政治ドットコム選挙投票所はどこに行けば良い?確認方法や引っ越した場合について解説

投票所はどこに行けば良い?確認方法や引っ越した場合について解説

投稿日2020.5.2
最終更新日2020.07.02

選挙は、政治家にしたい人の名前や応援したい政党の名前を書いた投票用紙を、金属製の箱に投入して行ないます。

紙を箱に入れるだけなら、どこの箱に入れてもよいような気もしますが、有権者は自分の1票を、選挙管理委員会から指定された投票所にある投票箱に投じなければなりません。

自分の投票所が近所の小学校の体育館に設定されたら、そこで投票しなければなりません。
ちょうど買い物に出かけるから、スーパーの近くの別の投票所で投票するといったことはできません。

この記事では、

  • 投票所の確認方法や
  • 引っ越した先での投票所

など、投票所にまつわる情報を紹介します。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、なぜそこでしか投票できないのか

投票所
自分が投票をする場所は、投票所入場券(または、投票所入場整理券)に書かれています。
投票所入場券はハガキになっていて、選挙が行われることが決まると、選挙管理委員会がすべての選挙人(有権者)に郵送します。

投票所入場券には、

  • 有権者の氏名
  • 住所
  • 選挙人名簿の番号
  • 受付番号
  • 選挙の名称
  • 投票日時
  • そして投票所の場所

が書かれてあります。

投票は、期日前投票や不在者投票を除けば、投票所入場券に書かれてある場所でしか行うことができません。

なぜ決まった場所でしか投票できないのかというと、それぞれの投票所には、その投票所に指定された有権者の情報だけが掲載された選挙人名簿があるからです。

投票所には「名簿対照係」という担当者がいて、投票に来た有権者と、投票所にある選挙人名簿を照合して本人確認をします。
その投票所を指定されていない人は、その投票所にある選挙人名簿に名前が載っていないので、「ここでは投票できない」と言われます。

そのため、指定された投票所以外で投票することができないわけです。
「その代わり」というわけではありませんが、自分が指定された投票所に行けば、投票所入場券を持参しなくても投票することができます。

名簿対照係が、投票所にある選挙人名簿で本人であると確認できれば、投票用紙が渡されます。
「投票所の指定」「投票所対応の選挙人名簿」「投票所入場券」の3点セットで、選挙の大原則である1人1票を確保しているのです。

2、投票場の確認方法

有権者が自分の投票所を確認する方法を紹介します。

(1)投票案内ハガキ「投票所入場券」

最も確実な方法は、先ほど紹介した、投票所入場券を確認することです。
そこに投票所が書かれてあります。
ただ投票所入場券は選挙が行われることが決まってから郵送されるので、それより前に投票所の場所を確認することはできません。

(2)「自分の住所 投票所」で検索

もう少し現代的な確認方法があります。
グーグルで「自分の住所 投票所」で検索する方法です。
例えば「北海道釧路市 投票所」でグーグル検索すると釧路市の公式サイトの「投票所一覧」のページが現れます。

そのページを見れば、例えば「釧路市富士見」に住んでいる人の投票所が、釧路市富士見3丁目2番1号にある「富士見会館」であることがわかります。

また「渋谷区 投票所」で検索すれば、渋谷区の公式サイトの「投票所と投票区域」のページが現れます。
そこには「恵比寿4丁目」に住む人は、東京都渋谷区恵比寿4丁目21番10号の「加計塚小学校」に設置される投票所で投票することがわかります。

(3)選挙管理委員に問い合わせる

(1)の方法でも(2)の方法でもわからない場合は、自分が住んでいる市区町村の選挙管理委員会に電話で問い合わせてみましょう。

市区町村役場の代表電話にかければ、選挙管理委員会の事務所に回してくれるか、事務所の電話番号を教えてくれるはずです。

3、引っ越すと投票所はどこになるのか

投票所
選挙管理委員会は、いくつかの投票所を設定し、有権者の家から最も近い投票所をその有権者に割り当てています。
そのため、有権者が投票所のエリア外に引っ越せば、次の選挙では別の投票所で投票することになります。

(1)住民票と住民基本台帳と選挙人名簿と投票所の関係

引っ越した有権者が、市区町村役場で転入届を提出すると、新しい住所が登録され、新しい住民票がつくられます。
住民票がつくられると、住民基本台帳に同じ情報が記載されます。

選挙管理委員会は、選挙人名簿を、住民基本台帳を基に作成します。
選挙人名簿には住所も記載されるので、その住所で投票所が決まります。

18歳以上の日本国民はすべて選挙権を持つことができます。
選挙権は投票をする権利ですが、選挙人名簿に自分の名前が載っていないと投票することができません。

つまり、「選挙権+選挙人名簿への登録」で初めて投票をすることができます。

ところが、引っ越してすぐに、自分の情報が選挙人名簿に記載されるわけではありません。
選挙人名簿に登録されるのは、転入届を提出した日から引き続き3カ月以上、住民基本台帳に記録されてからです。
つまり、同じ場所に3カ月以上住み続けないと、選挙人名簿に登録されません。

引っ越してから3カ月未満の期間に国政選挙(衆議院議員選挙と参議院議員選挙)が行われたら、旧住所で投票することになります。

しかし、知事選挙と都道府県議会議員選挙では、他の都道府県に引っ越して3カ月未満の場合、新住所先で投票することはできません。

それは、選挙人名簿に登録されていないからです。

また、他の都道府県に引っ越して、元の住所の都道府県で知事選挙と都道府県議会議員選挙が行われても、それにも投票することができません。

引っ越すと、その地域の選挙人名簿から削除されてしまうからです。
同じことは、市区町村長選挙と市区町村議会議員選挙でも起きます。

つまり地方選挙では、引っ越しの仕方によっては「投票所がない状態」が生じます。
選挙権があるのに投票できないケースが生じることに疑問を感じる人もいるかもしれませんが、この「3カ月以上住む」ルールは、不正防止のために仕方がないようです。

(2)国政選挙では不在者投票を利用できる

引っ越してから3カ月以内に国政選挙が実施されたら、旧住所で投票することになりますが、旧住所が遠方にある場合、投票日に旧住所の投票所に行ったり、旧住所の期日前投票所に行ったりすることは、手間のかかることでもありますね。

そのような場合には、不在者投票の利用をおすすめします。
不在者投票なら新住所で投票できるので、投票所の住所が遠方にあっても関係ありません。

不在者投票をするには、旧住所の選挙管理員会に投票用紙を請求し、郵送されてきた投票用紙に候補者名を記入して封筒に入れ、新住所の選挙管理委員会の不在者投票管理者に渡すだけです。

不在者投票管理者が、旧住所の選挙管理委員会に、封筒に入った記入済み投票用紙を渡します。
不在者投票は「投票所いらず」の投票方法といえます。

4、投票について知っておきたいこと

ここでは投票所にまつわる情報を紹介します。

(1)投票所は減っている

横浜市立大学の茨木瞬客員研究員によると、全国の投票所の数は減少しているようです。

最も投票所が多かったのは2000年の約53000カ所でしたが、2014年には48620カ所にまで減っています。
実に7.5%減です。

2005年から2009年の間の減り方は特に大きく、2043カ所も減りました。
茨木氏は、投票所の減少が投票率の低下に拍車をかけているのではないか、と危惧しています。

参考:論文「なぜ自治体は投票所を減らすのか? ~投票所統廃合に関する計量分析~」

(2)投票用紙を2枚渡してしまった?

2020年4月26日に投開票が行われた倉敷市長選で、投票者の総数より、投票された投票用紙の枚数が1枚多いことがわかりました。

投票所で、1人の有権者に2枚の投票用紙を渡してしまった可能性が高いそうです。
事の顛末を紹介する前に、投票の仕方を確認しておきましょう。

投票所にやってきた有権者は、持参した投票所入場券(ハガキ)を、名簿対照係に渡します。
名簿対照係は投票所入場券の内容と選挙人名簿を照合して、本人確認をします。

次に投票用紙交付係が、有権者から投票所入場券を受け取り、有権者に投票用紙を「1枚」渡します。
有権者はその投票用紙に立候補者の名前を書き、投票箱に投じます。

この一連の行動を、投票管理者や投票立会人が監視しています。
投票所の担当者が有権者に投票用紙を渡す作業は、これほど厳格に行われているわけです。

このときの倉敷市長選の投票所は、投票日当日に122カ所、期日前投票に8カ所設置されました。
しかし、どの投票所で2枚配布が行われたかは特定できませんでした。

そして、倉敷市選挙管理委員会は、どの投票用紙が「2枚目」なのか特定することは事実上不可能と判断しました。
倉敷市長選の結果は、現職93338票(当選)、新人5227票(落選)、無効票1592票となりました。

これは「2枚目」を含む数字ですが、倉敷市選挙管理委員会は、この数字を変更しないことにしました。
1人1票の原則が破られれば、選挙の公正性は保たれません。

しかし1枚の間違いであり、さらに、当選者は落選者の18倍もの票を得ているのでやり直し等は行われませんでした。

まとめ

決められた投票所でしか投票できないことは、少し窮屈に感じるかもしれません。
ショッピングモールやテーマパークなどに投票箱を設置して、誰でもそこで投票できるようにすれば、もしかしたら投票率が上がるかもしれません。

しかし、選挙を確実かつ公正に行うには、「投票所指定方式」が最も合理的な方法といえるでしょう。
選挙の確実性と公平性が保たれずに、民主主義は成立しません。

自分の投票所でしっかり投票しましょう。