首相官邸とは、首相が仕事を行う公的な事務所です。
また「官邸」という言葉が、内閣官房という機関の通称として使われることもあります。
例えば、「首相官邸に行く」と言えば、建物である首相官邸を指します。
「これは官邸の意向」と言えば、首相をトップにする内閣官房チームのことを指しています。
今回は主に建物としての首相官邸について紹介します。
本記事がお役に立てば幸いです。
内閣官房については以下の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
内閣官房とは?首相を直接補佐する組織について簡単解説
1、建物としての首相官邸とは
首相官邸は国会近くの東京都千代田区永田町2丁目3番1号にあります。
正式名称は「首相官邸」の他に、
- 「内閣総理大臣官邸」
- 「総理大臣官邸」
があります。
官邸とは、官設の邸宅という意味ですが、現在は首相官邸のことを指す場合が多いです。
現在の首相官邸は2002年4月に、建設費435億円をかけ完成しました。
- 鉄筋鉄骨鉄筋コンクリート造
- 地上5階
- 地下1階
- 敷地面積46,000平方メートル
- 延べ床面積25,000平方メートル
となっています。
(1)1階には記者会見室|2階には2つのホール
画像引用:首相官邸
1階には記者会見室があり、首相が重大発表をするときに使います。
ただ、記者会見室を最もよく使うのは官房長官で、原則、月曜から金曜の午前と午後、ここで定例記者会見を開いています。
内閣広報室の報道担当室や官邸写真室も1階にあります。
1階にはその他に、花崗岩と竹をあしらった中庭があります。
2階には、迎賓機能を備えた豪華な大ホールと、それより小ぶりで簡素な小ホールがあります。
(2)組閣時に集合写真を撮る階段
画像引用:首相官邸
首相が組閣すると(内閣を組織すると)、大臣たちと記念写真を撮ります。
その撮影場所は首相官邸の2階と3階をつなぐ階段で行なわれます。
(3)3階には正面玄関
首相官邸の正面玄関とエントランスホールは、東側の3階にあります。
首相官邸は、東側の地面は3階につながり、西側の地面は1階につながっているからです。
3階には会議室もあります。
(4)4階には閣僚応接室
画像引用:首相官邸
閣僚が広い部屋でコの字型に並べられた椅子に座り、後から首相が入ってきてその真ん中に座るシーンがテレビニュースなどで流れますが、この部屋が4階の閣僚応接室です。
首相や大臣たちは閣僚応接室で懇談したあと、4階にある閣議室に移動して、閣議を行います。
閣議とは、首相と大臣たちで行われる会議のことです。
4階にはその他に
- 特別応接室
- 首脳会議室
- 大会議室
があります。
首相が外国の首脳と会談するとき、特別応接室で写真撮影を行い、その後、首脳会議室に移って会談します。
(5)5階には首相の執務室
首相官邸に常にいる人物は
- 首相
- 官房長官
- 内閣官房副長官
以上の3名で、部屋は5階にあります。
部屋の名称は、首相の部屋のみ「総理執務室」といい「執務室」がつきます。
その他は「官房長官室」「官房副長官室」と「室」しかつきません。
その他に官邸職員や警備員などが常駐しています。
5階にはその他
- 総理応接室
- 総理会議室
- 石庭
があります。
(6)地下には危機管理センター
地下には危機管理センターがあります。
ここでは
- 武力攻撃
- 大規模自然災害
- 重大事故
- 重大事件
などの緊急事態に対応します。
危機管理センターには
- 対策本部会議室
- 対策事務室(オペレーションルーム)
- 情報集約室
などが設けられています。
もし首相官邸を含む周辺で電気、ガス、水道が途絶えても、問題なく稼働できる設備が備わっています。
参考:首相官邸
2、首相官邸と首相公邸の違い
「首相官邸」と「首相公邸」を混同してしまうことがあるかもしれませんが、これは別の建物になります。
現在の首相公邸の建物は、以前の旧首相官邸になります。
首相公邸は、首相の住まいです。
参考:首相公邸
3、内閣官房と内閣府|首相の仕事
「首相官邸」という言葉を、内閣官房という機関の通称として用いることがあります。
内閣官房は、首相と内閣の両方を補佐、支援する機関です。
具体的な業務は
- 重要政策の企画立案
- 総合的な調整
- 情報収集や調査
- サイバーセキュリティ対策
などです。
内閣官房と似た組織に内閣府があり、両者は経済財政政策の運営で連携します。
内閣府はその他に
- 地方分権
- 規制改革
- イノベーション
- 宇宙
- 防災
- 勲章
- 褒章
に関連する業務などを行っています。
内閣官房のトップも内閣府のトップも首相になります。
すなわちこの2つの機関が、首相の仕事を支えているわけです。
首相の仕事には
- 組閣する(大臣を決める)
- 重要政策を決める
- 国会で説明する
- 外交を行う
- 国を守る
などがあります。
首相は日々国家の基盤を整える執務を行い、、こうした執務を支えるのが内閣官房と内閣府になり、その仕事場が首相官邸なのです。
参考:首相官邸
参考:首相官邸・総理大臣に詳しくなろう
首相官邸に関するQ&A
Q1.首相官邸はどこにある?
首相官邸は国会近くの東京都千代田区永田町2丁目3番1号にあります。
Q2.首相官邸と首相公邸の違いは?
「首相官邸」と「首相公邸」を混同してしまうことがあるかもしれませんが、これは別の建物になります。
現在の首相公邸の建物は、以前の旧首相官邸になります。
首相公邸は、首相の住まいです。
Q3.首相官邸の建設費は?
現在の首相官邸は2002年4月に、建設費435億円をかけ完成しました。
- 鉄筋鉄骨鉄筋コンクリート造
- 地上5階
- 地下1階
- 敷地面積46,000平方メートル
- 延べ床面積25,000平方メートル
となっています。
まとめ
首相官邸の東側には、内閣官房と内閣府が入る建物が隣接しています。
国会や、財務省・経済産業省・国土交通省などの国の機関の建物も、首相官邸の徒歩圏内にあります。
首相官邸で日本における重大な決定を行ったら、すぐに国の機関が動けるようになっているのです。