政策共創プラットフォーム『PoliPoli』(https://polipoli-web.com/ )を運営する事務局が、注目されている政策課題を、ニュースレターとしてお届けします。
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<概要>
2050年カーボンニュートラル実現に向け、政府は「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」の一部を改正する法律案を国会に提出しました。
本法律の改正により、排他的経済水域(EEZ)における海洋再生可能エネルギー発電設備の整備を促進します。
今回の改正案では以下の2点を変更を求めるものです。
(1)排他的経済水域における海洋再生可能エネルギー発電設備の設置を許可する制度の創設
- 経済産業大臣による海洋再生可能エネルギー発電設備設置募集区域の指定
- 経済産業大臣および国土交通大臣による、設置しようとする者に対する仮の地位の付与
- 協議会の組織化と、協議の基準を満たす者への発電設備設置の許可
(2)海洋環境の保全を考慮し、環境大臣による調査や手続きの特例措置の創設
<これまでの課題>
洋上風力発電は、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた大きな技術革新とされています。経済産業省は「洋上風力産業ビジョン(第一次)」で、2030年までに1,000万kW、2040年までに3,000万kW~4,500万kWの導入目標を掲げています。しかし、2017年時点の導入実績として、日本と同様に海に囲まれているイギリスは、6,836MWの洋上風力発電が導入されているのに対して、日本はわずか20MWでした。
また、現行の「再エネ海域利用法」では、洋上風力発電の適用対象を「領海及び内水」としており、排他的経済水域(EEZ)についての定めがなく、展開することができない問題がありました。
<これまでの取り組み>
- 2018年、再エネ海域利用法における洋上風力発電運用のために、経済産業省資源エネルギー庁と国土交通省港湾局が「洋上風力促進ワーキンググループ・洋上風力促進小委員会会議」を設置
- 2018年、「再エネ海域利用法」の成立以降、各地域で洋上風力発電の案件形成のため、促進区域などの指定や整理、事業者の公募が進行
- 2020年、経済産業省が「洋上風力産業ビジョン(第一次)」を発表
<論点>
- 海洋再生可能エネルギー発電設備の整備促進区域の指定の際に、国が必要な調査を行い、海洋環境等の保全の観点から適切な配慮されるか
- 海域や事業者の選定にあたり、沖合漁業などの海域の先行利用者との共存のための運用や利害調整が行えるか
- 地域固有の事情を鑑みた、事業計画の詳細を、募集要領で適切に基準を設けられるか
(参考)
・経済産業省「「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定されました」
・経済産業省「齋藤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要(2024年3月12日)」
・国土交通省「2050年カーボンニュートラル実現のための基地港湾のあり方に関する検討会」
『PoliPoli』に掲載されている、スタートアップに関する政策
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参考URL:株式会社PoliPoli|note ニュースレター