国土交通省という名前はよく聞くけど、何をしている組織なのかあまりわからない方も多いのではないでしょうか?
国土交通省は、交通全般や気象、観光まで幅広い分野で日本を支えています。
テクノロジーの発展によりますます便利になる交通インフラの整備や外国人観光客の誘致など私たちの生活に密接に関わる分野が国土交通省の担当範囲です。
そこで本記事は主に以下の3点を解説します。
- 国土交通省の組織図と仕事
- 国土交通省の組織別予算配分
- 国土交通省が掲げている課題
省庁について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
省庁とは?1府11省1庁(1府12省庁)について簡単解説
1、国土交通省とは
(1)どんな役割を持つ組織なのか?
国土交通省とは主に以下の4つを専門とする省庁です。
- 空路
- 道路
- 海路
- 土地の整備・管理
国土交通省とは中央省庁再編で「運輸省、建設省、国土省、北海道開発庁」が統合されて生まれた省庁です。
国土交通省には「観光庁、気象庁、海上保安庁」も含まれています。
(2)国土交通省の現在のトップはだれ?
国土交通省のトップとは「国土交通大臣」のことです。
令和4年9月14日現在の国土交通大臣は斉藤 鉄夫(さいとう てつお)氏です。
また、国土交通大臣の次に偉い役職は「国土交通副大臣」です。
国土交通副大臣は2名おり、令和4年9月14日現在では、石井 浩郎(いしい ひろお)氏と豊田 俊郎(とよだ としろう)氏です。
2、国土交通省の組織図と仕事
国土交通省の中でも多くの組織が存在しますが、大きく以下の4つに分類できます。
- 本省
- 外局
- 特別の機関
- 施設等機関
それぞれ解説していきます。
(1)本省
本省に該当する組織名と主な仕事は以下の通りです。
組織名 | 主な仕事 |
大臣官房 |
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総合政策局 |
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国土政策局 |
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不動産・建設経済局 |
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都市局 |
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水管理・国土保全局 |
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道路局 |
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住宅局 |
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鉄道局 |
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自動車局 |
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海事局 |
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港湾局 |
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航空局 |
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北海道局 |
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政策統括官 |
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(2)外局
外局に該当する組織名と主な仕事は以下のようになっています。
組織名 | 主な仕事 |
観光庁 |
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気象庁 |
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運輸安全委員会 |
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海上保安庁 |
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(3)特別の機関
特別の機関に該当する組織名と主な仕事は以下のようになっています。
組織名 | 主な仕事 |
国土地理院 |
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小笠原総合事務所 |
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海難審判所 |
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(4)施設等機関
施設等機関に該当する組織名と主な仕事は以下のようになっています。
組織名 | 主な仕事 |
国土交通政策研究所 |
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国土技術政策総合研究所 |
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国土交通大学校 |
|
航空保安大学校 |
|
参照元:https://www.mlit.go.jp/kids/about.html
3、国土交通省の組織別予算
令和4年度の国土交通省の予算は、7兆5,570億円で、主に公共事業関係費に関する費用となっています。
予算の配分は主に11個の組織に配分されます。
- 社会資本整備総合交付金
- 都市局
- 水管理・国土保全局
- 道路局
- 住宅局
- 鉄道局
- 港湾局
- 航空局
- 官庁営繕部
- 不動産・建設経済局
- 海上保安庁
内訳の比率は以下のグラフのようになっています。
主に「社会資本整備総合交付金」と「道路局」に多く配分されているのは、全国の道路整備や災害対策などに膨大な費用が必要だからです。
データ参照元:https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo05_hh_000226.html
※計数はそれぞれ四捨五入しているため端数において合計とは一致しないものがあります。
4、国土交通省の今後の課題
国土交通省は、以下のような理念を掲げています。
- 人々の生き生きとした暮らしを支える活力ある経済社会の実現
- 日々の安全
- 美しく良好な環境の実現
- 多様性ある地域の実現
上記の理念実現に向けて、国土交通省は以下の3つを今後の課題として重要視しています。
- 老朽化インフラの増加
- 災害の頻発・激甚化
- 地域の移動手段の確保
それぞれ解説していきます。
(1)老朽化インフラの増加
老朽化インフラの増加に関して、国土交通省は以下のように現状と課題を表明しています。
<現状と課題>
①高度成長期以降に集中的に整備した社会資本が今後一斉に老朽化。今後20年間で、建設後50年以
上経過する施設の割合が加速度的に高くなる見込み。
②厳しい財政状況下で必要な社会資本の機能を維持していくためには、様々な工夫を凝らし、的確に維
持管理・更新等を行うことで中長期的なトータルコストの縮減や予算の平準化を図る必要がある。
引用:https://www.mlit.go.jp/common/001102053.pdf
上記を簡単にまとめると、以下の通りです。
<現状と課題>
- 20年後に建設から50年以上経過する施設が一気に増える。
- 災害対策のために、古い施設の安全を確保する必要がある。
- 限られた財政で機能を維持するには、既存の施設等をうまく利用して工夫する必要がある。
(2)災害の頻発・激甚化
災害の頻発・激甚化の増加に関して、国土交通省は以下のように現状と課題を表明しています。
<現状と課題>
①切迫する巨大地震・津波等の被害を最小化するための防災・減災対策は待ったなしの課題。
②依然として不十分な耐震化の状況は被害拡大の主要な要因。
③世界の活火山の約1割が存在する我が国において、いつ大規模噴火が起こってもおかしくない状況。
引用:https://www.mlit.go.jp/common/001102053.pdf
上記を簡単にまとめると、以下の通りです。
<現状と課題>
- 災害対策はすぐにでも取り組まなければならない重要な課題である。
- 耐震化が十分に進んでいないことが被害拡大の大きな要因である。
(3)地域の移動手段の確保
地域の移動手段の確保に関して、国土交通省は以下のような現状と課題を表明しています。
<現状と課題>
①中山間地域等においては、日常の買い物や医療など住民の生活に不可欠な生活サービスをいかに確保していくかが、周辺集落を含め地域全体を維持する上で最も大きな課題である。
②多くの地方都市でも、拡散した市街地で居住の低密度化が進み、医療・福祉、商業等の生活サービス機能の維持が困難になることが予想される。
引用:https://www.mlit.go.jp/common/001102053.pdf
上記を簡単にまとめると、以下の通りです。
<現状と課題>
- 地理的条件が悪い地域において、生活必需品に困らないための移動手段やサービスを確保する必要がある。
- 地方の人口が減少傾向にあり、商業施設や病院などに人が集まらなくなる。
まとめ
国土交通省は交通から観光まで幅広い分野に携わっているため、省庁の中でも最も重要な組織の1つであると言えます。
国土交通省の働きは、私たちの生活に大きく影響する内容が多いため、この記事をきっかけに国土交通省の動向をチェックしてみるのもおすすめです。
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