老衰が約2割、暗殺が約1割
歴代総理大臣経験者の最多の死因は「老衰」で10人。亡くなった歴代総理大臣経験者のうち、約2割に当たります。
歴代総理大臣経験者の、亡くなった時点での平均年齢は76.7歳(最高齢は東久邇宮稔彦王の102歳)。激務と精神的なプレッシャーを乗り越えて、畳の上で穏やかな最期を迎える方がもっとも多いという結果となりました。
老衰で亡くなった総理大臣経験者
23代清浦奎吾(享年92)、31代岡田啓介(享年84)、35代平沼騏一郎(享年84)、36代阿部信行(享年77)、45代吉田 茂(享年89)、46代片山 哲(享年90)、56代岸 信介(享年90)、71代中曽根康弘(享年101)、78代宮澤喜一(享年87)、80代羽田 孜(82)
続くのは、肺炎や呼吸不全などの「肺疾患」と、心筋梗塞や狭心症などの「心疾患」で、ともに8人。2018年の日本の3大死因では1位が悪性新生物(27.4%)、2位が心疾患(15.3%)、3位が老衰(8.0%)と並び、肺炎は5位(6.9%)。総理大臣経験者では、肺炎などの肺疾患で亡くなっている方が一般よりも多いことが分かります。
肺疾患で亡くなった総理大臣経験者
3代山縣有朋(享年83)、4代松方正義(享年89)、24代加藤高明(享年66)、52代鳩山一郎(享年76)、58代池田勇人(享年65)、64代田中角榮(享年75)、67代福田赳夫(享年90)、74代竹下 登(享年76)
心疾患で亡くなった総理大事経験者
18代寺内正毅(享年67)、25代若槻禮次郎(享年83)、26代田中義一(享年65)、43代東久邇宮稔彦王(享年102)、44代幣原喜重郎(享年78)、66代三木武夫(享年81)、68代大平正芳(享年70)、70代鈴木善幸(享年93)
日本人の死因第1位である「悪性新生物(がん)」で亡くなった総理大臣経験者は6人。「脳疾患」が原因で鬼籍に入った方々と同数です。
悪性新生物で亡くなった総理大臣経験者
11代桂 太郎(享年65)、21代加藤友三郎(享年62)、41代小磯國昭(享年70)、42代鈴木貫太郎(享年80)、47代芦田 均(71)、75代宇野宗佑(享年75)
脳疾患で亡くなった総理大臣経験者
2代黒田清隆(享年59)、33代林 銑十郎(享年66)、37代米内光政(享年68)、55代石橋湛山(享年88)、61代佐藤榮作(享年74)、84代小渕恵三(享年62)
日本の舵取りを行う重要な役割を担っているからこそ、命を狙われるケースも少なくありません。全62人の総理大臣経験者のうち、約1割に当たる6人が暗殺によって命を落としています。しかし彼らはすべて戦前を生きた人たち。戦後は、明らかな暗殺事件というものは起こっていません。
暗殺によって亡くなった総理大臣経験者
初代伊藤博文(享年68)、19代原 敬(享年65)、20代高橋是清(享年81)、27代浜口雄幸(享年61)、29代犬養 毅(享年76)、30代齋藤 實(享年77)
刑死・自死した総理大臣経験者はも3人います。それぞれ、第二次世界大戦で国政を担った責を取った形です。
刑死・自死した総理大臣経験者
32代廣田弘毅(享年70)、34代近衞文麿(享年54・自死)、40代東條英機(享年64)
その他の4名はそれぞれ病死しています。8代大隈重信は「胆石症」、12代西園寺公望は「腎盂炎」、
16代山本權兵衞は「前立腺肥大症」、82代橋本龍太郎は「腸管虚血」が原因と伝えられています。