政治ドットコムトピックス安倍首相辞任 バイデン氏正式指名 新聞報道から振り返る2020年8月

安倍首相辞任 バイデン氏正式指名 新聞報道から振り返る2020年8月

投稿日2021.1.20
最終更新日2021.01.22

2020年、新聞は一面の記事で世の中に何を伝えたのか。朝日新聞の一面に掲載された記事から2020年を振り返ります。
7月28日に初めて1日あたりの全国の感染者数が1000人を超えてから、8月15日まで1000人台、8月16日から8月23日まで1100人台、8月24日から8月30日まで1300人台と、徐々に増加していきます(出典:NHK「特設サイト 新型コロナウイルス」)。
そんななか、憲政史上最長の首相在職期間となった安倍晋三氏が体調不良を理由に首相を辞任。国内外に衝撃を与えます。

コロナ関連記事は18%と減少

朝日新聞が第1面でどのようなニュースを報じてきたのか。全見出し(小見出し含む)を洗い出して2020年を振り返るシリーズ「8月版」をお届けします。

8月に一面の見出しに使われた語句でもっとも多かったのは2月以来引き続き「コロナ」でしたが、新型コロナウイルス関連記事が占める割合は18.6%(33記事)と激減します。
2月が34.0%、3月が36.6%と3割強で推移し、4月には65.8%、5月も59.8%と大きく紙面を割いて報道してきましたが、8月に至って2割を割り込んでいます。
新型コロナウイルスへの不安や恐怖、関心は依然高いままではありながらも、安倍首相の退陣(後述)など、ニュースバリューの高い話題が立て続けに起こったこと、「アフターコロナ」の社会に人々が徐々に慣れはじめたことが原因ではないかと考えられます。

また、2020年8月15日は第二次世界大戦から75年となる節目の日でもありました。
朝日新聞の一面では、安倍首相の退陣記事(5記事)よりも多い12記事を掲載しています(6.8%)。

日米トップに大きな動き

当時、首相を務めていた安倍晋三氏の通院報道が初めてされたのは8月17日のことです(8月17日夕刊「安倍首相 病院で日帰り検診)。
17日午前、検査のために東京都新宿区の慶応大学病院に入った安倍氏は、約7時間半滞在し、18時ごろに病院を出ています。
7月末から8月頭にかけて、安倍氏の体調を巡って、一部週刊誌で健康を不安視する報道がなされており、当時の官房長官だった菅義偉氏が会見で「まったく問題ない」と釈明しているさなかのことでした。

通院から1週間後の8月24日、安倍氏の首相連続在職期間が2799日に達し、それまで最長だった佐藤栄作氏を抜き去りました。
すでに2019年11月、通算の在職日数においても明治・大正期に首相を務めた桂太郎氏の計2886日を抜いており、連続・通算ともに日本の憲政史上もっと長く首相を務めた政治家として、歴史に名を残しました。

輝かしい記録を打ち立てたその日、ふたたびの通院報道がなされます。
「首相 再び病院へ 菅氏『追加検査』」(8月24日夕刊)
記事によると、関係者は「医師から1週間後にまた来るよう言われており、受診は前回の続き」と説明。
菅氏も会見で「追加検査とうかがっている。(首相に)毎日お目にかかっているが(健康状態に)変わりない」と語っています。

自民党総裁の任期である2021年9月末まで続けられるのか、そんな声が囁かれるようになった8月28日の夕方、ついに安倍氏は首相を辞任する意向を表明します。
「安倍首相、辞任表明『持病再発、負託に応えられない』新首相、来月に選出」(8月25日朝刊)
辞任の理由は、持病の潰瘍(かいよう)性大腸炎が再発したこと。
「コロナ禍の最中に職を辞することを、国民の皆様に心よりおわびする」と陳謝し、感染者数が減少に転じたことや、冬に向けた対策施策を取りまとめたことで「新体制に移行するならこのタイミングしかないと判断した」と、記者会見で語っています。
海外首脳にも衝撃を与えたこのニュース。
国内では翌日から次期総裁のイスを巡って熾烈な争いが繰り広げられます。

混迷の大統領選挙本格スタート

アメリカでは11月3日の2020年大統領選挙の投票日に向けて、動きが加速していきます。
・8月11日、バイデン氏が副大統領候補に初めて黒人女性のハリス氏を指名
・8月18日、民主党大会でバイデン氏を正式指名
・8月21日、バイデン氏が指名受諾演説
黒人女性で初めて副大統領候補になったことで注目を集めたハリス氏でしたが、数カ月後の11月、その卓越した演説、内容の素晴らしさから世界の称賛を集めることになります。

一方のトランプ氏も24日に開幕した共和党大会で大統領候補として正式に指名を受け、27日に指名受諾演説を行います。
8月の段階ですでに、大統領選挙で活用される郵便投票について「民主党は郵便投票用紙を求めていない8千万人に送ろうとしている」などと批判。民主党が選挙不正を行っていると訴えています。

現職が圧倒的に有利とされるアメリカ大統領選挙。
過去100年で現職の大統領が敗北したのは4人だけです。
投票前から混迷の度合いを深めていった2020年の大統領選挙、11月3日以降も混乱が続くとは、このときはまだ誰も知る由もありません。

■2020年8月の主な朝日新聞の一面見出し
8月9日 「知事会 帰省控える呼びかけ お盆 家族と相談を」
8月12日 「黒い雨訴訟 控訴で合意」
8月12日 「炎暑 40.5℃ 各地で猛暑日」
8月13日 「米副大統領候補 ハリス氏」
8月14日 「イスラエル UAE 国交樹立 トランプ氏発表」
8月16日 「戦後 75年 つなぐ平和 コロナ禍の戦没者追悼式」
8月18日 「GDP 戦後最悪の下落 4〜6月 年率27.8%減」
8月19日 「民主党大会 バイデン氏を正式指名」
8月21日 「秋元議員を逮捕 IR汚職」
8月25日 「コロナ感染 緩やかに減少 専門家組織 7月末ピーク」
8月25日 「大統領候補 トランプ氏を正式指名」
8月29日 「安倍首相 辞任表明」