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NGOとは?活動内容や課題について簡単紹介

投稿日2020.6.12
最終更新日2020.06.12

NGOとは「Non Governmental Organization」の略語です。
日本語では「非政府組織」や「民間団体」という意味になります。

特定の1つの組織を指す言葉ではなく、国家の枠を越えて市民が自発的に参加・運営する全ての組織を指します。
しかしNGOという言葉自体は知っていても、実際の活動内容を把握していない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回はNGOについて、以下のとおりご紹介します。

  • 概要
  • 目的
  • 課題

本記事がお役に立てば幸いです。

1、NGOとは

NGO
そもそも、NGOとはどのような組織なのでしょうか。
NGOという言葉自体の初出は、1945年の国際連合憲章です。

具体的には、

  • 貧困
  • 飢餓
  • 環境

などの世界的な問題に対して、市民(民間)が自発的に参加・運営する組織のことです。

政府や国際機関とは異なり、民間という視点で問題へのアプローチができるので、国家の枠を越えた取り組みが可能になります。

経済的利益を目指していないことも特徴の1つで、それが更なる可能性を生み出しています。
活動内容は多岐に渡り、大きく分けて4つの分野があります。

  • 開発:教育、貧困救済、保健医療、職業訓練、農業指導など
  • 環境:地球温暖化・気候変動、植林、ごみ問題、自然保護・生物多様性保全など
  • 人権:子ども、女性、ジェンダー、障害者、先住・少数民族、難民、在日外国人労働者などの人権擁護
  • 平和:地雷廃絶、軍備撤廃、平和教育など

その他に、政府や国際機関などに政策上の提言を行う活動や、フェアトレード(公正な貿易)のために不公平な貿易の是正活動をしている組織もあります。

またこれらの活動と併せて、NGO間での情報交流も盛んに行われています。

2、NGOとNPOの違い

NGOとよく似た言葉にNPOがあります。
これら2つの組織の違いは何なのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。

(1)言葉の意味の違い

まずは言葉自体の意味から考えてみます。

  • NGO:「Non Governmental Organization(非政府組織)」
  • NPO:「Non Profit Organization(非営利組織)」

結論として、これら2つの組織は「非政府」と「非営利」という違いがありますが、実質的には同じような立場です。
幅の広い解釈が可能なため、大きな違いはないと言えます。

(2)活動内容における違い

ただし日本においては、活動内容の違いで以下のとおり使い分けられる傾向があります。

  • NGO:国際的な社会活動を行う民間団体(開発協力など)
  • NPO:国内の地域社会で社会活動を行う民間団体(福祉活動など)

活動の影響が及ぶ範囲で、NGOとNPOを区別する場合があるということです。

(3)法人格における違い

また、法人格における違いもあります。
日本には「NPO法人」は存在しても「NGO法人」は存在しません。

日本国内では「特定非営利活動促進法」に基いて法人格を取得した団体を「NPO法人(特定非営利活動法人)」と言います。NGOにはこう言った登録制度はありません。

そのため、国際協力を行うNGOであっても、法人格上は「NPO法人」である場合が多いです。

3、NGOの例


ここで具体的に、何百も存在するNGOのうち、2つを代表例としてご紹介します。

(1)WWFジャパン

地球温暖化に代表される気候変動など、世界の姿は数十年前・数年前と比べても日に日に変わってきています。
そのような時代において、WWF(World Wide Fund for Nature)は現在、約100か国で活動しています。

地球の自然環境の悪化を食い止め、人類が自然と調和して生きられる未来を目指して活動している環境保全団体です。
WWFジャパンはその日本支部で、1971年に世界で16番目のWWFとして東京で設立されました。

具体的には、科学的な知見に基づき、

  • 地球温暖化を防ぐ活動
  • 持続可能な社会を創る活動
  • 野生生物を守る活動
  • 森や海を守る活動

以上4つの活動テーマを柱に活動をしています。

(2)HFW

世界では十分な食料が生産されているのに、9人に1人が「慢性的な栄養不足=飢餓」に苦しんでいる(HFWホームページより)ことをご存じでしょうか。

HFW(Hunger Free World)は飢餓のない世界を目指し、約5か国で活動している国際協力団体です。
もともとはアメリカに本部を持つNGOの日本支部として、1984年に活動を開始しました。

その後、日本に本部を置く国際協力NGOとして2000年に独立、組織変更が行われています。
具体的な事業内容は、

  • 開発途上国における開発事業
  • 政府や国際機関などに政策上の提言を行う活動
  • 世界各地における啓発活動
  • 青少年育成

などです。

  • ブルキナファソ
  • ベナン
  • ウガンダ
  • バングラデシュ
  • 日本

これらの活動地において、飢餓のないモデル地域を作り上げ、その手法・成果が世界に波及することを目指しています。

4、NGOの課題

ここまで、NGOの概要と、実際に行っている人道的な活動について紹介してきました。
一方で現実として、課題もあります。
日本でのNGOの活動における、2つの課題をご紹介します。

(1)資金不足

「NGOダイレクトリー」第1部の掲載情報によると、226団体の総収入額は、約266億7,469万円です(2002年度)。

226団体のうち、約43.8%が2,000万円以下の年間予算規模で活動しているのです。

団体によって異なるとはいえ、潤沢な資金が不足している現状があります。
非営利活動=ボランティア(無給)というイメージが先行していることも影響しているのかもしれません。

資金確保のためには、多くの市民からの支援を得なければなりません。
しかし、広報まで資金や人材を割くことは現状では難しいと言わざるを得ないでしょう。

説明責任を果たした上で、寄付を積極的に募ることが急務となっています。

(2)人材不足

前述の掲載情報によると、226団体のうち有給専従・有給非専従職員として働いている人材がいるのはわずか176団体であり、全て合わせても1,539人。
国際的な活動となるNGOも多くありますが、海外で働いている職員に限ってはわずか286人です。

不況が続いた日本では資金不足もあいまって、人件費に資金をあてにくくなっています。
しかしそれでは、活動の安定化や拡大は図れません。

職員が定着しづらくなり、余計に採用コストがかかる可能性すらあります。
資金不足の解消に伴い組織の強化をはかり、職員が経験を積めるだけではなく、それを生かせる環境作りが課題です。

まとめ

今回は「NGO」についてご紹介しました。
NGOの概要やNPOとの違い、具体的な活動内容をご理解頂けたのではないでしょうか。

NGOは政府や国際機関とは異なり、民間から国内外への問題解決に取り組む組織です。
経済的利益を目指さない組織団体だからこそ、実現する解決策があるものの、日本での活動においては資金・人材不足などの大きな課題もありました。

アフターコロナの世界に生きる私たちは、日本国内のことはもちろん、遠く離れた海外とのつながりについても改めて考える時期に来ているのではないでしょうか。

本記事が少しでも、あなたのお役に立てば幸いです。