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総務省とは?予算や具体的な業務を簡単解説

投稿日2020.6.29
最終更新日2020.06.29

総務省とは、行政の中心として国と地方を支える日本の大事な官庁です。

  • 行政改革
  • 地域活性化
  • 国民の安全の確保など

国民生活に関わる行政を管理しています。
しかしそうは言っても、具体的に自分とどんな関わりがあるのかイメージができないという人もいるでしょう。

そこで今回は、

  • 総務省の概要
  • 具体的業務
  • 今後の課題

などについて、わかりやすく説明します。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、総務省とは


総務省とは、中央官庁の1つです。

  • 「大臣官房」
  • 「行政管理局」
  • 「行政評価局」
  • 「消防庁」

などから構成されており、具体的には地方の自治制度や財政、選挙や郵政サービスの確保など、国民生活のベースに関わる行政機能の管理をしています。

また、総務省は内閣や総理大臣を補佐する役割も担っています。
このように、行政機関全体に関わることから「官庁の中の官庁」とも評されています。

(1)どんな組織なのか?

総務省が誕生したのは2001年です。
橋本行革(元首相の橋本龍太郎氏による六大改革の内の1つ)により、

  • 地方や消防、選挙担当の「自治省」
  • 統計や恩給担当の「総務庁」
  • 郵政や通信担当の「郵政省」

これら3つが合併したことから始まります。

前身は、内務省です。
主な業務は

  • 通信
  • 地方行政
  • 官庁運営
  • 警察権
  • 土木工事に関する行政
  • インフラ整備
  • 国家神道(戦前は)

など担当分野は多岐に渡りました。
ようするに、行政のほとんどです。
内務省だけで国を動かせるレベルでした。

戦後、内務省は連合国軍司令部(GHQ)によって解体。

  • 厚生省や警察署
  • 自治省や文部省
  • 建設省や神社本庁

などに分割されました。

解体の理由は、国民を監視する機関という意味が色濃いこと、内務省自体の権威や権力の強大さなどが原因と言われています。
このうちの旧自治省が、現在の総務省につながります。

(2)総務省の現在のトップはだれ?

総務省のトップは、「総務大臣」のことです。
総務大臣のランクは、官僚名簿でも総理大臣の次に来るほど。

さらに国の統計情報や地方自治全般に関与し、通信の管理権や人事院を持つため、公務員全体の人事権を担っているともいわれています。

2020年6月現在は、高市早苗自民党衆議院議員が総務大臣を務めています。
総務省のトップは総務大臣ですが、もう1つ中央官庁の事務方のトップは「総務省事務次官」です。

総務省事務次官は、キャリア、ノンキャリアを含めた国家公務員の束ね役であり、「事務方」の最終決定権を持つ人です。
そのため、次官中の次官と呼ばれることも。

形式的には、大臣副大臣、政務官を補佐し助言する役目です。
しかし、局長以下の公務員の意見をまとめるほどの企画・立案能力の高さから、その威信は政治家以上とも言われています。

2020年現在の総務省事務次官は、黒田武一郎氏です。
東大法学部出身で、自治省入賞後は総務省官房長や局長、消防庁長官や総務審議官を経て事務次官に就任しました。

(3)具体的な業務

総務省の具体的な業務は、

  • 行政運営の改善
  • 地方行財政
  • 選挙
  • 消防、防災
  • 情報、通信
  • 恩給
  • 放送や通信管理
  • 公的統計
  • ドローン規制
  • マイナンバー

など。

さらに、戦没者遺族等への弔慰金なども業務のひとつです。
ICT分野や海外展開など時代をリードしつつ、国民の快適な生活を支えるための幅広い活動をしているのが、総務省なのです。

2、総務省の組織図

広い範囲にわたる権限をもつ総務省はマンモス省庁とも呼ばれ、その職員数はなんと30万人を超えています。

総務省の組織図はこちらのリンクから確認することができます。

このなかから、とくに国民の生活に関する行政機能を担う

  • 「大臣官房」
  • 「行政管理局」
  • 「行政評価局」
  • 「統計局」
  • そして外部局の「消防庁」

について詳しくみていきましょう。

(1)大臣官房

総務省の中での舵取り役が、大臣官房です。
総務省の政策に関する企画や法令などに対して、進むべき方向を明確に指し示しめす役割があります。

大臣官房が実際に担当する業務は、

  • 地方交付税特別会計の経理
  • 総務省の情報システムの整備や管理
  • 国立国会図書館に関すること
  • 総務省の政策評価
  • 評価委員会の庶務
  • 公益法人や公益信託に関する行政機関の事務調整
  • 平和記念事業基金
  • 戦没者遺族への弔慰金、追悼事務
  • 政党事務所周辺の静穏の維持

などです。

ようするに、総務省が受け持つ事務を総合的に調整する部局ですね。
また、省全体を運営する立場でもあるため、人材の配置、職員の研修や福利厚生の向上を図り、総務省で働く職員の仕事環境作りも担っています。

(2)行政管理局

行政機関のスリム化や効率化の推進などを行政における働き方改革を進めるのが「行政管理局」です。
1984年以降は行政管理庁と呼ばれていました。

行政管理局が実際に担当する業務は、

  • 行政制度の一般的事項の企画・立案
  • 御す英運営に関する企画・立案
  • 行政機関が共有する情報システムの整備・管理
  • 行政個人情報保護法に関する事務
  • 独立行政法人に関する共通的な制度の企画・立案
  • 独立行政法人の新設や改廃に対する審査

など。

独立行政法人は、政策の実施部門として国とは別の法人格を持つ法人です。
行政管理局では、これらの独立行政法人の新設や改廃などに対して審査を行い、業務の必要性を判断しています。

また、行政分野のICT活用に合わせた業務の見直しも行政管理局の仕事です。
国民の利便性を図るために、

  • 業務や政府情報システムの運用の共通化や最適化
  • オンライン利用範囲の見直し
  • 電子政府の総合窓口(e-Gov)の活用

これらのような取り組みを推進しています。

(3)行政評価局

総務省が各省庁の仕事ぶりを調査し、今後の課題や問題点を総合的に分析して改善策を提示するのが「行政評価局」です。
行政課評価局が実際に担当する業務は、

  • 政策評価に関する企画・立案
  • 各府省の政策に対する総合的評価
  • 各行政機関の業務の実施状況の評価・調査・監視
  • 各行政機関への苦情に対するあっせん
  • 行政相談委員に関すること

などです。
各府省の政策や行政機関の業務を必要性や有効性、実地調査などの観点からチェックする部局です。

分析・評価によって本当に必要な国民サービスを提供し続けることが目的のため、調査によって不要と判断された事業は、存在自体が否定されることも。

いわば、行政におけるレビュー機能なのです。

(4)統計局

日本の中枢的な統計機関として、国の基本的な統計を作成しているのが「統計局」です。
統計局が実際に担当する業務は、

  • 国政の基本に関する統計作成のための調査・製表
  • 統計技術の研究
  • 各種の統計から導かれた統計(二次的統計)の作成

など。

国政調査以外に、労働力や失業率、物価や家計に関する主要経済統計も統計局が作成しています。
これらの情報は、自分たちの社会が今どのように動いてどんな状況なのかを正しく理解するための基礎データです。
つまり、今の日本の国力などがわかる情報ですね。

現在、統計局の公的データは、行政の透明性の確保とより良い行政サースを生み出すためにオープン化されています。「e-Stat」などがその例です。

さまざまな統計データが検索できるので、興味がある人はぜひ確認してみて下さい。

(5)消防庁

日本の消防活動を統括するのが、総務省の外局の「消防庁」です。
ただし、消防機関への直接的指揮権は基本的に市町村の管理下にあるため、あくまで助言や指導、調整などにとどまります。

消防庁の平常時の具体的業務は、

  • 頻発する消防防災に関する制度改革・企画・立案
  • 各種法令の策定
  • 消防職員や消防団員の教育訓練

など。

緊急時には、

  • 緊急消防援助隊のオペレーション
  • 官邸や関係府省、地方団体との連絡調整

などにあたり、災害時は消火や救助活動の指示をおこなう国民保護の司令塔として活躍します。
ちなみに、「消防庁」と「東京消防庁」を同一視している人もいるかもしれませんが、これは別物です。

警視庁と同じように消防庁は国の行政機関です。
一方、東京消防庁はあくまで東京都の行政機関であり、自治体消防なので、混同しないように注意しましょう。

3、総務省の予算


令和2年度の総務省の予算は、16兆7,692億円で、主に地方の一般財源総額の確保に関する費用となっています。
その主な内訳は、「経済」「行政」「防災」「地方行政」「公的サービス」の5つに分かれます。

(1)経済

1つ目の経済分野は、地方への人の流れの創出や地域経済の活性化、地域雇用の創出や過疎政策の推進など、経済発展の実現に向けた予算です。

具体的には、

  • 5Gや光ファイバーなどの全国展開支援
  • ネットワーク高度化
  • AI技術の開発
  • 遠隔医療やAI等の医療分野への活用
  • サイバーセキュリティー強化
  • デジタル人材育成やテレワークなど多様な働き方の推進

のための費用です。

(2)行政

2つ目の行政分野は、行政の効率化や高度化など、国民にとって安心で利便性の高い行政基盤を加工するための予算です。
たとえば

  • マイナンバーカードの普及や活用
  • キャッシュレス決済基盤の構築
  • グローバル戦略の推進等

のための費用があたります。

(3)防衛

3つ目の防衛分野は、東日本大震災などの復興や大規模災害に対応した消防防災の設備などの予算です。
具体的には、

  • 復旧や復興などの応援体制
  • 消防力の強化や予防対策
  • 避難所の公衆無線LAN設備や防災情報のネットワーク強化

などが挙げられます。

(4)地方行政

4つ目の地方行政の分野は、安定的な地方の行政財源基盤の確保のための予算です。
具体的には、

  • 地域の枠を超えた連携の推進や
  • 自治体情報システムの標準化
  • 自治体ごとのクラウドの共同利用

などに扱われます。

(5)公的サービス

5つ目の、公的サービスの分野は、郵政事業や統計の整備に対する予算です。
たとえば、

  • 郵便局の利便性の向上
  • 統計作成プロセスの適正化
  • 国勢調査の円滑な実施や改善
  • 主権者教育の推進

などがあたります。

4、総務省の今後の課題

現在、総務省は「Society5.0時代の持続可能な地域社会の構築」という理念を掲げています。
狩猟、農耕、工業、情報社会に続く、新たな社会を目指すもので、未来社会の発展に向けた取り組みを始めています。

インターネットやAIなどを高度に組み合わせた社会システム構築のため、農業や医療などさまざまな分野を巻き込む巨大な革命を進めようとしているのです。

なかでも、社会全体のデジタル化の実現に向けて立ち上げたのが、総務大臣主催のICTグローバル戦略懇談会です。
基本理念は、日本全体のデジタル化推進とともに、多様なライフスタイルや新たな価値を創造できる社会の実現です。

現在、実現のために掲げられている戦略は以下の6つです。

  • デジタル化によるSDGs達成への戦略
  • データ流出への戦略
  • AI/IoT利活用
  • サイバーセキュリティーへの戦略
  • ICT技術の海外展開
  • オープンイノベーションへの戦略

実際、ICTの活用は各分野で少しずつ取り入れられています。
たとえば、教育現場では、PCやタブレットなどの教材が取り入れられたり、生徒情報の管理にもIT技術が使われていたり。ICTの導入が積極的におこなわれています。

将来的には、遠隔事や海外の学校との通信交流なども頻繁におこなわれるでしょう。
医療現場では、カルテや処方箋などの多くが電子化され、マイナンバーを使った各医療機関での診療情報の共有や遠隔診療など。

ICTを用いることで現場業務の効率アップが期待されています。
また、介護業界では、ICTを活用した遠隔式の高齢者見守りシステムサービスが普及しつつあります。

部屋にセンサーを設置し、取得情報はホームヘルパーや看護師、医師などの関係者で共有し、健康管理に役立てられています。

現在日本では、少子高齢化や人口減少が大きな課題になっています。
さらに、経済のグローバル化が進むことで国際的な競争が激しくなり、貧富の差や地域間の不平等さという問題も生じつつあります。

現役世代の人口が相違的に減り、社会的経済的な課題を解消するためには技術の進歩が欠かせません。

より豊かな社会実現のためには、人間の手だけでは届かない分野に対し、IoTやロボット技術、AIなどを積極的に取り入れる必要があるのです。

そういった日本社会の流れからも、日本のICTの活用は加速化していくでしょう。

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まとめ

総務省が扱う分野は、国の行政や地方行政運営の監視・改善から始まり、選挙や消防、情報や通信監理、公的統計などあらゆる分野に関係しています。

このように、国・地方・民間の行政管理など様々な橋渡し役をおこなう総務省の働きによって、私たちの生活水準は安定しているのです。

総務省についてよりよく知るために、本記事が参考になれば幸いです。