政治ドットコム裁判所裁判所とは?裁判所の役割や裁判の種類などを簡単解説

裁判所とは?裁判所の役割や裁判の種類などを簡単解説

投稿日2021.1.19
最終更新日2021.01.19
この記事の監修者
山口和史
20年にわたって法律、税務、経営等の業界専門誌の編集長を歴任。
2020年から政治ドットコムの理念「政治をもっと身近に。」を実現するため、編集長に就任。
独自の視点と切り口で、政治にまつわる最新情報を発信する。

裁判所とは憲法や法律に従い

  • 個人間のトラブルの解決
  • 容疑者の有罪、無罪の判決

を行う司法機関です。
本記事では裁判所について、以下の内容を解説します。

  • 裁判所とは
  • 裁判所の種類
  • 裁判の種類
  • 裁判所で勤務している人

本記事がお役に立てば幸いです。

1、裁判所とは

裁判所
裁判所とは

  • 個人間の紛争を解決
  • 容疑者の有罪か無罪を判断

する司法機関です。

また裁判とは、裁判所で行う、法律に従ったトラブルの解決を指します。
裁判において、公平な立場で判決を下すことが裁判所の役割です。

(1)三審制

日本の裁判では「三審制」という制度があります。
三審制とは、裁判の内容に不服がある場合は、3回まで審理できるという制度です。

  1. 第一審(地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所)
  2. 第二審(高等裁判所、地方裁判所)
  3. 第三審(最高裁判所)

 という形で、より上級の裁判所で裁判を行います。

  • 第一審に不服がある場合に訴えることを「告訴」
  • 第二審に不服がある場合に訴えることを「上告」

と言います。
裁判の具体的な流れについて詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧下さい。

裁判の流れが知りたい!裁判がどのように行われるか簡単解説

裁判とは、裁判所が憲法や法律を用いて、トラブルを最終的に解決する手続きのことです。 テレビ番組のニュースやドラマなどで、裁判に関するシーンが流れることもありますので、何となく裁判がどういったものか皆さん漠然とご存知かもしれません。 しかし実際の裁判手続きの流れについて、詳しく知っている方は多くないのではないでしょうか。 裁判員制度の導入時にも改めて注目された「裁判」ですが、その概要や手続...

参考:裁判所

2、裁判所の種類 

日本に設置されている、以下の5つの裁判所をご紹介します。

  • 最高裁判所
  • 高等裁判所
  • 地方裁判所
  • 家庭裁判所
  • 簡易裁判所

(1)最高裁判所

 最高裁判所とは、全国で1つだけ東京に設置されている裁判所であり

  • 内閣によって指名され、天皇に任命された長官1名
  • 内閣によって任命され、天皇の認証を受けた判事14名

 の計15名で構成され、裁判官・大学教授・弁護士など、法の識者が偏りなく選定されます。
最高裁判所が果たす役割は、主に以下のとおりです。

  • 高等裁判所で不服がある場合に、最終的な判決をくだす
  • 制定された法律や命令などが合憲か否かを判断する

(2)高等裁判所

高等裁判所とは、下級裁判所の中で最上位に値する裁判所で、

  • 東京
  • 大阪
  • 名古屋
  • 福岡
  • 札幌
  • 仙台
  • 広島
  • 高松

に設置されています。
高等裁判所では

  • 地方裁判所
  • 家庭裁判所
  • 簡易裁判所

で下された判決に対する、控訴審を主に取り扱っています。

また2005年からは、知的財産に関する争いを扱う裁判所の特別支部として、「知的財産高等裁判所」が東京高等裁判所に設置されました。

(3)地方裁判所 

地方裁判所とは

  • 訴訟の第一審
  • 簡易裁判所から控訴審

などを主な業務としている裁判所です。
地方裁判所は、基本的に各都道府県に1つ、全国で50箇所設置されています。

ただ、北海道は面積が広大なため、

  • 札幌
  • 函館
  • 旭川
  • 釧路

に設置されています。

(4)家庭裁判所

家庭裁判所とは、

  • 家庭事件
  • 少年事件

を主に扱う裁判所です。

家庭内の事件では、離婚や遺産相続のような、夫婦間・親族間のトラブルを解決します。
少年事件(男子・女子)では、罪を犯した少年や、罪を犯す可能性のある少年などの事件を解決します。

少年事件の場合は、単に法的な措置を下すだけではなく、非行の再発防止のための再教育を踏まえた上で対処されるのが望ましいとされています。 

また、審理の様子が一般公開されていない点が特徴的です。

家庭裁判所も地方裁判所と同様に、各都道府県に1つ(北海道の場合は函館市・旭川市・釧路市にも設置されている)、全国で計50箇所あります。 

(5)簡易裁判所

簡易裁判所は

  • 請求額が140万円以下の民事事件
  • 罰金以下の軽微な刑事事件

を扱う裁判所で、全国に438箇所設置されています。
簡易裁判所において控訴を行う際は

  • 民事の場合は「簡易裁判所→地方裁判所→高等裁判所」
  • 刑事の場合は「簡易裁判所→高等裁判所→最高裁判所」

といった仕組みになっています。

参考:裁判所

3、裁判の種類

裁判所
裁判には主に以下の4種類があります。
 

  •   民事裁判
  •   刑事裁判
  •   家事審判
  •   少年審判

(1)民事裁判 

民事裁判とは

  • お金の貸し借りに関する事件
  • 遺産相続など日常生活における紛争

の解決を行う裁判です。

原告と被告、両者の言い分を聴き、法律に基づいた判決が下されます。
また民事裁判では、判決が下る前に、双方の合意による「和解」で終了になる場合も少なくありません。

(2)刑事裁判

刑事裁判とは、窃盗・殺人・傷害などの犯罪容疑で、起訴された被告人を裁く裁判です。
検察と被告人・弁護士の両者の言い分を聴き、法律に基づいた判決が下されます。

また刑事裁判は、民事裁判と同時に行われるケースも少なくありません。
例えば「運転手が人をひき、ケガをさせた」というケースで見てみましょう。

  • 刑事事件の観点では、検察側は、被告(運転者)に罰金や懲役を求められる
  • 民事事件の観点では、ケガをした被害者は、被告に対して慰謝料を求められる

(3)家事審判

家事審判とは、離婚や相続問題など、家族間で起こるトラブルを解決するための裁判や手続きです。

個人のプライバシーを守るため、非公開で行われます。
裁判官が判決を下すだけではなく、調停員が中心となり、調停によって和解を目指す場合もあります。

(4)少年審判

少年審判とは、罪を犯した、またはその可能性のある20歳未満の少年を更生したり、処分を決めたりする手続きです。

少年審判も家事審判と同様、非公開で行われます。
事情聴取などにより犯罪性が認められ、「更生のための環境整備が必要」と判断された場合は、以下のような処置が下されます。 

  • 保護観察 : 家庭に戻り、保護者や保護観察官の指導の下、少年の更生を目指す
  • 児童自立支援施設、児童養護施設へ送致 : 家庭内が不安定な場合、最適な施設に少年を入所させ、更生を目指す
  • 少年院へ送致 : 少年の非行が目立つ際、少年院で矯正教育を受け、更生を目指す

また裁判所が、少年の罪が極めて重大で刑事裁判に値すると判断した場合は、事件を検察官に戻す場合もあります。

参考:裁判所

4 裁判所にはどのような人が勤めているのか

最後に裁判所で日々勤めている

  • 裁判官
  • 裁判所書記官
  • 家庭裁判所調査官
  • 裁判所事務官

について解説します。

(1)裁判官

裁判官は、裁判において当事者の意見を聴く、法律に基づいた中立の立場で判決を下します。

各地に設置されている「裁判所」が勤務地になります。
また裁判官は自身の知見を高めるために

  • 海外のロースクールへの留学
  • 法務省への出向
  • 法律事務所の弁護士としての勤務

などを行うケースも少なくありません。

裁判官になるには?裁判や司法試験の概要・目指す上での注意点

裁判官になるには、司法試験と司法修習のいずれにおいても優秀な成績で合格・終了しなければなりません。 日本最難関とも言われる司法試験に合格できたとしても、裁判官になれるのはほんの一握りなのです。 具体的に、どうやって目指せばいいのでしょうか。 今回は、職業の選択肢の一つとして「裁判官」を考えるあなたに向けて、以下のとおり詳しく解説します。 裁判官、裁判の概要 裁判官にな...

(2)裁判所書記官

裁判所書記官は

  • 裁判記録の作成、保管
  • 裁判官の補佐
  • 裁判の調整

などを行います。

裁判では、証拠や論点を正確に記録しておくことが重要ですので、裁判所の業務には欠かせない存在です。 

また

  • 裁判の当事者への訴訟手続きの説明
  • 裁判官と当事者の連絡調整

なども担ったりすることから、裁判におけるパイプ役とも言えます。 

(3)家庭裁判所調査官

家庭裁判所調査官は、家庭裁判所で取り扱う事件の調査や報告を行います。

  • 心理学や教育学などの人間科学の知識
  • 民法や刑法などの法知識
  • 調査能力

が必要とされる職業で、当事者や家族と向き合いながら事件の解決に貢献します。

家庭裁判所調査官は、国家公務員の試験でも難易度が高いです。
裁判所職員の総合職試験に合格し、家庭裁判所調査官補として採用される必要があります。

(4)裁判所事務官

裁判所事務官とは、裁判所書記官の下で裁判事務に携わったり、人事や会計など司法行政に関する事務を行います。

円滑な裁判をサポートするための「縁の下の力持ち」として知られています。
また裁判所事務官として数年勤務後、「裁判所職員総合研修所入所試験」を合格すれば、

先ほど紹介した「裁判所書記官」になることも可能です。

参考:裁判所

まとめ

今回は「裁判所」についてご紹介しました。

裁判所は日常生活にあまり馴染みのない機関ですが、概要を知っておくことで選択の幅が広がったり、何気なく見ていたニュースの理解も深められるでしょう。