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内閣官房とは?首相を直接補佐する組織について簡単解説

投稿日2020.10.5
最終更新日2020.10.05

内閣官房とは、内閣総理大臣を補佐・支援する機関です。
安全保障やサイバーセキュリティといった「国家の一大事」になりうる案件に関わります。

今回はそんな重要機関である内閣官房について

  • 内閣官房の概要
  • 内閣官房と内閣府の違い
  • 内閣官房の組織と仕事内容
  • 内閣官房のパブリットコメント制度

などについてご紹介します。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、内閣官房とは

内閣官房
画像出典:内閣官房

内閣官房とは、内閣法に基づく内閣の補助機関であり、内閣総理大臣を直接補佐・支援します。
日本の行政機関であり

  • 内閣の庶務
  • 重要政策の企画立案・総合調整
  • 情報の収集調査

などの業務を担っています。
総理の業務範囲は多岐にわたり、様々な場面で重要な決断を下す必要があります。

こうした重要な業務を円滑に行うには、内閣官房による高度な補佐や支援者が大切であると言えます。

参考:内閣官房

2、内閣官房と内閣府の違い

内閣官房と内閣府は、同じ敷地内にある名称の似た組織です。
一体どのような違いがあるのでしょうか?

中央省庁等改革基本法には、それぞれの機関の性質が以下のように記されています。

「内閣官房」の性格および任務(中央省庁等改革基本法第8条)

  • 内閣の補助機関

  • 首相の職務を直接補佐する機能を担う

  • 内閣と首相を補佐する機関

  • 閣議の事務を処理する

  • 国政に関する基本方針の企画立案をする

  • 国政の重要事項を総合調整する

  • 情報収集と情報分析

  • 危機管理

  • 広報

「内閣府」の性格および任務(中央省庁等改革基本法第10条)

  • 内閣に置かれる、首相を長とする行政機関

  • 内閣官房を助ける

  • 国政の重要な具体的事項に関する企画立案と総合調整

  • 首相が担当する行政事務を処理する

  • 経済財政政策、総合科学技術政策、防災、男女共同参画に携わる

  • 各章の事務に後半に関係する事項の企画立案と総合調整をする

引用:中央省庁等改革基本法

簡単にまとめると

  • 内閣官房は、重要な政策に関する、基本的な考え方・方針などを企画立案します
  • 内閣府は、内閣官房の方針などを踏まえて、具体的な企画立案や総合調整を行います

参考:(資料3) 内閣官房と内閣府との関係等について

総合調整

画像出典:内閣官房と内閣府の企画立案及び総合調整の具体的イメージ図

3、内閣官房の組織と仕事内容

内閣官房
内閣官房には、主に以下の8つの部署があります。

  1. 内閣総務官室
  2. 国家安全保障局
  3. 内閣官房副長官補
  4. 内閣広報室
  5. 内閣情報調査室
  6. 内閣衛星情報センター
  7. 内閣サイバーセキュリティセンター
  8. 内閣人事局

それぞれの仕事内容についてみていきましょう。

(1)内閣総務官室

内閣総務官室は、内閣の閣議で検討する案件を整理します。

また「国務大臣や特命全権大使」や「最高裁判所判事」といった、重要人物の人事を担います。

その他、首相官邸の管理運営という仕事も担当します。

(2)国家安全保障局

国家安全保障局の最重要任務は、国家安全保障会議のサポートです。

国家安全保障会議とは、我が国の安全保障に関わる重要事項を審議する内閣の組織で、次の事項について議論を行います。

  • 国防の基本方針
  • 防衛計画の大綱
  • 防衛計画に関連する産業の調整計画の大綱
  • 武力攻撃事態と存立危機事態への対処方針と対処に関する重要事項
  • 重要影響事態への対処に関する重要事項
  • 国際平和協力業務の実施に関する重要事項
  • 自衛隊の行動に関する重要事項
  • 国防に関する重要事項
  • 国家安全保障に関する外交政策と欧米政策の基本方針とそれらに関する重要事項
  • 重大緊急事態への対処に関する重大事項

国家安全保障会議の議長は首相で、議員は総務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、防衛大臣、官房長官、国家公安委員会委員長、その他国務大臣が就きます。

(3)内閣官房副長官補

内閣官房副長官補は、首相から指示を受けて、内閣が推進する重要政策に関する企画立案と調整を主に行います。

(4)内閣広報室

内閣広報室は、様々なメディアを活用し広報活動を行ないます。

  • 首相官邸の公式ホームページ
  • 公式インスタグラム
  • 公式フェイスブック
  • 公式ツイッター
  • 公式LINE

などを利用しています。

(5)内閣情報調査室

内閣情報調査室は、情報の収集と分析を行います。
内閣情報調査室の中には

  • 内閣衛星情報センター
  • カウンターインテリジェンス・センター
  • 国際テロ情報集約室

があります。

カウンターインテリジェンスとは、国外の諜報活動(インテリジェンス)に対処する活動のことです。
国家機密を盗み、漏らそうとする攻撃から、国を守ります。

カウンターインテリジェンス・センターは、「国または国民に対する脅威」に関する情報を受け付けていて、以下のページから投稿することができます。

参考:内閣情報調査室 情報提供フォーム

(6)内閣衛星情報センター

内閣衛星情報センターは、内閣情報調査室の組織の1つで、人工衛星を使って国の安全や大規模災害などに関する情報を集めて分析します。

内閣衛星情報センターが使っている情報収集衛星(人工衛星)には、光学衛星2機とレーダ衛星2機があり、いずれかが特定地点を1日1回以上撮像しています。

4機の情報収集衛星が集めた情報は、首相官邸や各省庁に配布され、情勢判断や政策決定に活用されます。

また大規模災害が発生したときは、情報収集衛星で集めた情報から、被災状況推定地図をつくります。

(7)内閣サイバーセキュリティセンター

内閣サイバーセキュリティセンターは、行政機関の情報システムに対する不正なアクセスやサイバー攻撃の調査分析を行います。

また、各行政機関に対し、サイバーセキュリティを確保するための助言を行っています。
内閣サイバーセキュリティセンターは2015年1月にできたばかりの新しい組織で、次の7つのグループがあります。

  • 基本戦略グループ:サイバーセキュリティ政策の計画を立案します
  • 国際戦略グループ:国際連携の窓口になります
  • 政府機関総合対策グループ:政府機関の情報セキュリティ対策の基準をつくり、その基準の監査などを行います
  • 情報統括グループ:サーバー攻撃に関する情報を収集、分析しています
  • 重要インフラグループ:官民が連携して重要インフラの情報セキュリティ対策を講じるときの窓口になります
  • 事案対処分析グループ:標的型メールや不正プログラムの分析を行います
  • 東京2020グループ:2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けたサイバーセキュリティ対策の推進を行います

(8)内閣人事局

内閣人事局は、国家公務員の人事行政を担っています。
国家公務員の個別の人事は、所属している省庁や組織が行います。

対して内閣人事局は

  • 政策や行政サービスの質を向上させるための人事の在り方
  • 国家公務員制度
  • 各行政機関の人事管理

といった、人事に関わる全体的なことを行います。
その他にも、優れた人材を確保するために

  • 国家公務員の採用方法の検討
  • 女性が活躍できる組織づくり
  • ワークライフバランスの改善

などに取り組んでいます。

参考:内閣官房・組織事務

4、内閣官房のパブリックコメント制度

パブリックコメント制度とは、行政機関が政策などを決めるときに、その案を国民の意見や情報から集める仕組みです。

「意見公募手続制度」とも呼ばれます。
パブリックコメントを実施してから政策を実行することで、行政運営の透明化を図り、より民意を反映した行政につなげることができます。

内閣官房では、以下のようなパブリックコメントが実施されてきました。

(1)郵政民営化に関する意見募集

政府の郵政民営化委員会は、3年ごとに融資民営化の進捗状況を検証しています。

直近の郵政民営化に関するパブリックコメントの募集は、2020年7月31日から9月2日の間に実施されました。

(2)デジタル市場競争に係る中期展望レポートに対する意見募集

デジタル市場競争本部が作成した「デジタル市場競争に係る中期展望レポート~Society5.0におけるデジタル市場のあり方」について、2020年7月8日から8月7日までの期間、パブリックコメントが募集されました。

デジタル市場競争本部とは、官房長官を本部長にするデジタル市場のルールを整備する機関です。

(3)法律案に関する意見募集

パブリックコメントでは、法律案についての意見募集をすることがあります。

地方の乗合バスや地域銀行では、通常のビジネス関連法規に従っていると破綻してしまう可能性があります。

そこで政府は、地方の乗合バスと地域銀行のサービスを維持させるため、私的独占禁止法の特例を定めようとしました。

そして2020年5月28日から6月26日の間には、「地域における一般乗合旅客自動車運送事業及び銀行業に係る基盤的なサービスの提供の維持を図るための私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例に関する法律施行令(案)」についての意見が募集されたのです。

参考:内閣府・パブリックコメント

まとめ

内閣官房は、首相及び内閣を補佐する組織です。

首相は国の一大事に関わる事柄について決断を下さなければなりません。

そのような重要業務を円滑に行うためには、内閣官房によるサポートが必要になってくるのです。