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総理大臣になるには?4つのプロセスを簡単解説

投稿日2020.8.11
最終更新日2020.08.25

日本を担う総理大臣は、今も昔も責任重大なポストであり、国や国民を守る存在です。
しかし、総理大臣就任への道がどの様なものか、「詳しくは知らない方けど気になる」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は「総理大臣になるには?」というテーマでご紹介させて頂きます。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、一般人は総理大臣になれる?

総理大臣

政治家の息子・娘でない一般人でも、もちろん総理大臣になることは可能です。
そのために、まず選挙に当選して国会議員にならなければいけません。

総理大臣は、国会議員の中から選ばれるからです。
ただし、政治家はとくに世襲率が高い世界です。

競争相手も多く、親戚に政治家や東京大学出身の官僚の存在、もしくは強力な人脈の有無で、スタートの位置が大きく変わります。

もし周りにそのような人がいない場合、総理大臣になるには

  • 政治家の事務所で雇ってもらい議員秘書になる
  • ビジネスで名前を売る
  • 地方議員から都道府県議員→国政へと打って出る

といった方法で立候補を狙う手もあります。

2、総理大臣とは

行政権

日本は、司法(裁判所)・立法(国会)・行政(内閣)の3つに分かれ、互いに監視して権力の暴走を避ける仕組みをとっています。

総理大臣は、このうち行政を統率するトップのことです。
ほかにも「首相」「総理」「内閣総理大臣」と呼ばれることがあります。

指名選挙によって選ばれた総理大臣は、他の国務大臣を選んで内閣を作り、トップとして各部署の監督・指揮を行います。

また、多くの国と交流するために連続して渡航を行う場合があります。
2020年現在、歴代63人目の総理大臣は安倍晋三氏です。

つまり、安倍氏は内閣の中心であり、日本を引っ張る政治界のリーダーを担っているのです。

(1)総理大臣に必要な2つの条件

  • 国会議員である
  • 文民である

まず、総理大臣になるには国会議員であることが前提です。
このことは、憲法67条1項に「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決でこれを指名する」と定められています。

更に、文民でなければなりません。
文民とは「自衛官ではない人」のことです。

現役自衛官は日本を守るための軍事力を持っているため、その間は総理大臣に就任できないという見解が一般的です。

国会議員であり、かつ文民なら衆議院でも参議院でも総理大臣になる権利はあります。

ところが、過去をさかのぼっても歴代の総理大臣は、全て衆議院議員です。
もし、総理大臣を目指すなら、まず衆議院議員を目指すのが得策でしょう。

(2)総理大臣と大統領はどっちが偉い?

首相と大統領

まず、日本には「大統領」はいません。
その代わりに「総理大臣」がいて、総理大臣が国の行政の責任者という位置づけです。

一方、アメリカでは「大統領」が、フランスやドイツ、韓国では大統領とともに「首相」が存在しています。
両者の違いをかんたんに説明すると、以下の通りです。

総理大臣 日本特有の言葉・行政の責任者
首相 議院内閣制において、その国の行政のトップ
大統領 その国(共和国)のトップ、国民の直接投票で決まることが多い

それでは、どちらが偉いのでしょうか。
国によって大統領と首相の立ち位置が異なるため、一概にどちらが上ということはありません。

たとえば、ドイツでは、大統領は形式なもので、政治的な実権は首相にあります。
一方、ロシアや韓国では大統領が圧倒的な権力をもち、「大統領>首相」という構図です。

フランスでは、外交をおこなうのは大統領、国政をおこなうのは首相、というようにそれぞれが政治の実権を握っています。

3、総理大臣の代表的な仕事

総理大臣の仕事はさまざまな分野にわたりますが、代表的な仕事は以下の5つです。

  • 内閣を作る
  • 法律案の提出、政策の指揮
  • 国会での答弁
  • 外国との交流
  • 国家と国民を守る

1つずつ見ていきましょう。

(1)内閣をつくる

総理大臣に指名・任命された後は、どの大臣に誰がふさわしいかを決めなければなりません。
「内閣」という一緒に行政を遂行するチームメンバーを決めるのです。

このメンバーは文民であることだけが条件なので、メンバー(国務大臣)全員を国会議員でそろえなくてもかまいません。

過半数が国会議員であれば大丈夫なので、残りの半数未満を一般人から選ぶこともできます。

ただ、内閣は総理大臣が自分で選ぶことが出来る反面、大臣のスキャンダルが見つかれば、総理大臣までも責任を問われることがあります。

(2)法律案の提出・政策の指揮

内閣のリーダーとして、行政をおこなうのに必要な重要政策や予算案、法律案を決定、国会に提出します。

また、国会が決めた法律や予算に基づいて、実際に行政各部の担当大臣とともに指揮や監督などをおこないます。

ほかにも、ときどき記者会見を開いて、政策や政府からの報告について説明することも仕事の1つです。

(3)国会での答弁

総理大臣は、国会に出席して、「政策」の基本的な方針や予算案などに対する議員からの質問に返答する必要があります。

この国会の様子はNHKで生中継されたり、ネット配信されたりします。

(4)外国との交流

総理大臣は日本の政治の代表なので、国内でさまざまな国の要人を迎えたり、自ら外国に行って会談をおこなったりします。

たとえば、小泉元内閣総理大臣と金正日総書記との日朝首脳会談やG7サミット、アジア太平洋経済協力会議(APEC)などが代表例です。

(5)国家と国民を守る

日本と国民を守ることももちろん大切な仕事です。

たとえば、大規模災害発生時は、状況確認や資源の分配、捜索活動などが素早くできるよう内閣府に非常災害対策本部を設置します。

また、外国による武力攻撃やテロなど緊急事態が起これば、最高指揮官として自衛隊の出動命令を出したり、指揮を取ることができます。

4、総理大臣になるまでのプロセス

総理大臣になるには

総理大臣は、国会議員の投票による選挙で指名され、天皇に任命されて就任します。
総理大臣になるための大まかな4つのプロセスについて、紹介します。

(1)有名大学を目指す

制限はありませんが、歴代の総理大臣の多くが有名大学を卒業しています。
たとえば、安倍晋三氏は成蹊大学、小泉進次郎氏は関東学院大学です。

世耕弘成氏は早稲田大学卒業など、多くの国会議員は一流大学を卒業しています。
なかには、田中角栄氏のように高校を卒業していなくても、長く日本政治界のトップに君臨していた人もいます。

ですが、現代の日本において、やはり学歴はとくに重要なものであり、国会議員全体でみても高学歴の人が多く見られます。

有名大学を目指すことは1つの効果的な手段になり得ます。

(2)国会議員になる

総理大臣に指名されるには国会議員であることが前提のため、まずは議員選挙に立候補して当選する必要があります。

制度上は衆参どちらからでも総理大臣になることは可能ですが、今まで参議院から総理大臣になったケースはありません。

したがって、総理大臣を目指すなら、与党から衆議院議員選挙に立候補する方が可能性が高いと言えるでしょう。

ただ、いきなり何の知識や人脈もないまま立候補しても、当選することは難しいです。
人脈がない場合には、以下のような方法で下積み時代を経験して、当選確率を上げていくことも必要でしょう。

  • 政治家の秘書になる
  • 政党党員になる
  • 地方議員になる
  • 公募に応募する
  • 政治塾に入学する

とくに政治塾は、ちょっと政治を勉強したいという場合にもおすすめです。

国会議員になるには?というテーマで記事も作成していますので是非ご覧下さい。

国会議員になるにはどうしたらいい?当選までの流れ

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(3)政党の中で内閣総理大臣の候補になる

国会議員になった後は、所属する政党の中で内閣総理大候補に選ばれる必要があります。
候補に選ばれる人は、政党内のトップである党首であることが多いです。

党首になるためには、各政党内で行われる代表選挙で当選することが必要です。

代表選を勝ち抜くには、日頃からリーダーシップを発揮し

  • 党内での地位を上げる
  • 発言力・影響力を高める

ことが重要になってきます。

そして、代表選で当選した後は「この人は内閣総理大臣にふさわしい」と思われるような党首となることで、内閣総理大臣候補として選ばれる可能性が大きく高まるのです。

(4)内閣総理大臣指名選挙で当選する

内閣総理大臣指名選挙という国会でおこなわれる選挙で多数の支持を得られれば、総理大臣になれます。

内閣総理大臣指名選挙とは自分の名前を記名したうえで総理大臣の候補者1名を選ぶ、国会内でおこなわれる選挙のことです。

内閣の総辞職や総理大臣が死亡・辞職したときにおこなわれ、投票側も選ばれる側も国会議員なので、一般人は投票できません。

参議院と衆議院それぞれで選挙がおこなわれ、過半数の支持を集めた人が総理大臣になります。
ここで、両院の意見が分かれたときは、「両院議会」が始まります。

万が一そこでも決まらなかった場合は、衆議院の結果にもとづいて総理大臣を決めるので、この特権は衆議院の優越ともよばれています。

現在の日本では、与党のトップがそのまま総理大臣になるケースがほとんどです。
たとえば、小泉純一郎氏や2019年10月現在の総理大臣である安倍晋三氏も、もともとは与党自民党の総裁です。

総理大臣になりたいなら、最大勢力の政党から出馬して国会議員になり、その政党の党首を目指すことが堅実な道といえるでしょう。

(5)天皇陛下に任命される

指名選挙で過半数の票を集めて総理大臣に指名された後、天皇陛下から任命されて、無事就任となります。

ちなみに、「任命」は禁じられている天皇陛下の政治的行為ではありません。

あくまで、国会の指示に基づいて任命するにとどまる行為なので、形式的・儀礼的な行為とされています。

まとめ

日本の行政のトップリーダーである総理大臣になる可能性を高めるには、4つのプロセスを辿ると良いかもしれません。

  • ある程度の学歴を身につける
  • 選挙に当選して国会議員になる
  • 与党の党首になって指名投票で指名される
  • 天皇から任命される

内閣総理大臣指名選挙がおこなわれる時期は、内閣が総辞職した場合や総理大臣が不在になったときです。
日本の舵を取る立場であると同時に、与党の代表であり、国会と内閣の両方の権力に対して力を持っている総理大臣。

目指すのなら、何があっても日本を守る、発展させるという強い意志をもつことも大切です。