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緊急避妊薬とは?効果と種類・国の取り組みまで徹底解説

投稿日2020.12.2
最終更新日2020.12.02

緊急避妊薬とは、避妊に失敗した性行為後に服用することで望まない妊娠を防ぐ薬です。

緊急避妊薬の薬局での販売を求め、市民団体から要望書と署名が提出されたニュースが記憶に新しい方も多いと思います。

本記事では

  • 緊急避妊薬とは
  • 緊急避妊薬の種類
  • 緊急避妊薬に関する厚生労働省の取り組み
  • 緊急避妊薬に関する検討会

についてわかりやすく解説します。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、緊急避妊薬とは

緊急避妊薬
緊急避妊薬とは、緊急で避妊する必要がある場合に服用する薬です。

緊急避妊薬は『EC』(Emergency:緊急、Contraception:避妊)と呼ばれることもあります。

緊急避妊薬の入手方法や効果について確認していきましょう。

(1)緊急避妊薬の入手方法

政府で薬局販売についての話し合いが進められていますが、2020年の時点で緊急避妊薬を入手するためには病院の診察が必要です。

病院に行く時間がない人はオンライン診療で処方してもらうこともできます。

(オンライン診療については「3、緊急避妊に関する厚生労働省の取り組み」で解説)

(2)緊急避妊薬の効果

緊急避妊薬を性行為後72時間(3日)以内に服用することで、避妊できるようになります。

上記の時間が過ぎると避妊できる可能性が低くなります。
また100%妊娠を防止できるわけではありません。

0.7%の確率で妊娠を防げないこともあります。
望まない妊娠を避けるためにも

  • できるだけ早くに病院を受診する
  • 医師の指示に従って正しく服用する

などが大切です。

また、性行為から3日が経過してしまった場合でも、銅付加子宮内避妊具など他の対応方法もあるため、避妊を希望する方はあきらめずに医師に相談してみましょう。

参考:「あなたに知っていて欲しい緊急避妊のこと」 一般社団法人 日本家族計画協会

2、緊急避妊薬の種類

緊急避妊薬にはどのような種類があるのでしょうか?
日本で認可されている緊急避妊薬は

  • レボノルゲストレル
  • プラノバール

の2種類です。

ノルレボゲストレルは、ノルレボのジェネリック医薬品です。
ジェネリック医薬品とは、新しい薬が発売された後に製造された薬のことで、より低価格で同等の効果を得ることができます。

参考:ジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用促進について 厚生労働省

2009年度日本家族計画協会家族計画研究センター・クリニックの活動報告 一般社団法人 日本家族計画協会

3、緊急避妊薬に関する厚生労働省の取り組み

緊急避妊薬
2020年現在、厚生労働省では緊急避妊のためのオンライン診療の推進を行っています。

  • 病院に行きづらい
  • 病院に行く時間がない
  • 人の視線が気になる

など、さまざまな事情で病院を受診しづらい女性に対応するためです。
オンライン診療について解説していきましょう。

(1)オンライン診療の流れ

オンライン診療とは、直接病院に行かなくても、パソコンやスマートフォンを使って受診できる診察方法です。

通常は病院に直接向かい、医師と対面で診察後、処方箋をもらい薬局で薬が処方されますが、オンライン診療では緊急避妊薬をオンラインで処方してもらえる病院を探します。

オンライン診察時に薬局が指定され、処方された薬は薬剤師の前で服用します。
その後、3週間後に産婦人科を受診する必要があります。

参考:厚生労働省のウェブサイトに掲載を希望した緊急避妊にかかる対面診療が可能な産婦人科医療機関等の一覧(令和2年4月6日時点) 厚生労働省

オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤について 一般社団法人 青森県薬剤師会

(2)オンライン診療の実施に関する指針

オンライン診療が安全に実施されるために、厚生労働省では『オンライン診療の適切な実施に関する指針』をまとめています。

同指針の中で重要なポイントをいくつかご紹介しましょう。

 無診察治療等の禁止

オンライン診療であっても、無診察での治療は認められていません。
診察をしていないのに診断書や処方箋を交付することは禁止されています。

 原則、初診は対面診療

原則、初診は病院での対面診療が必要です(緊急避妊薬は例外)。

しかし2020年4月に、厚生労働省が発表した『新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて』に基づき、現在は初診からオンライン診療が可能になっています。

ただし、向精神薬などの安全管理が必要な薬の処方はできません。
また急病であったり、体調が急変していたりする場合も対面診療が必要です。

 診療計画

医師は『診療計画』を定め、患者と合意の上で治療を進める必要があります。

診療計画には

  • オンライン診療で行う具体的な診療内容
  • 使用する通信機器などのオンライン診療の方法
  • セキュリティリスクに関する責任の範囲等の明示

などの項目が含まれ、安全にオンライン診療を進めるために欠かせない計画です。

 オンライン診療の映像や音声の保存

オンライン診療では、映像や音声を介して診察が行われます。
そのため、オンライン診療の映像や音声を端末に保存する場合は、医師と患者の両者の合意が必要です。

事前に双方で保存の要否や保存端末等についての取り決めを行います。 

参考:新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて 厚生労働省

オンライン診療の適切な実施に関する指針 厚生労働省

4、緊急避妊薬に関する検討会

2020年現在、政府はオンライン診療を安全に進めるために、『オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会』を開催しています。

2019年3月に開催された第3回目の検討会では『初診対面診療の例外(オンライン診療における緊急避妊について)』が議論されました。

オンライン診療での緊急避妊薬の処方には

  • 薬に頼り、適切な避妊をしなくなる
  • 知識不足から緊急避妊薬での避妊に失敗する
  • 転売等の犯罪行為に使われてしまう

などの懸念点が挙げられ、検討会ではこれらの懸念に対して

  • 緊急避妊薬以外の避妊方法を紹介する
  • 十分な知識を持った医師が説明を行い、最寄りの産婦人科を紹介する
  • 犯罪に巻き込まれた場合は、警察署への相談を促し、カウンセリングを実施する
  • 薬は1回分のみを処方し、薬剤師の目の前で服用させる

などの対策をまとめました。

第4回目の検討会では、「緊急避妊薬を処方する医師の条件」が細かく設定されるなど、検討会での議論は、緊急避妊薬のオンライン診療に生かされています。

参考:平成30年度 第3回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会 厚生労働省

 まとめ

今回は緊急避妊薬について解説しました。
女性の望まない妊娠を防ぐためにも、緊急避妊薬の利用のしやすさについての改善が求められています。

薬の効果を発揮するためには、正しい使い方や副作用の危険性などをしっかりと伝えていかなければなりません。

緊急避妊薬だけではなく、犯罪や性行為のリスクから女性が守られる仕組みも必要になってくるでしょう。