政策共創プラットフォーム『PoliPoli』(https://polipoli-web.com/)を運営する事務局が、2023年10月の「デジタル」に関する注目ニュースをお届けします!
(1)改革の柱、デジタル行財政改革会議がスタート
岸田内閣の内閣改造で「デジタル行財政改革準備室」が設置され、担当大臣にデジタル大臣でもある河野氏が任命されました。10月6日の閣議決定を経て、11日に「デジタル行財政改革会議」の初会合が開催されました。
目的は、急激な人口減少社会への対応です。人手不足が進む中、教育や交通、介護など、さまざまな分野でデジタルを最大限活用し、行政の効率化を進める方針を確認しました。
議長を務める岸田総理は、会議のなかで、参加する各担当大臣に検討すべき課題について明示し、年末の中間報告を待たず、できるものから改革を迅速に実行することを伝えました。
また、明確になっている課題はすぐに取組を始めるとしつつも、問題がどこにあるのかを利用者目線で整理を行う「課題発掘対話」も今月からスタートしています。対話には、河野デジタル大臣も参加し、10月は教育、交通、介護、子育ての4テーマで話し合いが行われ、交通などでは移動の利便性を上げるためのライドシェアについての検討が行われました。
(参考)
・内閣官房「デジタル行財政改革会議」
・政府インターネットテレビ「デジタル行財政改革会議(令和5年10月11日)」
・デジタル庁Youtubeチャネル「デジタル行財政改革 課題発掘対話」
(2)「セキュアバイデザイン・セキュアバイデフォルト原則」に関する文書を公表
「セキュアバイデザイン」とは、システム開発の初期段階からセキュリティ対策を組み込むことで、「セキュアバイデフォルト」とは、システムの初期設定において、セキュリティ対策が有効になっている状態をデフォルトとする考え方です。どちらもソフトウェア開発において重要な考え方です。
10月18日、日本は内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)とアメリカをはじめとした13カ国の期間が共同署名を行い、「セキュアバイデザイン・セキュアバイデフォルト原則に関する文書」を、公表しました。
これは強制力のないガイドラインに留まった文書ですが、セキュリティ対策の産業界に一定程度の影響を与える指針として、
- ソフトウエア作成業者に対して、顧客にもたらされるセキュリティの結果に責任を負うこと
- 徹底した透明性と説明責任を負うこと
- これらをトップ主導で実施すること
という3つの原則を打ち出しています。
河野デジタル大臣は「サイバー空間上の脅威が高まる中で、国際的な動向ともしっかり歩調を合わせることにより、我が国のサイバーセキュリティの強化に資するもの」と評価しました。
(参考)
・デジタル庁「河野大臣記者会見(令和5年10月17日)」
・内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)「セキュアバイデザイン・セキュアバイデフォルト原則について」
・「(仮訳)Shifting the Balance of Cybersecurity Risk: Principles and Approaches for Security by Design and Default」
(3)「規制改革推進会議」が新体制に。「人材不足の解決」「賃上げ」「投資の拡大」を実現する
10月16日、17回目の「規制改革推進会議」が開催されました。
「規制改革推進会議」は、社会の構造改革を進める上で必要な規制改革を調査・審議する会議体です。岸田総理も出席し、当面の重要課題として「人材不足の解決」「賃上げ」「投資の拡大」の3点を挙げて、各政策の議論が行われました。
過去には、「人への投資」や「スタートアップ・イノベーション」、「感染症対策」などその時期の政権が重視している内容が反映されています。
新体制では「公共」「スタートアップ・投資」「働き方・人への投資」「健康・医療・介護」「地域産業活性化」の5つのワーキンググループを設置し、今後議論を進めていくこととなっています。
デジタル分野における具体的な検討項目として、医療におけるオンライン診療や各産業のデジタル化推進、ドローンや自動運転を利用した物流改善が議題としてあがっています。
2024年夏までを1つのサイクルとして、規制改革の審議を進めることとしています。
(参考)
・内閣府「第17回規制改革推進会議」
・首相官邸「総理の1日(規制改革推進会議)」
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参考URL:株式会社PoliPoli|note ニュースレター|2023年10月【デジタル】 改革の柱、デジタル行財政改革会議がスタート 他