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政治ドットコムトピックストランプ氏は4人目になるか? 再選に失敗した「3人の大統領」

トランプ氏は4人目になるか? 再選に失敗した「3人の大統領」

投稿日2020.12.1
最終更新日2020.12.09

アメリカの大統領選挙は「現職が優位」と言われています。圧倒的な知名度やメディア露出、対立候補は党内の指名を勝ち取らなければならないのに比べて、早いうちから資金集めや支持固めを行えることなどがその理由です。
実際、1951年に3選が禁止されて以降、選挙に挑んだ現職大統領10人のうち、7人が再選を果たしています。
「当選確率7割」を誇る現職大統領のうち、残念ながら落選してしまった3人について見てみましょう。

ジェラルド・R.フォード(1974年〜1977年/第38代大統領)

フォード氏は1973年、前任の副大統領スピロ・アグニュー氏が
収賄罪のため辞任したことを受けて、当時のリチャード・ニクソン大統領によって副大統領に指名されました。
ところが翌1974年8月9日、ニクソン大統領はウォーターゲート事件のため、任期途中で辞職。フォード氏は副大統領から大統領へと昇格します。

清廉潔白で誠実な人柄として知られたフォード氏は、ウォーターゲート事件などの影響による国民の政府に対する信頼失墜にもよく対応し、ホワイトハウスの信頼回復に尽力しましたが、迎えた1976年の大統領選挙でジミー・カーター氏に敗北してしまいます。
敗因は、1974年9月8日、「ニクソン前大統領は、すでに十分な苦しみを受けた」として、一切の捜査や裁判を免れる恩赦を出したことや、オイルショックやベトナム戦争後にアメリカを襲った大不況による経済問題があったと言われています。

大統領職には副大統領からの昇格、現職大統領として戦った選挙では敗れていますので、2020年現在、「大統領を経験していながら、大統領選に勝利しうたことのない唯一の人物」となっています。

ジミー・カーター(1977年〜1981年/第39代大統領)

カーター氏は前任のフォード氏を大統領選挙で破り、第39代大統領に就任します。
彼の武器はクリーンなイメージと満面の笑顔。大統領選挙が始まった当初は知名度も低く、「ジミーって誰だ?(Jimmy, Who?)」という言葉が流行語になるほどでしたが、ウォーターゲート事件で政府に対してうんざりしていた国民は、その清廉潔白な雰囲気と、ブラウン管の中で爽やかに満面の笑みを浮かべるカーター氏に徐々に惹かれていき、当選を掴み取ったと言われています。

当選はしたものの、国内外に問題は山積していました。
オイルショックの影響でインフレとなり不況へ。経済対策に失敗し支持を失う中で、1979年にはスリーマイル島原子力発電所事故、イランアメリカ大使館人質事件など立て続けにトラブルに見舞われ、その対応でも拙さを露呈し、支持率は下降の一途をたどってしまいます。
1980年11月に行われた大統領選挙までに失策を取り戻すことはできず、ロナルド・レーガン氏に選挙人投票で10倍近い差、一般投票でも10ポイント近い差を付けられ惨敗。1期のみで大統領の座を追われることになりました。

カーター氏は1924年生まれ。2020年現在、96歳で健在という、大統領経験者の中でもっとも長寿な人物となっています。

ジョージ・H・W・ブッシュ(1989年〜1993年/第41代大統領)

ブッシュ氏は後の第43代米大統領であるジョージ・W.ブッシュ氏の父親に当たる人物です。
ブッシュ氏は下院議員を務めたのち、アメリカ合衆国国際連合大使やアメリカ中央情報局長官などの要職を歴任。1980年にレーガン氏が第40代大統領に就任すると副大統領に推され、レーガン氏の大統領任期となった2期8年にわたって大統領をサポートします。
レーガン氏の任期満了に伴い行われた1988年の大統領選挙に満を持して出馬し当選。第41代大統領となりました。

当時、副大統領を長年務めた人物は大統領に離れないというジンクスがありました。
副大統領が大統領選を勝ち抜いたのはマーティン・ヴァンビューレン(第8代大統領)以来144年ぶり、副大統領を2期務めた人物としてはジョン・アダムズ(第2代大統領)以来192年ぶりという快挙でした。在任中には、旧ソ連のミハエル・ゴルバチョフ書記長(当時)と会談し、第2次世界対戦以降、長く続いていた冷戦を終結させるなど手腕を発揮する一方で、パナマ侵攻や湾岸戦争なども主導しています。

再選をかけた1992年の大統領選挙に挑みますが、大統領就任時に掲げていた「増税はしない」という公約を反故にしたことや、湾岸戦争集結後の景気後退などが響き、ビル・クリントン氏に敗れています。
冷戦が終わったことで軍事費も削減され、アメリカの景気低迷も回復するだろうという国民の期待が裏切られたことが敗因にあったと言われています。

トランプ大統領は「再選できなかった4人目」となるのでしょうか。注目です。

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
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