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2023年8月1週の「医療・健康」に関するトピックをご覧ください!
保健師中央会議で、組織横断的な地域保健活動の推進が議論
<概要>
「保健師」とは、主に自治体(保健所・市区町村など)に勤務し、住民の必要な保健サービスを提供している仕事です。看護師が主に病気の治療をサポートするのに対して、保健師は地域で保健指導や健康管理、乳幼児検診などを行っています。
8月3日、4日の2日間にわたって、「組織横断的な地域保健活動の推進」をテーマに「令和5年度保健師中央会議」が開催されました。厚生労働省が掲げる「地域医療構想」や新型コロナウイルスの経験から、保健師が担う業務や体制について、多くの見直しが現在行われています。この会議では、厚生労働省からの今後の方針や更新事項の共有、全国の事例を取り上げるシンポジウム、またグループワークなどが実施されました。
「組織横断的な地域保健活動の推進」の今年の取組としては、人材育成体制構築のため、約5年前から開発されている研修ガイドラインの改訂や、都道府県等と看護系教育機関が連携した人材育成体制からを元にした「管理期保健師研修自治体説明会」の実施、関連予算の増額があります。同様に、地域保健と職域保健の連携については、事業者等の協力の下、特定健診・特定保健指導等の総合的推進方策の検討と共同事業の実施などを行い、保健サービスの提供体制を整備することとなっています。
<これまでの課題>
- 2025年には75歳以上の後期高齢者人口が2,180万人、65〜74歳の前期高齢者人口が1,497万人に達すると予測されている。国民の約3人に1人が65歳以上、約5人に1人が75歳以上となる計算となる。
- 少子高齢化・人口減少社会の中で、病気や介護に対する社会保障負担費が増加しており財政を圧迫している、また医療・介護人材も慢性的に不足しており、受け入れ体制にも限りがある。
- 新型コロナウイルス感染症流行の緊急時に専門職が担うべき業務が多く時間外労働が顕著であった。人員の確保・活用のための体制が整っていない。
<これまでの取組>
- 2003年、国民の健康維持と現代病予防を目的に「健康増進法」が施行。市町村の義務として、特定高齢者把握事業を行い該当者に対して介護予防事業を行うこと、そして65歳未満の国民に特定健診事業と特定保健指導を行うことが定められた。
- 生活習慣に加え社会環境の改善を目指し、健康寿命の延伸・健康格差の縮小を目標に2013年に「第4次国民健康づくり〜 健康日本21(第二次)~」が開始。2022年に最終報告が行われた。現在、2024年から開始させる「第5次国民健康づくり」の取りまとめが進められている。
<これからの課題>
- 行政や医療など活動領域全般的に人員不足となっており、国全体としての課題に有効な対策を打つことができるか。
- 保健師が対応するケースや業務が広範囲化・複雑化なっていることで、負担が大きくなっており、関係機関・多職種との連携体制の構築・強化で解決することができるか。
(参考)
・厚生労働省「令和5年度保健師中央会議」
・厚生労働省「保健師 – 職業詳細 – job tag」
・厚生労働省「令和4年度 保健師活動領域調査(活動調査)の結果について」
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