政治ドットコム選挙期日前投票とは?対象者や投票の流れ、不在者投票との違いを簡単解説

期日前投票とは?対象者や投票の流れ、不在者投票との違いを簡単解説

投稿日2020.11.13
最終更新日2020.11.13

期日前投票とは、選挙当日に旅行や仕事など予定が入っている人が、事前に投票を済ませることができる仕組みです。

各市役所が役所内や公共施設などに設けた投票所から気軽に投票を行えるため、現在利用率が高まっている傾向にあるようです。

そこで今回の記事では期日前投票について

  • 期日前投票の概要
  • 期日前投票の流れ
  • 不在者投票との違い

などわかりやすく解説します。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、期日前投票とは

期日前投票
「期日前投票」とは、選挙の当日に仕事や学校、家族の用事などさまざまな理由で都合がつかない人のために、事前に投票を行える仕組みのことです。

2003年12月に行われた公職選挙法の改正に伴って、従来の「不在者投票」に加えて新たに導入されました。

もともと不在者投票では、自分で必要書類を取り寄せたうえで立会人の署名をもらうなど一連の手続きが必要でした。

しかし、期日前投票においては事前手続きをする必要はなく、定められた期間内に投票所に行って、当日と同じように支持する立候補者や政党名を記入するだけなので、投票が簡単にできます。

(1)期日前投票の利用対象者

期日前投票は、選挙当日に都合がつかない方などを主な対象としています。
期日前投票を行う理由について、細かな審査などはされません。

「選挙の当日はちょっと予定が…」というときは、気兼ねなく期日前投票を利用しましょう。
また選挙そのものの制度について知りたい方は以下の関連記事も併せてご覧下さい。

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参考:総務省 選挙

2、期日前投票の流れ

それでは、期日前投票はどのような流れで行われるのでしょうか。
以下で、わかりやすく紹介していきます。

(1)投票所に行く

定められた期間内(公示もしくは告示日の翌日~選挙期日の前日まで)で自分の都合が良い時に、投票所に行きましょう。

期日前投票を行う際、何枚も書類にサインするなどの手続きはありません。
選挙区内ならどこの投票所でも問題ありませんので、自分が立ち寄りやすい場所に行って投票しましょう。

投票時間は、原則午前8:30〜午後8:00までです。
ただ、市区町村によって場所や期間などが違うので、事前にスマホやPCなどで「期日前投票 市区町村名」で検索しておくことをおすすめします。

もし、すでに投票案内ハガキが届いている場合、ハガキ内にある「投票所入場券」を切り離しておきましょう。

(2)投票用紙をもらう

投票所に到着したら、受付で入場券を受け取りましょう。
ここで、選挙人名簿と照らし合わせて本人かどうか確認されます。

この際、入場券の裏面にある宣誓書に

  • 投票する年月日
  • 名前
  • 生年月日
  • 住所
  • 期日前投票をする理由(番号選択)

を記入しておきましょう。
宣誓書を提出して本人確認が終われば、用紙を受け取って投票を行います。

(3)投票する

投票記載台に貼ってある氏名や政党を確認し、投票用紙に記入します。

  • 小選挙区制:候補者名
  • 比例代表制:候補者名か政党名のどちらか

と選挙方法ごとに記入方法が異なるので注意しましょう。
用紙への記入が終わったら、自分で投票箱に直接投函して終了です。

参考:総務省 選挙

3、投票入場券を無くした場合は?

期日前投票
入場券がなくても、選挙人名簿に名前があれば投票が可能です。
入場券は、選挙のお知らせや本人確認を効率的に進ませる方法の1つであるため、

「入場券がないと投票できない」という訳ではありません。

入場券が手元にない場合は

  • 免許証
  • 保険証

などを用意しておきましょう。

受付で渡された宣誓書に、氏名や当日に都合がつかない理由などを記入して提出すれば、あとの手続きは同じです。

参考:海南市選挙管理委員会

4、不在者投票との違い

それでは、従来の不在者投票とどのような点が違っているのでしょうか。
簡単に説明していきます。

「不在者投票」は、選挙区とは異なる場所などから投票が行える仕組みです。
原則として、選挙は住民票のある市区町村で行うものです。

しかし、選挙期間中に自分の市町村とは別の場所にいて、地元の投票所にどうしても向かえないという人もいます。

そうした人でも、投票が行えるように不在者投票制度は設けられました。

期日前投票とは

  • 投票を行う場所
  • 制度を利用する手続き
  • 利用できる対象者

のこれら3つの点が主に異なっています。それぞれについて見ていきましょう。

(1)投票を行う場所

「期日前投票」の場合は、名簿登録地の市区町村が設置した投票所でのみ投票できます。

一方、「不在者投票」はそれ以外の市区町村や指定病院などから可能です。

選挙期間中に遠隔地にいる人にとっては、不在者投票の方が利用しやすいといえるでしょう。

(2)制度を利用する手続き

前述のように「期日前投票」には事前手続きはありませんが、「不在者投票」には必要な事前手続きがあります。

まず、住民票のある市区町村の選挙管理委員会に自分で必要書類を取り寄せたうえで、宣誓書を提出します。

宣誓書を提出すると

  • 投票用紙(内封筒・外封筒)
  • 不在者投票証明書

が送られてきます。

ただし、投票用紙は白紙のまま何も書かず、不在者投票証明書の入った封筒も開けてはいけないので注意しましょう。

それらを持って最寄りの選挙管理委員会へ行き、その場で候補者名などを記入します。

体に重い障害を抱えているなど、投票所に行くことが難しい場合、「郵便投票証明書」を申請すれば、自宅からの郵送で投票することも可能です。

投票用紙が開票日までに住民票のある市町区村へ届かなければ無効となるので、余裕を持って手続きを行いましょう。

(3)利用できる対象者

「期日前投票」は基本的に誰でも利用することができますが、「不在者投票」は利用できる人が限られます。

不在者投票の利用対象となるのは、次のような人です。

  • 住所を移して3ヶ月以上経過している人
  • 実家に住民票を残したまま遠隔地で就職・進学している人
  • 不在者投票が可能な病院・施設に入所している人
  • 体に重度の障害がある人
  • 投票日翌日までに18歳の誕生日がくる17歳の人

地元から離れた大学に通う学生や住民票を移さずに遠隔地で仕事をしている社会人などは、不在者投票のやり方を確認しておきましょう。

参考:総務省

5、期日前投票の利用状況

期日前投票
2003年から導入された期日前投票ですが、現在この仕組みを利用する人は若年層も含めて増加傾向にあります。

実際、2017年の衆院選では、2014年のときと比べて約820万人以上増え、その数はなんと2000万人台になり、過去最多でした。

また、2018年の沖縄・ 名護市長選では、投票全体の6割近くが利用するなど、地方選挙でも利用率が高まっているのが現状です。

選挙権年齢の引き下げ後の2016年参院選からは、高校や大学にも投票所が置かれるようになりました。

これほど利用者が増加している背景には

  • 大規模ショッピングセンター
  • デパート
  • 移動期日前投票所

など、人が気軽に集まりやすいところに投票所が置かれている点が挙げられます。

また、投票日の天気を考慮して「当日は台風が近いので、期日前投票をしましょう」というアナウンスを行う自治体もあるようです。

期日前投票を行う人が年々増加する中で、その利用方法も多様化してきているのです。

参考:総務省 参考資料

6、期日前投票の課題

現状の期日前投票の主な課題としては

  • 投票率への影響の小ささ
  • 投票所設置のコスト

です。それぞれについて見ていきましょう。

(1)投票率への影響の小ささ

期日前投票の利用者数は年々高まっていますが、投票率の大きな底上げまでには至っていないようです。

その理由としては、以前から投票を行っていた人が早めに投票しに行っただけなのではないかと言われています。

実際に衆院選での「期日前投票の利用者数」は

  • 2014年:約1315万人
  • 2017年:約2137万人

となっており、参院選では

  • 2016年:約1597万人
  • 2019年:約1706万人

と衆院選・参院選ともに利用者は過去最多を記録しています。

一方で衆院選での「投票率」は

  • 2014年:約52.6%
  • 2017年:約53.6%

となっており、参院選では

  • 2016年:約54.7%
  • 2019年:約48.8%

と投票率の大幅な押し上げには至っていないようです。

近年では投票率アップのため、インターネット投票の実現化も検討されています。

参考:総務省 国政選挙における投票率の推移

参考:総務省 参考資料

(2)投票所設置のコスト

投票所設置のコストも、重要な課題のひとつです。

投票所を設置するときには

  • 設営費
  • 運営費
  • 人件費

などがかかります。

また、二重投票などの不正行為を防止するためのセキュリティーにかかるコストもあります。

このような環境設備にかかる費用は、投票所が多い自治体ほど大きくなります。

最新技術の導入による効率化など、投票所設置にかかるコストが自治体にとって大きな負担にならないような仕組みづくりが必要であるといえます。

参考:秋田魁新報

参考:毎日新聞

まとめ

本記事では期日前投票の仕組みや不在者投票との違いを説明しました。

選挙は、これからの日本のあり方に影響を与える私達のリーダーを決める重要なシステムです。

より豊かな日本を自分たちの手で作っていくためにも、投票に行くようにしましょう。