政策共創プラットフォーム『PoliPoli』(https://polipoli-web.com/)を運営する事務局が、2023年6月の「医療・健康」に関する注目ニュースをお届けします!
(1)遺伝情報を利用する「ゲノム医療法」が成立
ゲノム医療とは、個人の遺伝子情報を調べることで、より適切な予防・診断・治療につなげるもので、がんや難病、希少疾患への活用が期待されています。
しかし、遺伝子情報は遺伝的な特徴や疾患リスク情報が分かってしまう非常に個人的な情報であり、取り扱いには倫理的な問題がありました。
この問題に対しては、医療現場においてゲノムの活用が進む中、適切な管理と不当な差別が行われないようなルール作りが遅れているとして、日本医師会や患者団体などが2022年4月に共同声明を発表するなど、早急な法整備を求められていました。その流れを受けて2023年6月の通常国会で成立・公布されました。
(参考)
・e-gov「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律」
(2)医療DXの推進に関する工程表で具体的な取り組みを公表
医療分野でのDXを通じてサービスの仕組みを改善し、質の高い医療の提供を実現するための会合である「医療DX推進本部(第2回)」が開催されました。
この会合で、医療DX推進に関する工程表として具体的な施策と取り組みが公表されています。マイナンバーカードと健康保険証を一体化して、2023年度中に「オンライン資格確認」を導入すること、同時に保健・医療・介護の情報を共有可能な「全国医療情報プラットフォーム」を構築することとしました。そのために、地方自治体の健診情報や医療機関の電子カルテなどの医療情報を共有できるように電子処方箋・電子カルテを普及させる必要があることが確認されました。
最後に、医療DXのメリットを国民に理解してもらうために、情報の周知活動が行われることが述べられました。
(参考)
・内閣官房「医療DX推進本部(第2回)」
(3)新型コロナ「第9波」の懸念の中の対応
新型コロナウイルス感染症の位置付けが5月8日に「5類」に移行して1ヶ月経ちました。以降、厚生労働省が定点把握している患者数は増加の一途を辿っており、「第9波の入口という見方を多くの人がしている。」と専門家からも指摘があります。
厚生労働省では、新規患者数の増加傾向が継続し、夏の間に一定の感染拡大が生じる可能性があると警戒しています。今後、感染状況が厳しい沖縄を中心に感染動向等を重層的に把握し、医療提供体制を注視していくこととしました。
また、重症化リスクの高い高齢者・基礎的疾患のワクチン接種や介護施設等での感染対策の周知をしていくと公表しました。
(参考)
・厚生労働省「第122回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和5年6月16日)」
・厚生労働省「加藤大臣会見概要(令和5年6月27日)」
参考URL:株式会社PoliPoli|note ニュースレター|2023年6月【医療・健康】注目の動き・ニュース