政治ドットコム選挙総選挙とは?行われるタイミングや仕組み・立候補の仕方など解説

総選挙とは?行われるタイミングや仕組み・立候補の仕方など解説

投稿日2020.11.5
最終更新日2020.11.05

総選挙とは、衆議院議員を選ぶ衆議院議員総選挙のことを指し、「小選挙区選挙」と「比例代表選挙」が同時に行われます。

これは国民の代表を選ぶ重要な選挙の1つです。
そこで今回は総選挙について、

  • 総選挙の概要
  • 総選挙のシステム
  • 選挙権と被選挙権

などについて解説します。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、総選挙とは

衆議院議員総選挙
総選挙とは、一般的に「衆議院議員総選挙」を指し、衆議院議員を選ぶ選挙です。
ちなみに、参議院議員の場合は総選挙とは言わず、「通常選挙」と呼ぶことが多いです。

総選挙では、衆議院の定員465名のうち

  • 289名を小選挙区選挙
  • 176名を比例代表選挙

で選びます。

同時に「最高裁判所裁判官国民審査」も行われます。
最高裁判所裁判官国民審査とは、最高裁判所の裁判官がその身分に相応しいかどうかを国民投票により審査する制度です。

参考:総務省

(1)小選挙区制

小選挙区制とは、全国を289の選挙区に分け、その選挙区で一番票を得た(支持が多かった)人が当選するという選挙システムです。

有権者は投票用紙に、「候補者の名前」を書いて投票を行います。
小選挙区制では、各選挙区で1人しか選ばれないため、組織の大きい政党が有利になりやすい傾向があります。

選挙中のニュースで、「野党共闘」という言葉を聞いたことがあるかもしれません(野党とは政権を担当していない政党のこと)。

これは、「野党同士で協力して票を集めよう」ということです。
たとえば以下のようなことを行います。

  • 野党候補者を一本化して共倒れするリスクを防ぐ
  • 互いに候補者を推薦する

大きな政党が勝ちやすい小選挙区制でも、野党が団結して票を集められるようにするのが「野党共闘」です。

(2)比例代表制

比例代表制とは、全国を「北海道・東北・北関東・南関東・北信越・東京・東海・近畿・中国・四国・九州(沖縄含む)」の11ブロックに分け、有権者が支持する政党を選ぶという選挙システムです。

各ブロックで各政党が得た票の数に応じて「ドント方式」という方法で議席が割り振られ、あらかじめ政党が決めていた名簿順に当選者が決定します。

ドント方式とは、それぞれの政党の得票数を順に整数(1、2、3、、、)で割っていき、その割った数字の大きい順に議席を振り分けるという方法です。

政党名 A党 B党 C党 D党
総得票数 1,200 1,000 700 400
÷1 1,200【1】 1,000【2】 700【3】 400
÷2 600【4】 500 350 200
÷3 400 333.3 233.3 133.3
÷4 300 250 175 100
÷5 240 200 140 80
当選数

引用:国分寺市役所

例えば、上位4名が選ばれるブロックで、上記のような結果であれば、当選数は

  • A党:2名
  • B党:1名
  • C党:1名
  • D党:0名

となります。

比例代表制の名簿に名前が書かれていれば、たとえ小選挙区で落ちても比例代表で選ばれることがあります。

これを「復活当選」といいます。
ただし、「落ちた人を当選させるのは有権者の民意に反するのではないか」と、復活当選に関しては反対の声もあるようです。

参考:国分寺市役所

参考:総務省 選挙

2、小選挙区比例代表並立制が用いられている理由

現在の総選挙では「小選挙区比例代表並立制」が用いられています。
これは「小選挙区制」「比例代表選挙区制」の2つの選挙システムを合わせる方法で、1994年から導入されました。

かつて日本では、1つの選挙区で3~5人が選ばれる「中選挙区制」が用いられていました。

中選挙区制では、自分たちの政党からより多くの当選者を出そうと、同政党から複数の立候補者を立てます。

しかしそうなれば同じ政党同士で選挙を争うことになります。

その結果

  • 政策よりも地元サービスや選挙資金の多さが重視される
  • 派閥政治を党内で助長させる
  • 政党内部で対立が起きる

などの問題が生じました。

このような問題を解消するために導入されたのが「小選挙区制」です。
「小選挙区制」は1つの選挙区につき1人が選ばれるので、民意が集約されやすいという特徴があります。

また、各選挙区において政党から1人しか出馬できないので、政党内部での対立も減り、政策を重視することが可能になりました。

一方で小選挙区制には、以下のようなデメリットがあります。

  • 死票が多くなる
  • 小さい党が不利になりやすい

これらのデメリットを解消するために、並行して導入されたのが「比例代表選挙制」です。

「比例代表選挙制」では政党を選ぶため、

  • 死票率が下がる
  • 多様な民意が反映されやすい

などのメリットが期待できます。

日本では、現在これら2つの選挙システムを採用することで、より民意を反映できる選挙が行われています。

参考:総務省・中選挙区制から小選挙区比例代表並立制へ

3、総選挙はいつ行われるのか

総選挙
総選挙が行なわれるタイミングは以下の2つです。

  1. 衆議院解散日から40日以内
  2. 衆議院議員の任期満了日から30日以内

衆議院の解散とは、任期満了前に衆議院議員を辞めさせることです。

ただⅡの期間が

  • 国会開会中
  • 国会閉会の日から23日以内

にあるときには、「国会閉会の日から24日以後30日以内」に総選挙をする必要があります(公職選挙法31条)。

衆議院の解散とは?種類や解散までの流れ・過去の事例について

衆議院の解散とは、任期満了前に衆議院議員全員を辞めさせることです。 しかし、具体的にどのようなことが行なわれているのかイメージしにくいという人もいるかもしれません。 そこで今回は、衆議院の解散について 「衆議院の解散」の意味 解散の種類と流れ 過去の具体例 などご紹介します。 本記事がお役に立てば幸いです。 1、衆議院の解散とは 画像出典:衆議院 ...

参考:公職選挙法 

参考:衆議院議員総選挙一覧表

4、総選挙中も政治が停滞しない理由

「総選挙中、一体誰が日本の政治を進めるの?」と疑問に思われたかもしれません。

衆議院が解散あるいは任期を満了した場合、首相や閣僚(国務大臣)は衆議院議員ではなくなっているからです(ただし閣僚の中には国会議員でない人もいます)。

しかし、次の内閣が発足するまでは、衆議院議員ではなくなった首相や閣僚など元内閣のメンバーが継続して業務を遂行します。

内閣は「職務執行内閣」(憲法71条)として、新しい首相が指名されるまでは代理として職務を行い、さまざまな事態に対応します。

「職務執行内閣」として存続する期間には特に定めがなく、過去には1カ月以上続いたケースもあります。

こうして総選挙中でも、政治が停滞しないようにしているのです。

参考:首相官邸 内閣制度の概要

5、総選挙に投票できる年齢は?

2015年に公職選挙法等の一部を改正する法律が改正され、投票できる年齢が「満20歳以上」から「満18歳以上」に引き下げられました。

これにより、満18歳以上で日本国籍をもっていれば、高校生であっても有権者として投票することができます。

では、投票できる年齢を引き下げた結果、日本の投票率は上がったのでしょうか。

選挙権年齢が引き下げられてから初めて行われた総選挙(2017年)での投票率は53.68%で、前回の総選挙より1.02%上昇しました。

ちなみに、18歳と19歳の投票率は40.49%でした。

選挙の投票率は減少している?若者の投票率を上げるには

最近の選挙における投票率を見てみましょう。 2017年衆議院議員総選挙の投票率は53.68%、 2019年参議院議員通常選挙の投票率は48.80%。 皆さんはこの数字を見てどう思いましたか? 『国民の約半分が投票しているのだから多いんじゃない?』『国民の約半分しか投票してないのは少ないんじゃない?』、それぞれ感じ方は違うと思いますが、実はこの数字は世界的に見ても低い数字...

参考:総務省

参考:衆議院議員総選挙における年代別投票率の推移

6、総選挙に立候補するには?

衆議院議員になるために特別な資格や学歴などは必要ありません。
しかし、立候補するときに満たすべき条件が3つあります。
詳しく見ていきましょう。

(1)満25歳以上の日本国民であること

衆議院議員に立候補するには、満25歳以上で日本国籍をもっていることが前提になります。
ただ禁錮以上の刑に処せられているなどにより、被選挙権を失う場合はあります。

2017年に行われた総選挙に立候補した人数は諸派、無所属も併せて1180人でした。

参考:総務省
参考:総務省 政治資金

(2)供託金を預けること

供託金とは、立候補するときに法務局に渡すお金の事を指します。
売名や宣伝行為の防止などを目的として設けられた制度です。

総選挙の場合、供託金の額は以下の通りです。

  • 小選挙区に立候補する場合:1人300万円
  • 比例代表として登録する場合:1人につき600万円(重複立候補なら300万円)

当選もしくは一定以上の票を集めた場合は、供託金は全額返還されます。

しかし、場合によってはすべて没収されることもあります。

没収されるケースは

  • 途中で立候補を取りやめた場合
  • 選挙違反などで立候補の資格がなくなった場合
  • ボーダーラインを超えた得票数をクリアしなかった場合

などです。

供託金返還を決めるボーダーラインを「供託金没収点」といいます。
衆議院小選挙区での没収点は「有効投票総数の10%」と定められています。

実際に、2017年における総選挙の小選挙区の没収比率は約18.6%で、立候補者数936人のうち174人が供託金を没収されました。

参考:延岡市 供託金ってどんなもの?

ちなみに

  • 選挙ポスター
  • 選挙カー
  • 選挙ビラ

などといった選挙用品にかかる費用については国から補助が出ます。

ただし、最大枚数や単価が細かく定められており、先ほどの供託金没収のボーダーラインを下回った場合、この公費についても自己負担となります。

参考:総務省

(3)立候補予定者説明会への参加|立候補の届け出

立候補する場合は、選挙期日の約1~2ヶ月前に開催される「立候補予定者説明会」に参加する必要があります。

そこで

  • 選挙の説明
  • 選挙運動の日程
  • 立候補の届出に関する書類

など選挙の規則が候補者に伝えられます。
また、選挙に立候補する際は立候補の届出が必要です。

立候補の届け出期間は、公示・告示日の1日(午前8:30~17:00)だけです。
そのため、書類に不備がないか、事前に選挙管理員会に確認してもらうケースが多いようです。

参考:鳥取県 立候補について

まとめ

本記事では、総選挙の概要や選挙システムについて説明しました。
基本的な選挙のルールを把握しておけば、選挙関連のニュースへの理解が深まるかもしれません。

衆議院が解散もしくは衆議院議員の任期が終われば、その後総選挙が行われます。
総選挙は、私たちの国の将来に影響を与える重要な選挙です。

本記事が少しでも総選挙への参加意欲向上につながれば幸いです。