新型コロナ対策と政権攻撃
2020 年、新聞は⼀⾯の記事で世の中に何を伝えたのか。朝⽇新聞の⼀⾯に掲載された記事から2020年を振り返ります。
全国で9⽉に約15000⼈、10⽉に約17000⼈だったPCR検査による陽性者数は、11⽉に約47000⼈と激増。4⽉、8⽉に続く第3波が到来しました。
12⽉には85891⼈を記録し、年末に向けていよいよ本格的な感染爆発が発⽣してしまいます。
12⽉15⽇にはGoToキャンペーンは全国で停⽌。
以後、陽性者数は減少するかと期待されましたが、2021年1⽉現在、その傾向は⾒えません。
急激な陽性者数の増加を受けて、朝⽇新聞の⼀⾯でも新型コロナ関連の記事が増えていきます。
新型コロナ関連記事が全体の23.9%となった12⽉、2割を越えたのは感染第2波が始まった7⽉以来約半年ぶりのことです。
全国でコロナ禍に疲れが⾒え始め、関⼼が薄まったわけではないものの、春先ほどの危機感は感じにくくなり、紙⾯上でも1 ⾯で新型コロナ関連記事が掲載される割合は減少していました。
そんな中、これまでとは異なる勢いで陽性者数が増加していきます。
12⽉は世論の関⼼の中⼼が、ふたたび新型コロナに向いた時期と⾔えるかもしれません。
保守系の議員や⾃⺠党政権に厳しい姿勢で臨むことで知られる朝⽇新聞。12 ⽉はその本領を発揮しています。
⾒出しに使われた語句の上位10項⽬を⾒てみると、「コロナ」「東京」「GoTo」「決定」「停⽌」「感染」など、新型コロナ関連の語句が並ぶのと同時に、「吉川」「農⽔相」「安部」「桜」など、⾃⺠党の不祥事絡みの単語も多数ランクインしています。
新型コロナ関連記事で政府与党の動きが遅いのではないかと報じると同時に、コロナ禍の不安から政権に対して世論の厳しい視線が向けられたこの時期をチャンスと⾒たのか、桜を⾒る会、学術会議問題、吉川元農⽔相の献⾦問題と⽴て続けに報じていることがわかります。
1 ⾯で報じられた新型コロナ関連記事が23.9%に対し、これらの不祥事関連記事は10.5%となり、5⽉の「検察庁法改正問題」、10⽉の「学術会議問題」に続く⾼⽔準となっています。
はやぶさ2&⻤滅ブーム到来
年末、暗いニュースが多く報じられましたが、そんな中でも明るい話題も届けられました。
2014年12⽉3⽇に種⼦島宇宙センターから打ち上げられた「はやぶさ2」に搭載された回収カプセルが、⽇本時間2020年12⽉6⽇に帰還。回収されました。
はやぶさ2は、地球に接近する軌道を持つ⼩惑星「地球近傍⼩惑星」のひとつ、「リュウグウ」に着陸し、サンプルを回収していました。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は後⽇、地球に帰還したカプセルからはリュウグウのガスや砂など、想定を上回るサンプルを得られたと発表。
今後の研究が期待されました。
2020年10⽉16⽇に劇場公開された「劇場版 ⻤滅の刃 無限列⾞編」が、国内で⼀⼤ブームを巻き起こしたのもこの時期です。
吾峠呼世晴⽒による原作コミックは2016年から2020年まで連載され、2019年にはテレビアニメ化もされました。
劇場版がテレビアニメ版の続編として公開されるや⼤ヒット。
10⽉16⽇からの初⽇3⽇間で、動員342万493⼈、興⾏収⼊46億円超を記録し、初登場1位を記録します。
その後も動員数は増え続け、12⽉27⽇には観客動員数2404万⼈、興⾏収⼊324億円を突破。「千と千尋の神隠し」(2001年公開)を超えて、⽇本の歴代興⾏収⼊1位を達成しています。
LiSAが歌った主題歌の「炎」も⼤ヒット。
12 ⽉30 ⽇には同曲で第62 回⽇本レコード⼤賞を受賞するとともに、⼤晦⽇に⾏われた「第71回NHK紅⽩歌合戦」でも、その歌声を披露しています。
■2020年12⽉の主な朝⽇新聞の⼀⾯⾒出し
12⽉6⽇ はやぶさ2 カプセル分離 ⼩惑星リュウグウの砂採取か
12⽉6⽇ 免⽥栄さん死去 死刑囚初の再審無罪 95歳
12⽉9⽇ 経済対策 国費30兆円⽀出決定
12⽉15⽇ GoTo全国で停⽌
12⽉16⽇ 座間9⼈殺害 死刑判決 殺害の承諾なかった
12⽉16⽇ 国債今年度112兆円に コロナ対策3次補正を閣議決定
12⽉16⽇ バイデン⽒の勝利確定 ⽶⼤統領選
12⽉18⽇ ⼤雪1000台⽴ち往⽣ 新潟関越道 県が⾃衛隊派遣要請
12⽉22⽇ 吉川元農⽔相が議員辞職
12⽉29⽇ ⻤滅 324億円 興収歴代1位 千と千尋抜く