5年前にはみんな「60歳を過ぎてまで働きたくない」と言っていたのが、最近では65歳の定年が一般的になっています。わずか5年で人々の意識も弾力的に変わってきていると思います。

ーありがとうございます。最後に、今後の抱負や将来ビジョンを教えてください。

これまで活躍するチャンスをなかなか得られてこなかった世代の方々は、「この年齢で何ができるのだろう?」と思うかもしれませんが、私は「大丈夫ですよ!」と言いたいですね。私にも2人の子どもがいますが、次の世代に豊かな社会を残すためにも、我々の世代が頑張れる土壌を作らなくてはなりません。そのための政策に、今後も打ち込んでいきます。

朝日 健太郎 議員

あさひ けんたろう
朝日 健太郎
  • 生年月日 1975年9月19日
  • 出身地 熊本県熊本市
  • 学歴 法政大学卒業
    早稲田大学院修了
  • 職歴 中学からバレーボールを始め、法政大学では全日本大学選手権で優勝し、日本代表にも選出。
    卒業後はサントリーで活躍し、2002年からはビーチバレーに転向。五輪に2度出場。
    2012年に現役を引退。
    日本バレーボール協会などを経て2016年の参議院議員選挙で初当選(2期)。
    2020年の菅内閣で国土交通大臣政務官就任。
    2023年の第2次岸田内閣で環境大臣政務官就任。
   
この記事の監修者
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株式会社PoliPoli 政府渉外部門マネージャー 秋圭史
慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、東京大学大学院に進学し、比較政治学・地域研究(朝鮮半島)を研究。修士(学術)。2024年4月より同大博士課程に進学。株式会社PoliPoliにて政府渉外職として日々国会議員とのコミュニケーションを担当。(紹介note:https://note.com/polipoli_info/n/n9ccf658759b4)