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政治ドットコムインタビュー政治家インタビュー日本維新の会・幹事長、藤田議員に聞く!「政党の経営」で全国政党へ。維新の今後の展望とは

日本維新の会・幹事長、藤田議員に聞く!「政党の経営」で全国政党へ。維新の今後の展望とは

投稿日2023.10.17
最終更新日2023.12.22

日本維新の会は、「身を切る改革」を掲げ、企業団体献金の禁止や調査研究広報滞在費の公開を行うほか、「政策提案型政党」として「日本大改革プラン」や「維新八策2022」を発表し、さまざまな政策や法案を是々非々で実現しています。

議員歴わずか2年半、40歳の若さで日本維新の会の幹事長に就任した藤田文武議員(以下、「藤田議員」)は、「政党を経営する」というコンセプトを打ち出し、国政政党としては斬新な取り組みである中期事業計画を策定するなど、日本の改革に向けた取り組みを行っています。

今回のインタビューでは、党の幹事長として永田町の常識にとらわれない新しい取り組みを推進している藤田議員に、日本維新の会の今後の展望や、「政党COO」としての今後の活動などについてお伺いしました。

(聞き手・文責:株式会社PoliPoli 中井澤卓哉)

藤田文武議員インタビュー

藤田 文武(ふじた ふみたけ)氏 
1980年生まれ。衆議院議員(2期)、日本維新の会幹事長。
高校教員、留学、会社経営等を経て、2019年大阪12区にて初当選。
座右の銘は「敬天愛人」「着眼大局着手小局」。
近著に「40代政党COO 日本大改革に挑む」(ワニブックス)。

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(1)維新塾でみたベンチャースピリットから立候補へ

ーまずはじめに、政治家を志したきっかけについて教えてください。

本格的に政治家になろうと考えたきっかけは、2012年に参加した「維新政治塾」でした。

2012年の衆議院選挙の際に、まだ国政にデビューしていない頃の維新の会が候補者を集めるために、維新政治塾を開いていました。もともと、大学生の頃から社会をよくしていきたい、政治家になりたいという思いはなんとなくあったので、「ちょっと覗いてみようかな」という気持ちで維新塾の門を叩きました。

実は維新塾に参加した時は、橋下徹さんをテレビで見たことがあるくらいで、恥ずかしながら、松井さんについてはほとんど知らないほどでした。ただ、政治を変えようとしている姿勢やさまざまな既得権に切り込んでいくところをみて、ベンチャースピリットがあるなと思っていました。

維新政治塾に実際に参加してみると、全国から何千人という人が「政治を変えたい」と集まり、実際に立候補を目指すのを見て「これ結構本気やな、すごい熱量高いな」と思いました。

藤田文武議員インタビュー

ー維新塾の参加から5年後に初出馬されていますが、立候補に至るまでどのような心境の変化があったのでしょうか?

2012年当時は、会社経営をまだ始めてまだ会社がそこまで大きくなかったときで、立候補にあまり自信がありませんでした。しかし、2012年の衆議院選挙で、自分の友人や維新塾の仲間が出馬して、実際に54議席という非常に大きな実績を残したのを見たときに、漠然と「政治家になりたい」という遠い夢が、「自分も本気で準備して政治の現場に乗り込んでいきたい」と思うようになりました。

その後、国政で紆余曲折あり、大阪都構想の住民投票に敗れ、橋下徹さんが引退を宣言されて、「維新はもう終わった」という論調になった時がありました。その時、自分が維新塾に参加して一緒に勉強させてもらったというご縁もあるのに、維新の会がなくなってしまうのが嫌だと思い、現場が辛い時にこそ自分も一緒になって頑張りたい、と思って公募に手を挙げました。

ー藤田議員は「政党を経営する」というコンセプトを打ち出していますが、どのようなきっかけで経営者としての経験を政治の世界で活かそうと思ったのでしょうか?

具体的な背景は2つあります。1つは、会社を経営していたときから、違う業種や業界のことからヒントを得て転用するということをよくやっていたことです。それを政治の世界でもできるのではないかと思って、「政党を経営する」という着想に至りました。

この業界って特殊だよねとか、この地域は特別だからとかってみんなよく言いますが、根本人間がやっていることなので本質は同じだろうし、アイデアやテクニックは基本全部転用できるヒントがあるんじゃないかと会社を経営していたときから思っています。

2つ目は、松下幸之助さんの影響です。経営者として思い悩んだ時に松下幸之助さんの本をよく読んでいたのですが、松下さんは政治の話に触れてることが多くあって、その中で「今の政治には経営がない」ということを書いていたんです。これは実際に自分が議員になってみて、確かにそうだと感じています。いわゆる世襲とか業界人といった政治のプロが業界を回していて、新規参入が生まれにくく、業界内の常識で動いているという側面が多分にあります。そこで、「政党を経営する」というコンセプトで経営感覚を持ち込んで、どんどん改革をやっていったら面白いと思って、打ち出し始めました。

(2)「政党を経営する」ー国政政党としては初の中期経営計画

ーその後、当選からわずか2年半で、幹事長に就任されました。幹事長の打診があった時は、どのような心境だったのでしょうか?

私はどんなことでも「これをやってくれ」とお願いされたら、基本的には即答できるようにしようと思って生きています。なので、幹事長の打診を受けたときは、もうこれは腹決めてやるしかない、とすぐにお受けしました。

ー国政政党としては初の取り組みである「中期経営計画」も策定されました。どのような意図や背景があったのでしょうか?

先ほどの話とつながりますが、議員になってみて、なぜ政党に中期経営計画がないのだろうかと疑問に思ったのがきっかけです。中期経営計画は、事業が伸びていく企業には必ずあります。馬場代表に、内部のコンセンサスをきちんととって、外向けに自分たちがこういうふうに伸ばしていくんだと宣言をすると、組織にとって必ずプラスになります、と直接進言したところ、「面白いな、すぐやろう」となって、作り始めました。

ー中期経営計画では、「2022年参議院選挙に勝利する」「2023 年の統一地方選挙で地方議員を増やす」「次期衆議院総選挙で野党第一党を獲得する」という3つの目標を掲げています。

この3つの目標は、順に階段を上がっていくように見えますが、発想は逆です。来たるべき衆議院選挙でいかに勝つか、つまり次の衆議院総選挙で日本維新の会がベンチャー政党から全国政党に転換できるか、ということを意識して作ったものです。その目標から逆算して、その前にある統一地方選、さらにその前にある参議院選挙での目標を明確化しました。

藤田文武議員インタビュー

(3)目標を設定する効果 ー結束と期待感の最大化

ー中期経営計画を策定したことでどのような変化がありましたか?

この計画を策定したことで、内部の結束と外からの期待感が最大化されました。

自分達で目標を立て、勝敗ラインを決めたことで、その目標を達成するために内部の結束が高まりました。維新の会の党員からは、「候補者を連れてきました」とか、「候補者になりそうな人に声かけてます」という自発的なアクションが生まれました。

また、維新の会から出馬したいという方も多く、政党としての期待が高まっていることを感じました。

今年、阿部司議員の発案で国会議員候補者のエントリー説明会を行いました。一般企業で例えるなら、就職活動の時の会社説明会のようなものです。この説明会では、「政治家というキャリアを選択肢に」というキャッチコピーを打ち出したところ、多くの参加者があり、さらにその中から立候補したいと手をあげてくれた人がかなり多くいました。私は過去に企業での採用活動をしていましたが、その時の経験と比較すると、説明会の参加後、実際に応募してくれる割合がかなり高く、驚きました。

政治に民間の経験を生かしたいという人が潜在的に多く、さらに、日本維新の会がその期待に応えられる政党としてみられている、ということは大きな自信に繋がりました。

ー2022年参議院選挙、2023年統一地方選挙では、データを活用した選挙対策が行われたそうですが、藤田議員の経営目線が生きているのでしょうか?

意思決定においてデータは重要です。目標達成に向けて、具体的にどこに何人擁立すれば良いのか、どこにリソースを投入するのか、という意思決定をする必要がありますが、政治家としてのキャリアが短い私が、勘で行動する訳にはいきません。

私は、日本維新の会の選挙対策本部長として、優秀なデータアナリストとともに全市町村の選挙データを分析しました。実際には、候補者の人柄や選挙区出身かどうかなどで、データ上の予測とのずれは生じますが、候補者を勝たせるためにも最大限データを活用して戦略を立案しています。

ー2022年参議院選挙では目標通り、2023年の統一地方選挙では目標を上回り大勝しました。中期経営計画の最後の目標である「次期衆議院選挙で野党第一党」の実現の見込みはいかがでしょうか?

現時点では、「野党第一党」の目標達成の可能性は5分5分だと思っています。今(2023年9月時点)、日本維新の会の衆議院議員が41人、一方、野党第一党の立憲民主党の衆議院議員が94人と、倍以上の差があります。例えると、大人とこども位の力量差で、かなり厳しいと感じています。

しかし、中期経営計画を策定した当初は、身内からも「野党第一党なんて無理」という意見が多く上がっていましたが、今は「絶対無理やろ」という人は一人もいなくなりました。目標の実現に向けて期待が高まりつつあるのを感じています。

次の衆議院総選挙では、現状維持ではダメだという問題意識を真正面からぶつけ、日本の古い政治構造を変え、与党ともっと強い立場で交渉できるところまで到達したいと思っています。維新の会の政治への向き合い方や政策を多くの人に評価してもらえれば、必ず達成できると思っています。

(4)日本維新の会の今後の展望

ー次期衆議院選挙で野党第一党となった場合、どのような政策に取り組みますか?

国会改革に取り組みたいと考えています。というのも、野党第一党になったからと言って、マニフェストに掲げる政策をすぐに全部実現できるようにはならないからです。

現状の国会運営には疑問を感じています。例えば、議会の日程が前日ギリギリまで決まらなかったり、委員会に大臣が出席しなければならないので国際会議に出られなかったりしています。ペーパーレス化も進んでおらず、官僚の疲弊も問題となっています。※1

多くの政党や議員がこれまで国会改革を主張してきましたが、なかなか進んできませんでした。日本維新の会が野党第一党になれば、非合理な国会運営を適正化し、それによって質の高い論戦が実現する新しい国会を国民の皆様にお見せしたいと思っています。

ー野党第一党が実現した後の展望について教えてください。

私は、日本維新の会を5年後、10年後には自民党と実力で政権を争えるほどの政党に育て上げたいと思っています。

ここ30年の日本の政治を振り返ると、野党はどことどこが結託すれば議席数を増やせるか、という組み合わせの議論ばかりだったと思います。2012年に旧民主党が政権を失ってからは、野党は離合集散を繰り返してきました。多くの国民にとって、自民党以外に政権を預けられる政党はないというのが実感なのではないでしょうか。野党には期待はあるが、政権を任せようと思われるほど信頼を獲得できていません。

まずは、日本維新の会の全国政党としての信頼を確立したいと思っています。維新の会は大阪の地域政党でしょと思っている方もまだまだ多いと思います。

※1 国会の日程は、議院運営委員会において与野党の協議により決定されます。議院運営委員会の委員は、議席数に応じて各党に割り当てられるため、野党第一党になると国会の日程調整において強い発言力を持つことになります。

ー全国政党を目指す過程で、維新のコアバリューで変わらない部分・アップデートしないといけない部分についてはどのように考えていますか?

「身を切る改革」、「既得権の打破」という原点は変えてはいけないと思っています。自民党は優秀な人が多くても、現状維持、軌道修正しかできていません。維新の会は民間感覚で変革を推進します。

また、「有言実行」という姿勢は崩しません。大阪都構想の住民投票や教育の無償化のように、公約を掲げた以上はやり切ります。賛否両論ある政策こそ、選挙の前に示して、選挙で民意を問うべきです。

自民党の悪いところは、選挙の前には良いことばかり並べて、選挙に勝ってから翻意するところです。今も、減税の議論をふわっとして、細かいことは何も示さないまま解散に持ち込もうとしているように感じます。賛否両論ある政策こそ、内容を明らかにして選挙をするべきではないでしょうか。

藤田文武議員インタビュー

(5)失敗しても再チャレンジできる社会をつくりたい

ー藤田議員の政治家としての目標について教えてください。

経営者としてのこれまでの経験も踏まえて、抽象的にはなりますが、チャレンジ精神に溢れ、失敗しても再チャレンジできる社会を作りたいと考えています。

今、漠然とした不安が蔓延していて、何かチャレンジしたくても生活がかかっているからとチャレンジできない人が多いと感じています。セーフティーネットを整備し、失敗しても再チャレンジできる強くて優しい経済と社会保障を作りたいですね。

ー今年9月には、「40代政党COO 日本大改革に挑む」を出版されました。

日本維新の会の党改革や、私の学生時代から経営者時代のエピソードなどについて赤裸々に綴っています。政治に詳しくない人にも、気軽に読んでもらいたいと思いながら書きました。本のタイトルで自分の肩書きを「幹事長」ではなく、「COO(Chief Operating Officer(最高執行責任者))」としているのも、経営者や会社員の方々にできるだけ身近に感じてもらいたいと考えたからです。

おかげさまでたくさんの方に読んでいただき、amazonのカテゴリ別の売れ筋ランキングで1位をとったこともあります。ぜひ気軽に読んでもらえたらと思います。

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
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