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政治ドットコムトピックス感染者数減少するも下旬ふたたび増加トレンドに 新聞報道から振り返る2020年6月

感染者数減少するも下旬ふたたび増加トレンドに 新聞報道から振り返る2020年6月

投稿日2021.1.20
最終更新日2021.01.22

2020年、新聞は一面の記事で世の中に何を伝えたのか。朝日新聞の一面に掲載された記事から2020年を振り返ります。
緊急事態宣言も解除され、店舗も通常営業に。プロ野球やJリーグの開催やディズニーランドの再開など、アフターコロナの新たな日常が戻ってきたかと思われた6月。
感染者数も減少傾向にありましたが、月末にはまた全国で100人以上の感染者が見られるなど増加トレンドになっていきます。
7月5日投開票の東京都知事選、河井克行・案里夫妻の選挙法違反による逮捕、アメリカでのBLM運動の盛り上がりなど、6月は新型コロナ以外のニュースに注目が集まりました。

河井夫妻問題・BLM運動に関する記事が増加

朝日新聞が第1面でどのようなニュースを報じてきたのか。全見出し(小見出し含む)を洗い出して2020年を振り返るシリーズ「6月版」をお届けします。

4月7日から5月25日まで続いた緊急事態宣言が解除され、「ほぼ」通常の生活が戻ってきた6月。
緊急事態宣言前、1日あたりの全国の感染者数最多を記録した4月11日の720人から、緊急事態宣言が解除された5月25日には25人と急減。ようやく国内に明るい兆しが見えるようになりました。

朝日新聞の一面でも「動き出した新しい日常 ようやく登校 映画や塾再開」(6月2日朝刊)、「39県 人出8割 緊急事態解除 1カ月 主要駅周辺」(6月14日朝刊)、「県境またぐ移動 全国で制限解除」(6月19日朝刊)といった記事が見られるようになっていきます。

感染者数の減少に伴って、朝日新聞の一面見出しに使われた語句上位10個からも、新型コロナウイルスを直接連想させる文言が「コロナ」(25個)、「感染」(8個)、「給付金」(7個)だけと減っていきます。
一面に掲載された記事の分類上でもこの傾向は顕著に現れ、4月には65.8%、5月には59.8%を占めた新型コロナ関連記事も、6月には32.1%(61本)と半減しています。

変わって急増したのが、河井克行氏・案里氏夫妻による選挙違反事件に関する報道です。
6月19日に夫妻ともども逮捕されたことを受け、見出し内でも「河井」「夫妻」の語句が多用され、それぞれ3位・6位にランクインしています。

また、2020年5月にアメリカのミネソタ州ミネアポリスで、白人警官が黒人男性の首を圧迫して死亡させた事件をきっかけとした抗議活動も激化。
Black Lives Matter(=BLM/黒人の命も大切)運動が展開されたことを報じる記事も増えています。

4月の外出自粛が経済に与えた影響が顕在化

6月6日の朝刊の見出しに、初めて「GoTo」の語句が使われています。
「『GoTo』公募見直し 消費喚起策、委託費3095億円に批判」
GoToキャンペーン事業は、新型コロナウイルスの対策として第1次補正予算に盛り込まれました。
検討が続けられていましたが、6月5日、事務局を委託する事業者の公募を中止しやり直すといった内容の記事です。
3000億円以上に膨らむと予想された委託費を圧縮するため見直しが図られました。

店舗の営業や個人の外出自粛が叫ばれた4月の消費支出が大きく落ち込んだこともこの時期発表されています。
総務相が6月5日に発表した4月の家計調査では、2人以上の世帯の消費支出は26万7022円。この数値は前年同月と比較すると11.1%少なく、その下落幅は2001年1月以降でもっとも大きいものでした。

また、6月10日に内閣府が発表した4月の機械受注統計(季節調整値)では、代表的な指標である「船舶・電力をのぞく民需」が前月比12.0%減の7526億円と落ち込みました。この減少幅も2018年9月以来の大きさとなるものでした。

そんななか、7月5日の投開票に向けた東京都知事選への記事も増え始めます。
6月12日には、現職の小池百合子氏が再選を目指して立候補すると正式に表明しました。
令和初の都知事選となる選挙には、歴代最多の22人が立候補。しのぎを削りました。

感染者数も減少傾向にあり、各種の制限や自粛要請が解除されたこの時期、プロ野球が初の無観客試合で開幕することが決定(6月20日朝刊)、Jリーグもリモート観戦や投げ銭制度の開始など(6月20日夕刊)、東京ディズニーランドも7月1日から再開(6月23日夕刊)と、新たな生活様式を模索しながら、徐々に感染拡大前の生活を見据えた動きが進んでいきました。

緊急事態宣言後、6月の全国の1日あたりの感染者数はふた桁で推移していきましたが、6月26日に105人を記録。2日後の28日に113人が確認されると、29日、30日と連日100人超え。
不穏な空気がふたたび漂い始めます。

■■2020年6月の主な朝日新聞の一面見出し
6月1日 「米 黒人死亡 抗議デモ激化 一部暴徒化 逮捕者1700人」
6月3日 「東京アラート発動 感染34人 夜の繁華街注意を」
6月6日 「GoTo公募見直し 消費喚起策 委託費3095億円に批判」
6月6日 「横田滋さん死去 87歳 拉致被害 めぐみさん父」
6圧13日 「小池氏が再選出馬表明 都知事選18日告示」
6月14日 「39県 人出8割 緊急事態解除1カ月 主要駅周辺」
6月19日 「河井前法相 案里議員逮捕 参院選で買収容疑」
6月19日 「県境またぐ移動全国で制限解除」
6月28日 「無観客 J 再開」
6月30日 「世界の死者50万人 感染者1000万人」

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
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