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2023年7月1週の「スタートアップ」に関するトピックをご覧ください!
「生成AI」に対する人材育成やスタートアップ支援の動きが始まる
<概要>
7月4日、東京大学で「東大×生成AIシンポジウム」が開催され、岸田総理大臣も出席しました。日本が主導して生成AIに関する国際ルールづくりを行うことや、スタートアップや研究者向けに計算基盤やデータを提供する場を作り、技術力の向上や新たな産業創出の支援を行う考えを示しました。シンポジウムには、西村経済産業大臣を含めた政府関係者もパネリストとして登壇し、産学官共同のAI研究開発を加速するプラットフォーム「AI橋渡しクラウド(ABCI)」に関連する予算拡充や企業の利用促進の考えなどが話し合われました。
また、7月6日には経済産業省で、複数の省庁もオブザーバーとして参加する「第9回 デジタル時代の人材政策に関する検討会」が開催されました。生成 AI に関する外部有識者から、今後の人材の働き方の変化について、企業に与える影響についてなどのプレゼンテーションが行われ、人材のリスキリングを中心とした検討が行われました。
<これまでの課題>
- 2022年10月にスイスの国際経営開発研究所が公開した「デジタル競争力ランキング2022」で、日本は63カ国中29位と低迷。特に「人材/デジタル・技術スキル」は62位で、DXが進まない一因となっている。
- 独立行政法人情報処理推進機構の調査で、76%の企業がDX人材不足を感じているにも関わらず、全社的に社員の学び直しを実施している企業はわずか7.9%。
- 生成AIに関する技術の進歩に対しての制度が追いついておらず、生成AIとリスキリングについても議論がようやく始まってきた。
<これまでの取組>
- 2021年に「デジタル田園都市国家構想実現会議」で、デジタル人材の育成・確保を支援する「デジタル田園都市国家構想総合戦略」が閣議決定。
- 同年、経済産業省で「デジタル時代の人材政策に関する検討会」が設置。2023年6月の検討会で、生成AI登場によるデジタル人材のリスキリングについて議論が行われた。
<これからの課題>
- シンポジウムで岸田総理大臣は、AIの開発力は、多くの産業での競争力に影響を与えており、日本のAI開発力は、「現時点で、世界と比較して決して高くはない」と指摘があった。
- 政府がリスキリングとして推進する、IT人材としてのプログラミングスキルが、生成 AI に置き換わる可能性があるため、どのような人材が求められるのか改めて再定義する必要がある。
- EUの「AI規則案」など、国によってルール・解釈が異なるため、日本スタートアップが事業を展開する中で、法的なつまづきのリスクがある。
参考)
・東京大学「東大×生成AIシンポジウム」
・産総研「AI橋渡しクラウド(ABCI)」
・第9回 デジタル時代の人材政策に関する検討会
・IMD「デジタル競争力ランキング2022」
・独立行政法人情報処理推進機構「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2022年度)」
・デジタル田園都市国家構想実現会議「デジタル田園都市国家構想総合戦略」
・欧州委員会「人工知能に関する調和の取れたルールを定める規則の提案(2021年)- 総務省和訳)」
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