「政治をもっと身近に。」
政治に関する情報をわかりやすくお届けします。

政治ドットコムニュースレター2023年7月【教育】注目の動き・ニュース

2023年7月【教育】注目の動き・ニュース

投稿日2023.9.22
最終更新日2023.12.25

政策共創プラットフォーム『PoliPoli』( https://polipoli-web.com/ )を運営する事務局が、2023年7月の「教育」に関する注目ニュースをお届けします!

(1)「初等中等教育段階における生成 AI の利用に関する暫定的なガイドライン」が策定、生成AIパイロット校としての取組も進む

7月4日、文部科学省で「初等中等教育段階における生成 AI の利用に関する暫定的なガイドライン」が作成され、全国の教育委員会に通知がありました。2023年5月に中央教育審議会で議論が始まってから約2ヶ月経ってのスピードです。

文部科学省のGIGAスクール構想に基づき、2022年の補正予算で、1人1台端末の活用状況を把握・分析するとともに、効果的な実践事例をモデル化するための「リーディングDXスクール事業」が開始され、全国で指定校が採択されました。2023年4月にキックオフ会議が開催され、公開授業等の取り組みが進んでいますが、カイドライン通知後の翌月には公立中学校・高等学校等を対象としてパイロット的な取組を進める生成AIパイロット校も公募が開始されました。今後、生成AIを活用したモデルケースも創出していく狙いがあります。

7月14日には、「大学・高専における生成 AI の教学面の取扱いについて」の周知が行われました。初等中等教育のガイドラインと比べると、教育機関の主体的な対応に委任する周知とはなっているものの、その基本原理に対する理解の推奨を進めています。

初等中等教育、大学・高専に関わらず、技術発展の状況変化を踏まえて指針等の内容を見直す留意を促すなど、慎重な取り扱いの姿勢が伺えます。

(参考)
・文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」
・文部科学省「リーディングDXスクール」
・文部科学省「大学・高専における生成 AI の教学面の取扱いについて」

(2)文部科学省、社会教育士制度の発展のための中間まとめ案を発表

7月26日、文部科学省「中央教育審議会 社会教育人材部会」で、中間的まとめ案が発表されました。この部会は2021年度から始まった制度である「社会教育士」の人材養成と活躍機会の拡充に関する専門的調査審議を行うために今年新たに設置されました。

社会教育士」は、元々「社会教育主事」という、社会教育を行う者に対する専門的技術的な助言・指導に当たる専門的教育職員の制度があり、社会教育法に基づいて教育委員会に置くこととされています。社会教育士制度は、この社会教育主事になるために修得すべき科目等を定めた社会教育主事講習等規程の一部改正によってできた制度です。地域社会の様々な課題の解決に向けて、住民を支援する役割を持っています。

これまで議論されてきた社会教育人材の活用に関する課題としては、社会教育人材についてどこにどんな人がいるのか分からないため活用がされない問題や、そもそも専門性を活かせる機会が少ないこと、人材育成のための継続的な研修や仕事をしながらの受講が困難などが挙げられました。

中間まとめ案では、重点事項として人材育成のための講習や研修の充実、組織的な活用、社会教育分野での人材確保の方策などが挙げられました。今後、方策の実施に向けて議論を進めていく予定です。

(参考)
・文部科学省「中央教育審議会 社会教育人材部会(第4回)配布資料」
・文部科学省「社会教育士」

(3)「文部科学白書」が示す、社会課題と今後の重点政策

7月18日、文部科学省が作成した「令和4年度文部科学白書」が閣議で配布されました。

文部科学白書とは、名前の通り文部科学省が発表する報告書で、 教育・文化・科学技術・スポーツ振興など14の章に分けて状況をまとめ、基本理念と施策が記載されています。今年の特集には、中央教育審議会で取りまとめられた答申を踏まえて「令和の日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について、教師の資質・能力の向上や多様な専門性を持つ質の高い教職員集団の形成のための取り組みが紹介されています。2つ目の特集には、未来をけん引する人材の育成として、大学・高等専門学校の機能強化や学び直し促進について取り上げられました。

特集は、社会が抱えている課題とこれから文部科学省が重点的に取組を行う政策を表明したものともいえ、「骨太の方針2023」でも教育分野における大きな方針として記載されました。

この7月も中央教育審議会内の部会やワーキンググループで「令和の日本型学校教育」に関して義務教育・高等教育のあり方や質の高い教師の確保地方教育行政についての議論が行われています。また、「大学・高専機能強化支援事業」の初回公募の選定結果も7月21日に公開されました。

(参考)
・文部科学省「令和4年度 文部科学白書」
・文部科学省「中央教育審議会初等中等教育分科会質の高い教師の確保特別部会(第2回)」
・文部科学省「「令和の日本型学校教育」を推進する地方教育行政の充実に向けて」
・文部科学省「成長分野をけん引する大学・高専の機能強化に向けた基金による継続的支援」

『PoliPoli』の有識者について

『PoliPoli』では、特定分野に実績や専門性のある有識者を募集しています。多様な意見が政策により反映されるためにも、ぜひ有識者にご応募ください。詳細につきましては、以下の「有識者向け『PoliPoli』活用ガイド」をご覧ください。(有識者登録には一定の審査がございます。)

『PoliPoli』に掲載されている、教育に関する政策

誰でも気軽に政策に関する意見を投稿できるプラットフォーム『PoliPoli』には、教育に関する政策が投稿されています。

PoliPoli政策
ぜひ政策提言やコメントをしてみて下さい。
上記政策の閲覧・コメントはこちら
https://polipoli-web.com/projects/kUHTpkWbVsz4Rnx4JYOJ/story

参考URL:株式会社PoliPoli|note ニュースレター|2023年7月【教育】注目の動き・ニュース

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
株式会社PoliPoliが運営する「政治をもっと身近に。」を理念とするWebメディアです。 社内編集チーム・ライター、外部のプロの編集者による豊富な知見や取材に基づき、生活に関わる政策テーマ、政治家や企業の独自インタビューを発信しています。