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財務省とは?4つの大きな役割を簡単解説

投稿日2020.4.16
最終更新日2020.04.16

財務省とは国家予算の編成や税制度の見直しを行う部門です。
ニュースや新聞を見ていると財務省という単語を目にすることがあるかもしれませんが、実際に財務省という機関が何をしているのかわからないので気になる、という方もいらっしゃるかと思われます。

そこで今回は

  • 財務省の概要
  • 財務省の役割

などについてご紹介致します。本記事がお役に立てば幸いです。

1、財務省とは

財務省(画像引用元 財務省 wikipedia

財務省は中央官庁の一つで、国の予算編成などを行う部門を担当しています。
前身の大蔵省時代から官庁の中の官庁といわれ、高級官僚の中でもエリートが集まる省庁として知られていました。
これは国の予算を一手に握り、各省庁を事実上支配していた構造によるものです。

財務省の歴史は1869年(明治2年)、 大蔵省として創設したことから始まります。
このころの大蔵省は、 財政を全面的に管理するだけではなく、 有効な予算配分を行いながら国の産業を発展させるという、横断的な省庁の役割も担っていました。絶大な権限は省庁の創設期から確立されていたようです。

財務省は、2001年(平成13年)、中央省庁の再編により、大蔵省から財務省へと名称が変更されました。
中央省庁の再編とは、政治主導の行政を実現しようということでした。
それまでの日本では官僚の力が強く、官僚主導による行政の弊害が度々問題になっていました。 これを選挙で選ばれた政治家によってコントロールすることが当初の目的です。
財務省
大蔵省が担っていた金融行政は、内閣府に属する金融庁という新しい行政機関が引き継ぐことになります。
グローバル化とITの進展によって金融機関は荒波に飲まれています。
めまぐるしい金融機関において検査を行い、監督権限を独立した金融庁が行うことは、日本の金融業界にとっても大きなメリットがあるといわれています。

大蔵省の事実上の解体により財務省と金融庁が誕生したことは、国内の財政と金融の健全化にとっては計り知れない効果をもたらしたようです。

財務省の組織は大きく三つに分けることができます。

  • 内部部局
  • 地方支分部局
  • 外局

(1)内部部局

内部部局の中には、「大臣官房」、「主計局」、「主税局」、「関税局」、「理財」、「国際局」が あります。またこの下に、主計局司計課や主税局税制第一課などがあり、組織がより細分化されています。

(2)地方支分部局

地方支分部局には、「財務局」が置かれており、 北海道財務局、東北財務局、関東財務局、北陸財務局 、東海財務局、 近畿財務局、 中国財務局 近畿財務局、 四国財務局、九州財務局を設置しています。
これらは各地域の財務窓口としての役割を果たしています。

(3)外局

外局には国税庁などが置かれています。
国税庁の職員数は56,000人と 、財務省の中でも最も大きな組織です。
これは税の徴収という国の根幹部分を担っているため、どうしても組織が巨大化するものと考えられます。
外局の国税庁と本省を加えた職員数は7万人と、中央官庁で最大級の組織を誇っています。

2、現在の財務省トップ

リーダー
財務省のトップとは、財務大臣のことです。
2020年現在は、麻生太郎自民党衆議院議員が副総理を兼ねて財務大臣を務めています。
日本では自民党が長きにわたって政権の座に就いていますが、財務大臣に就任する政治家は、経済、財政に明るく、当選回数が多いことが慣習として続いています。

財務大臣というのは閣僚の中でも、最重要大臣と位置づけられています。
このため元財務省のキャリア官僚であっても当選回数が少ないことには就任することが難しく、またこれとは逆に当選回数が多いベテラン議員であっても経済通でなければ、これもまた財務大臣に就任することは難しいことです。

自民党政権下では、財務大臣というのは当選回数、そして経済政策、さらには自民党内で影響力のある政治家が就任することが既定路線になっています。
財務省のトップというのは財務大臣ですが、もう一つ官僚のトップに財務事務次官というポストがあります。

財務大臣は内閣総理大臣が指名しますが、官僚トップである財務事務次官は省内の出世レースに勝ち抜いた官僚が就任します。財務省の高級官僚は東大法学部出身の人たちが多数を占めています。
この中から主計局長など特定のポジションを経験した官僚だけが、事務次官に就任することが一般的です。

2020年現在の事務次官である岡本薫明氏も東大法学部卒業後、旧大蔵省に入省し、その後、 主計局長を経て、2018年に財務事務次官に就任しました。

3、財務省は何をしているのか


財務省が行うことができる仕事は、 財務省設置法という法律で定められています。
その内容は大まかにいうと、お金にまつわることを中心に行われます。
予算編成はその中でも最も重要な仕事です。

各省庁から出された概算要求を精査し、どのように配分するか、 企画立案しなければなりません。
また、その原資となる税金の制度を立案する作業も財務省の役割です。

対外的な貿易では、 外国製品における関税や世界貿易機関(WTO)の協定に関する事務事項も大切な仕事の一つです。
財政においては、 国債や地方債の発行、国有財産では管理、処分を通して財政収入の確保を求めます。
独立性が至上命題である日本銀行の管理運営の確保も財務省の管轄です。

この他にも外国為替相場や ODA の政策にも関わるなど、財務省の業務が幅広く行われていることが分かります。
そこで次に財務省の具体的主要業務を詳しくみていきましょう。

(1)国家予算の編成

まず財務省が予算案の第一次原案を作りますが、予算をめぐる攻防はその3ヶ月前からすでに戦いが始まっています。
6月から7月にかけて各省庁が概算要求(財務省に対してこの程度の予算が必要と要求すること)の準備に入ります。
8月下旬になると具体的数字が入った概算要求を財務省に提出します。
そして9月から12月にかけて財務省がヒアリングを行い、 ここで財務省と各省庁の攻防が激しさを増します。

それぞれの各省庁は自ら有利な予算を要求し、財務省の方はなるべく予算を抑制するような動きを見せます。
このようなプロセスを経て12月中旬には財務原案が内示され、閣議に提出される運びです。そして12月下旬に復活折衝(財務省が各省庁の要求を拒否した事項について、再度各省庁から要求が行われること)が行われます。

各省庁と財務省の事務次官が交渉し、これで決着しかなければそれぞれの大臣が話し合います。
ここでも決着しなければ 、自民党三役と財務大臣、各省庁の大臣が折衝して、閣議で最終決定することになります。

最後に、年明けの通常国会で衆参両院の議決を経て成立します。
国家予算というのは国民生活に直結する話です。

その企画立案を編成という形で財務省が作成します。
このように国の予算の枠組みを決定することができるのが、財務省の役割であり強みになっているのです。

国家予算がどのようにしてできるかについてより詳しく知りたい方は以下の関連記事をご覧下さい。

国家予算とは?成立までの8つのプロセスを簡単解説!

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(2)税制の企画

毎年、税制改正が行われます。
この素案をつくる税制の企画は、財務省にとって予算編成とともに重要な業務の一つです。 税制改正は、税金の徴収に関わる大きな問題のため、 国民や企業がその動向を注視します。

2020年度の改正ポイントを紹介すると、「未婚のひとり親 」へ対して、所得税や個人住民税が減額されています。
一方で、「所有者不明の土地」には、固定資産税を課税できるようにします。

全国的に空き家が問題になっていますが、これに対応するため事実上、土地を利用している住民を所有者と見なし、課税できるようにしました。
また、次世代の通信規格5Gを促進させるため 、携帯電話会社が設備投資すれば、法人税の軽減をはかることにしています。

税制改正というのは、その時々の社会状況や課題とリンクしており、 素案つくりというのは税金の上げ下げだけにとどまらず、 社会の基盤づくりの強化に役立っているのです。

また有事の際に国民に対して集めた税から特例的な給付を行うかどうか、を決定することに財務省は大きな影響力を持っています。

(3)途上国支援

日本は長年、発展途上国の支援を続けてきました。
途上国支援といってもいろいろな方法がありますが、最も有名なのは ODA(政府開発援助)です。これは 途上国に対して資金の贈与や貸付、さらに技術提供などを行う支援策です 。

資金の贈与は無償資金協力といい、 資金の貸付は円借款と呼びます。
この資金で下水道を整備し 、学校や病院などの公共施設を建設します。
途上国の社会インフラにとって、日本の ODA(政府開発援助)は多大な貢献をしてきました。

この ODA(政府開発援助)の予算の枠組みを決めるのも財務省の業務です。
かつて日本の援助額は世界第1位でしたが、 今では世界第4位になっています。

国内の財政が厳しいことも影響しています。ただ、世界トップレベルの援助金を拠出しているため、財務省の計画案次第で世界の評価も変わってきます。

(4)その他の業務

これ以外にも財務省は

  • 国の持つ不動産(建物や土地)の管理
  • 他国との経済的な関係を良好にする働きかけ
  • 麻薬、拳銃、偽ブランド品の国内流入防止

などの業務を行います。

まとめ

財務省は財源の確保から課税の方法、 そして予算編成、さらには国債発行や途上国支援と、財政、金融の青写真をつくり、 効率的な予算配分を実現させることが主な業務です。
その結果が国民生活の安定につながります。
ニュースなどで次回財務省が取り上げられた際には、これらのことを意識して見ていただくとより興味深い発見があるかもしれません。