「諸派」という単語をニュースでたまに耳にするけど、どういう意味か分からない人は多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では「諸派が何かわからない」「現在の国政政党が何かわからない」「NHK党を中心とする諸派党構想について知りたい」といった方へ、分かりやすく解説していきます。
本記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。
1、諸派とは
諸派とは、政党交付金の対象となる「国政政党」に該当しない政治団体のことで一般的にミニ政党と呼ばれます。
諸派は、国政政党と比べてメディアへの露出が少ないため国政選挙で不利とされています。
しかし最近は、インターネットが普及したことにより諸派から国政政党に当選することも珍しくなくなりました。
諸派のメリットは、主に以下の2点です。
- 政党よりもオリジナリティのある団体を作りやすい
- 一定の条件を満たせば比例代表制の選挙に出馬できる
無所属では、どんなに有名人であっても比例代表での出馬は認められません。
(1)諸派と国政政党・無所属はそれぞれどう違う?
諸派と国政政党、無所属のそれぞれの違いは以下の表の通りです。
国政政党 | 諸派 | 無所属 | |
政党要件 | ◎ | × | × |
他党からの公認 | ◎ | ◎ | × |
貰える支援金 | 政党交付金 | 他党からの公認料 | × |
- 国会議員要件
- 所属国会議員が5人以上いること
- 得票率要件
- 最新の国政選挙(衆議院または参議院)で 全国得票率2%以上を獲得していること。(比例代表または小選挙区のどちらでも可。)
※政党要件を満たすためには、上記どちらかの条件を満たすことが必要です。
また政党交付金の支給額は、国民1人当たり250円を基準として決定され、直近の選挙結果に基づいて各政党に分配されます。
2、諸派一覧(2025年1月1日現在)
2024年10月の第50回衆議院議員選挙では、7名の候補者が諸派として届け出ました。現在、政党要件を満たしていない主な政治団体は以下の6つです。
- みんなでつくる党(旧:NHKから国民を守る党)
- 新党くにもり
- 日本第一党
- 幸福実現党
- ごぼうの党
3、令和に諸派から国政政党になった4つの政党
令和に諸派から国政政党になった政党は、以下の4つです。
- 参政党
- NHKから国民を守る党(現:みんなでつくる党)
- れいわ新選組
- 日本保守党
それぞれどのような経緯で国政政党になったのかを以下に解説していきます。
(1)参政党
2022年7月に実施された第26回参議院議員選挙において、比例代表で得票率2%以上を獲得し、公職選挙法上の政党要件を満たしました。 この選挙で参政党は比例区で約177万票を獲得し、代表の神谷宗幣氏が当選しています。
また、2024年10月に実施された第50回衆議院議員選挙において、3議席を獲得しています。
参政党の主な重点政策は、以下の3つです。
- 子供の教育
- 食と健康、環境保全
- 国のまもり
参政党は「この国に生まれてきてよかった」と、国民の一人ひとりが実感できる社会へとするために、新しい国づくりを目指しています。
(2)NHKから国民を守る党(現:みんなでつくる党)
2013年に元NHK職員の立花孝志氏が設立した政治団体で、NHKのスクランブル放送化を主張しています。党名を複数回変更しており、2023年に党名を「みんなでつくる党」としています。
2019年7月の第25回参議院議員選挙で、NHKから国民を守る党は得票率が有効投票総数の2%以上となり、「政党要件」を満たし国政政党になりました。
また、2022年7月に実施された第26回参議院議員選挙で比例区で1議席を獲得しましたが、当選した東谷義和氏が国会を長期間無断欠席し、除名処分を受けました
2024年1月に所属していた国会議員2名が離党したため、政党助成法における国政政党要件を失いました。また、2024年10月に実施された第50回衆議院議員選挙では、6名の候補が立候補したものの、全員落選しました。
(3)れいわ新選組
2019年7月の第25回参議院議員選挙で、れいわ新選組は選挙区選で得票率が有効投票総数の2%以上となり、「政党要件」を満たし国政政党になりました。
また、2022年7月の第26回参議院議員選挙では国政政党として、9名の立候補者に対して2議席を獲得しました。2024年10月の第50回衆議院議員選挙では、9議席を獲得しました。
れいわ新選組の基本政策は以下のとおりです。
- 消費税の廃止
- 積極的な財政出動
- 子ども手当の拡充、教育無償化
- 原発の即時禁止
- 農林水産品の全量買い取り
- 防災省の設立
(4)日本保守党
日本保守党は、作家の百田尚樹氏とジャーナリストの有本香氏を中心に、2023年10月に設立された日本の政党です。党のスローガンは「日本を豊かに、強く」であり、日本の国体や伝統文化の保護、安全保障の強化、減税などを主要な政策として掲げています。
2024年10月に実施された第50回衆議院議員選挙で、比例代表の得票率が2%を超え、公職選挙法上の政党要件を満たしました。
日本保守党の基本政策は以下のとおりです。
- 日本の国体、伝統文化を守る
- 防衛力の強化・スパイ防止法の制定
- 減税と国民負担率の軽減
- 自主独立の外交
- 議員の家業化をやめる
- 移民政策の是正
4、まとめ
今回は、諸派と新たに国政政党になった3つの党について説明しました。
小さい政治団体でも、インターネットが普及したことで主張が取り上げられやすくなったのです。
現在の国政政党について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。