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2023年8月2,3週の「医療・健康」に関するトピックをご覧ください!
子宮頸がん検診、HPV検査単独法導入のための体制づくりが論点に
<概要>
8月9日、厚生労働省で、「がん検診のあり方に関する検討会」が開催され、子宮頸がん検診におけるHPV検査単独法の導入について話し合いが行われました。
この検査法の導入の背景として、現行の2年ごとの細胞診では、受診者にとって負担となっており精度においても課題があることが挙げられています。一方で、HPV検査の場合は、陽性が出た場合でも、そのうちのごく一部が子宮頸がんの有病者となるため、追跡管理の対象を絞ることができ早期発見・早期治療に繋げることができます。また、受診者の8〜9割が受診頻度を2年から5年に延ばせることから、全体として受診行動の負担軽減が期待できます。
会議では、これまで課題としてあげられてきた実施の際の各種機関の連携や追跡ができる体制づくりなど、実施にあたっての論点が話し合われました。また、「有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン」の今年度中の改正も検討しながら、議論を続けていく予定です。
<これまでの課題>
- 精度が高く将来のリスクも予測可能なHPV検査の導入は効果的だが、導入に対する制度設計ができていない。
- HPV検査単独検診(5年間隔)は、受診間隔を5年にまで延ばせることを担保する国内エビデンスがなく、女性のさらなる検診受診率低下を招く危険がある。
<これまでの取組>
- 2008年「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」によって、20歳以上の女性を対象に、2年に1回の細胞診が推奨されるようになった。
- 2012年に、厚生労働省内に「がん検診のあり方に関する検討会」が設置され、39回目の検討会が継続して開催されており、各種がんの議論が行われ、検診の方法が更新されている。
- 2020年「有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン」が更新され、「HPV検査単独法」は推奨グレードAと示されていることに加え、現行の細胞診単独法と比べて検診間隔を延長することが可能と示された。
<これからの課題>
- 「HPV検査単独法」を導入した場合、2種類の検診が混在して実施することとなり、自治体間での差が出ることが予想されることから、転出入者への対応が煩雑になる可能性がある。
- 医療DX推進に合わせて、システム改修を行う必要があると同時に、既に人手不足となっている地域の医師会等の協力を得ながら、行政と医療機関などの協働が必要となる。
(参考)
・厚生労働省「第39回がん検診のあり方に関する検討会」
・国立がん研究センター「有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン」
・厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針 」
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