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政治ドットコムニュースレター2023年12月【医療・健康】診療報酬、介護報酬、障害福祉サービスの改定決定。患者負担や保険料の上昇に配慮 他

2023年12月【医療・健康】診療報酬、介護報酬、障害福祉サービスの改定決定。患者負担や保険料の上昇に配慮 他

投稿日2024.1.10
最終更新日2024.01.10

政策共創プラットフォーム『PoliPoli』(https://polipoli-web.com/)を運営する事務局が、2023年12月の「医療・健康」に関する注目ニュースをお届けします!

(1)診療報酬、介護報酬、障害福祉サービスの改定決定 患者負担や保険料の上昇に配慮

2023年8月から12月にかけて、厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)で議論が続けられていた令和6年度の診療、介護、障害福祉サービス報酬の改定が決定し、12月22日に予算折衝が行われました。

診療報酬については、患者の負担増や保険料の上昇に直結する引き上げを行う環境にはないことや、医療人材の連携促進や看護職員等の医療従事者の処遇改善などが論点として挙げられ、診療報酬と補助金・交付金との役割分担の整理や配分の見直しを図るなどして、結果的には0.88%の引き上げとなりました。

一方で、医薬品の公定価格の「薬価」は、高額医薬品の適正な価格設定と安定供給の確保を図るため、マイナス1.00%の引き下げとなりました。後発医薬品がある一部の薬については、患者の窓口負担額が2024年10月から上がる予定です。

介護・障害福祉サービス報酬については、職員の処遇改善等のため、介護報酬は1.59引き上げ、障害福祉サービス等報酬は1.12の引き上げとなりました。

武見厚生労働大臣は、記者会見で「今後、この改定率を前提に賃上げや処遇改善につながる仕組みの構築に向けて具体的な議論を深めていきたい」と述べました。

(参考)
厚生労働省「武見大臣会見概要(令和5年12月20日)」
厚生労働省「中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)」
厚生労働省「社会保障審議会(介護給付費分科会)」

(2)医薬品販売のデジタル化、安全性の確保を図り慎重に進めていく

規制改革実施計画において、デジタル臨時行政調査会では、医薬品販売におけるデジタル技術の利用や薬剤師の常駐についての見直しが指摘されています。

12月21日、「規制改革推進会議 健康・医療・介護ワーキング・グループ」において、この課題が挙げられ、厚生労働省が「医薬品の販売制度に関する検討会」で検討している内容について共有がなされました。

取りまとめにおいては、店頭での相談対応等は、即応性が求められる状況であることが想定されるため、受渡店舗においては、通常の店舗販売と同等の即応可能な環境が一定程度実現されることが必要であると考えられています。

しかし、リアルタイム通信の普及により、新たな業態においてはオンラインでのやり取りを求めることとしました。また、服役指導についてもオンラインでの実施も可能であるとしました。

医薬品はその使用により健康被害が生じるリスクがあるものであるため、安全性の確保の観点から慎重に制度の見直しを進めていく姿勢を改めて示しました。

(参考)
内閣府「第5回 健康・医療・介護ワーキング・グループ  議事次第
厚生労働省「医薬品の販売制度に関する検討会」
公益社団法人 日本薬剤師会「オンライン服薬指導について」

(3)介護保険、物価高の影響で2割負担拡大先送り

12月22日に開催された「社会保障審議会介護保険部会」で、3年に1度見直しを行う「介護保険制度」の負担等に関する審議が行われました。

介護保険制度では、高齢者が介護サービスを受けた際に支払う利用料は原則として利用者負担は1割となっています。しかし、現在は単身世帯で年収280万円以上の所得者は2割負担となっています。介護保険制度の持続可能性を確保するため、2割負担者の対象範囲を広げることで、介護給付費を抑える議論がこれまで行われていました。

しかし、介護サービス業の賃金引き上げと物価高による高齢者への影響を鑑みて、2024年度の介護保険料改定では、窓口2割負担の所得対象範囲の拡大は見送られることとなりました。2027年度からの適用となる、第10期介護保険事業計画の開始までに結論を出すこととしています。

一方で、介護保険料については、年間合計所得が420万円以上の高所得者は引き上げる方針となりました。

(参考)
厚生労働省「第110回社会保障審議会介護保険部会」
厚生労働省「介護保険制度の概要」

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PoliPoli政策_女性アスリート
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参考URL:株式会社PoliPoli|note ニュースレター|2023年12月【医療・健康】診療報酬、介護報酬、障害福祉サービスの改定決定。患者負担や保険料の上昇に配慮 他

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
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