アジアからの訪日客数が圧倒的
2020年1月、訪日外客数は約266万人でした。その内訳はアジア系外国人が約230万人と全体の87.6%を占めています。
さらに国別に内訳を見てみると、トップは92万人の中国。その後は46万人の台湾、31万人の韓国、22万人の香港と続きます。
日本国内で新型コロナの月別感染者数が200人を超えた2020年2月は、訪日外客数はおよそ108万人に半減します。
とくにアジアからの訪日客数は、1月の230万人から84万人に激減しています。
2020年3月に国内の感染者数は1992人と、2月と比較しておよそ10倍に拡大していきます。
訪日客数は反比例してさらに減少、19万人に。アジア系外国人の訪日数も10万人まで落ち込み、2020年1月には全体の87.6%を占めていた割合も、56%まで落ち込みます。
劇的に訪日客数が減少したのは、国内で初めて緊急事態宣言が発令された2020年4月。2917人となり前月比98.5%も減少します。
日本を含む世界各国で出入国の制限や旅行の自粛が発生し、国際線の航空便数も大幅に減少。水際対策として入国拒否などの措置がとられたことがその理由でした。
訪日客数は2020年5月の1663人と過去最少を記録して以降、増加していきます。
2020年9月には13684人となり、半年ぶりに1万人超え。10月には27000人、11月には56000人となり、12月には58673人とピークを迎えています。
2020年9月以降、訪日客数も感染者数も急増
一方、国内の感染者数は2020年4月に1万人を超え、緊急事態宣言が発令されます。その効果か、2020年5〜6月にはそれぞれ2477人、1865人と減少するものの、7月に17651人、8月には32129人と再び増加。感染第2波が訪れてしまいます。
9月〜10月と月間の感染者数は1万人台と、若干抑制されますが、11月にまたしても感染者数は激増し47501人。以後、12月に86926人、2021年1月には154988人と増加していきます。
気になる訪日客数と感染者数との相関ですが、緩やかに関連しているようにも見えます。
訪日客数が1万人を超えた2020年9月以降で感染者数は急増。年末年始の感染急拡大へとつながっていきます。
一方で、国内で感染が拡大している原因は、さまざまな要素が密接に絡み合っています。訪日客数がすべての原因ということは決してありませんので、本稿をご覧の皆さまはご注意ください。
特例上陸許可数との相関は見られない
日本国内に入国している外国人の方々は、観光客だけではありません。
さまざまな物資を輸入する際の業務を行うため、船舶や飛行機で入国している方々の数値が「出入国管理統計」でわかります。
国内に特例上陸許可が降りた方々の人数は、コロナ禍となって以降も大きく数字は変わっていません。
2020年4月に28723人。以降、2万人台から3万人台で一定の割合で推移しています。
彼らは、出入国港の近傍に上陸を許可する場合や乗り換えのために、条件に合わせて7日以内または15日以内の入国が許可されています。
入国している人数はほぼ一定であるにも関わらず、国内の感染者数は自粛期間や緊急事態宣言などの対応によって激しく増減していますので、特例上陸許可が降りた方々と感染者数との間に相関はないと言っていいでしょう。
2021年4月末現在、4都府県で3度目の緊急事態宣言が発令されています。
ふたたび国内に海外から観光客が訪れる日のために、国民一丸となって感染拡大を収束させたいところです。