政策共創プラットフォーム『PoliPoli』(https://polipoli-web.com/)を運営する事務局が、2023年6月の「スタートアップ」に関する注目ニュースをお届けします!
(1)休眠預金等活用法の改正で、スタートアップの支援が可能に
2009年以降の取引から10年以上取引のない休眠預金を、社会課題の解決や民間公益活動の促進のために活用する制度が2019年度に金融庁で始まりました。休眠預金の活用先としては、こどもや若者・社会的弱者の支援、地域の活性化などでしたが、6月の通常国会で改正案が可決され、今後は、公共性の高い事業を手がけるスタートアップ企業にも対象が拡充されることとなりました。
また、休眠預金を活用する民間の団体などに対し人材紹介やノウハウの提供を専門に行う「活動支援団体」を設けることとなりました。
(参考)
・e-Gov「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」
(2)「日ASEANビジネスウィーク2023」でASEANとの連携を強める
経済産業省と日ASEANが主催となり、「日ASEANビジネスウィーク2023」を開催しました。この会議では、日本とASEANの大企業とスタートアップの出会いの場を作ることで、イノベーション創出の一大中心地としていくことなどが話し合われ、若いビジネスリーダーや社会起業家などを招聘し、「日ASEANヤングビジネスリーダーズサミット」「Z世代ビジネスリーダーズサミット」を開催することが決まりました。またスタートアップを生み出すピッチイベントもタイ・インドネシアで開催されます。
この会議の議論を踏まえビジョンが策定され、8月の「日ASEAN経済大臣会合」で報告される予定です。
(参考)
・日ASEANビジネスウィーク2023~Toward Innovative and Sustainable Growth~
・「日ASEAN経済共創ビジョン」中間とりまとめ
(3)大企業発のスタートアップ創出のため「スピンオフ」税制に特例措置
経済産業省は、大胆な事業再編の実施を支援するための「『スピンオフ』の活用に関する手引き」を改訂しました。これは、2023年度の税制改正で、「スピンオフ」に対する課税を対象外にする特例措置が創出されたのを受けたものです。大企業が持つ人材や技術などの経営資源をより効果的に活用し、大企業発スタートアップの創出を増やしていくことを目的としています。
「スピンオフ」とは会社の一部門、あるいは完全子会社を切り離し独立させることで、親会社の経営資源を活用しながら成長を目指せることや、経営の自由度がが高まることで、イノベーションを起こしやすい環境にすることができます。
特例措置には一定の要件が必要で、例えば親会社が保有する切り離す会社の株式が発行済み株式の20%未満であることなどが設けられています。
この特例措置は2024年3月31日までに、経済産業大臣から事業再編計画の認定を受けることで、適用されます。
(参考)
・経済産業省「スピンオフ」の活用に関する手引
・内閣官房「スタートアップ育成5か年計画」
参考URL:株式会社PoliPoli|note ニュースレター|2023年6月【スタートアップ】注目の動き・ニュース