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政治ドットコムニュースレター8月1週【スタートアップ】2060年までにフュージョンエネルギーにより動く社会の実現目指す

8月1週【スタートアップ】2060年までにフュージョンエネルギーにより動く社会の実現目指す

投稿日2023.9.25
最終更新日2023.12.25

政策共創プラットフォーム『PoliPoli』(https://polipoli-web.com/)を運営する事務局が、PoliPoli有識者限定公開の「weekly」ニュースレターを(β版)限定で、一般公開でお届けします!

2023年8月1週の「スタートアップ」に関するトピックをご覧ください!

2060年までにフュージョンエネルギーにより動く社会の実現目指す

<概要>

文部科学省は8月4日、「核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会(第3回)」を開催しました。この会議では、2060年までに核融合エネルギーにより動く社会の実現を目指す目標案と、その実現に向けて2035年までに達成すべき要素について議論されました。

フュージョンエネルギーとは、軽い原子核を高温・高圧で融合させて膨大なエネルギーを放出する「核融合エネルギー」のことです。

核融合は、燃料1グラムで石油8トンに相当する膨大なエネルギーを得ることができるとも言われており、同時に発電の過程において二酸化炭素を発生しないカーボンニュートラル技術であることから注目を集めています。

燃料は海水中に豊富に存在し、ほぼ無尽蔵に生成可能という特徴を持っており、エネルギー問題と地球環境問題を同時に解決する次世代のエネルギーとして期待されています。

日本でも、2023年4月に策定された「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を基に具体的な研究開発を推進するアプローチについて検討を図るため、文部科学省内に「核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会」が設置されました。

今後、パブリックコメントや、専門的な分科会でより議論を重ね、内閣府設置の「総合科学技術・イノベーション会議」の決定で、新しい目標案が発表される予定です。

<これまでの課題>

  • 世界各国が人類共通の課題としてカーボンニュートラルに向けた目標に取組を加速させており、かつロシアのウクライナ侵略においてエネルギー価格が高騰するなど、世界情勢を鑑みたときに、どのようにエネルギー安全保障を確保していくのかが重要な課題になっている
  • アメリカやイギリス政府などでは、フュージョンエネルギーの産業化を目標とした国家戦略を策定し、自国への技術の囲い込みを開始しており、発電の実現を待たずして産業化への競争が既に生じている
  • 研究開発は、国立研究開発法人のQST、大学共同利用機関法人のNIFS、大学等がそれぞれで実施しており、系統的な研究開発に至っていない。潜在的なアイデアもあると考えられる。また、商用に使われる技術であることから、産業界にどのように技術を蓄積するかの観点が重要。

<これまでの取組>

  • 2006年、エネルギー問題と環境問題を根本的に解決するものと期待される核融合エネルギーの実現に向け、国際約束に基づき、核融合実験炉 ITERの建設・運転を通じて、核融合エネルギーの科学的・技術的実現性の確立を目指すための「ITER協定」に日本も署名。
  • 2022年、内閣府に「イノベーション政策強化推進のための有識者会議「核融合戦略」」が設置。同会議で、2023年に「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」が策定。
  • 2023年、具体的な研究開発を推進するアプローチについて検討を図るため、文部科学省内に「核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会」が設置。

<これからの課題>

  • 開発推進には、大胆な目標を設定し、それに見合った研究開発を推進するムーンショット型研究を採用しており、国費による開発でもあるため社会的受容が課題となる。そのため、科学的展望・合理性のあるロードマップが求められる。
  • 核融合は先進技術の集合体であり、国内のみで、全ての技術開発はカバーできない。国際協力・競争の中で、技術的優位性、プレゼンスを確保する必要がある。
  • 研究機関だけでなく、スタートアップなどの産業界をいかに巻き込んでいくか。

(参考)
・文部科学省「​​核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会(第3回)」
・内閣府「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」
・文部科学省「核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会」
・国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構「誰でも分かる核融合のしくみ」

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参考URL:株式会社PoliPoli|note ニュースレター|8月1週【スタートアップ】2060年までにフュージョンエネルギーにより動く社会の実現目指す

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
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