「オリンピック」及び「パラリンピック」とは、どちらも4年に1度開催される世界的なスポーツの祭典のことです。
夏季大会と冬季大会がそれぞれ4年に1度開催されているため、祭典自体は2年に1度行われています。
現在ではオリンピックの時期に合わせて、各スポーツにおいて強化合宿が行われるなど、各国が国を上げて参加するような祭典となっています。
ところで、祭典が行われている理由や歴史はご存知でしょうか?
あらためて問われると、よくわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は「オリンピック」と「パラリンピック」について、以下のとおりご紹介します。
- オリンピックとパラリンピックの違い
- オリンピックやパラリンピックの開催目的
- オリンピックとパラリンピックの競技
本記事がお役に立てば幸いです。
1、オリンピック・パラリンピックとは
オリンピックとは、4年に1度開催される世界的なスポーツの祭典のことです。
スポーツを通した
- 人間育成
- 世界平和
が、究極的な目的とされています。
現在では夏季大会と冬季大会があり、それぞれ行われる種目が異なります。
一方パラリンピックとは、障がい者を対象とした、もうひとつの(=パラレル)オリンピックです。
オリンピックと同様に4年に1度、夏季大会と冬季大会があり、オリンピック競技大会の終了直後に同じ場所で開催されています。
2021年3月時点現在における直近の開催予定の大会は、現在延期となっている夏季の東京オリンピック・パラリンピックです。
(1)オリンピックとパラリンピックの違い
オリンピックの競技者は健常者が中心ですが、パラリンピックの競技者は特定の障がいがある人です。
また、行われる競技にも違いがありますし、同じ競技名でもルールが異なる場合があります。
そして、メダルのデザインも異なります。
このように様々な違いはあるものの、オリンピックとパラリンピックは共に世界から愛される国際的なスポーツ祭典として人気を集めています。
参考:パラリンピック
(2)古代オリンピックの歴史
古代オリンピックは、今から約2800年も前に始まっています。
古代ギリシャの「オリンピア地方」で行われていたオリンピア祭典競技がルーツです。
起源には諸説ありますが、「もともとは神々をあがめる体育や芸術の競技祭」だったそうです。
しかし、その後数々の戦乱に巻き込まれた結果、古代オリンピックは393年を最後に一度幕を閉じています。
(3)近代オリンピックの歴史
一度は失われてしまったオリンピックですが、古代オリンピックの1500年後に、近代オリンピックとして新たに生まれ変わります。
きっかけは、フランスの教育者であったピエール・ド・クーベルタン男爵にありました。
当初、ピエールは自国の教育改革のためにスポーツを取り入れようと考えていました。
しかし、海外視察で国外選手との交流などに関わる中で、スポーツが果たす役割である
- 「国際交流」
- 「平和」
などの可能性に気付きます。
その後「国際的競技会」の構想をふくらませたピエールの働きかけにより、オリンピックは復活の道を歩むことになったのです。
1894年にピエールがパリ国際会議において提唱した「オリンピック復興」は満場一致で可決されました。
そのたった2年後の1896年には、ギリシャのアテネにおいて、記念すべき第1回のオリンピック競技大会が開催されたのです。
なお、大会のシンボルとしてなじみ深い五輪のマークも実はピエールが考案しています。
五輪のマークは「世界五大陸の団結」を表しているのです。
参考:オリンピック
(4)パラリンピックの歴史
パラリンピックの起源は1948年にあります。
当時、医師ルードウィッヒ・グッドマン博士の提唱によって、ロンドン郊外のストーク・マンデビル病院内で開かれた「アーチェリーの競技会」がルーツとされています。
この競技会における開催目的は「リハビリ」でした。
第2次世界大戦で主に脊髄を損傷した兵士たちを対象に行われたのですが、大会が回を重ねるうちに、1952年には国際大会へと発展したのです。
現在のパラリンピックは「アスリートによる競技スポーツ」という形となっています。
2004年のアテネ大会では448の大会記録と304の世界記録が更新されました。
そして2012年の第14回ロンドン大会では20競技が行われ、史上最多となる164の国と地域から約4300人が参加しました。
2、オリンピック・パラリンピックの開催目的
これまでオリンピックとパラリンピックの概要や歴史についてご紹介してきました。
そもそもオリンピック・パラリンピックの開催目的は何なのでしょうか?
(1)オリンピックの目的
1996年版のオリンピック憲章によれば、オリンピックの目的は以下のとおりです。
「いかなる差別をも伴うことなく、友情、連帯、フェアプレーの精神をもって相互に理解しあうオリンピック精神に基づいて行なわれるスポーツを通して青少年を教育することにより、平和でよりよい世界をつくることに貢献することにある」
引用:オリンピック目的
つまり、「国際交流」「世界平和」を目指し、地球上で暮らす私たち全員が幸せに暮らしていくための手段として、スポーツの力が発揮されることが期待されているのです。
ちなみにオリンピック憲章とは、国際オリンピック委員会(IOC)によって採択されたオリンピズムの根本原則や規則、付属細則などを成文化したものです。
オリンピック・ムーブメントの組織、活動、運用の基準となっており、オリンピックの開催条件もここに定められています。
参考:オリンピック目的
(2)パラリンピックの開催目的
パラリンピックについてはどうでしょうか。
国際パラリンピック委員会(IPC)はパラリンピックを通じ、「共生社会の実現」を促進することを目指しています。
様々な障がいがあるアスリートたちが主役のパラリンピックは、国を背負って競い合うオリンピック以上に多様性を認め合う場です。
また、誰もが個性や能力を発揮し活躍できる、という公正な機会が与えられている場とも言えます。
つまり、共生社会を具体的に実現していくための重要な要素が詰まっている大会なのです。
参考:パラリンピックの目的
3、オリンピックとパラリンピックの招致について
東京2020オリンピック・パラリンピックの開催決定に際し、トーマス・バッハ会長が「TOKYO」の文字を掲げた瞬間が、記憶に新しい方もいらっしゃるかもしれません。
複数の都市が候補として手を上げた中、結果として東京が選ばれた訳ですが、なぜ各国はオリンピック及びパラリンピックを招致するのでしょうか?
(1)各国が招致する理由
オリンピック・パラリンピックを誘致したい主な理由としては、「都市や国家の国際的なアピール」があげられます。
例えば東京2020オリンピックが開催されれば、東京のブランド価値が上がったり、世界的に人を集めるための交通網やインフラが急激に発展したり、様々な経済効果が期待できます。
一方で、大会を開催するためには莫大な費用を負担する必要があります。
開催後も作った競技場の存続をどうするのかなど、経済的な面での課題も隣り合わせになっていると言えるでしょう。
(2)どのように招致するのか
オリンピック開催都市の決定は、国際オリンピック委員会(IOC)が全権を握っています。
開催の7年前にIOCが会議を開き、IOC委員の半数以上が1都市に投票するまで投票が繰り返されます。
1回の投票ごとに最低獲得票数の1都市が脱落するかたちで進みます。
IOCについては以下の関連記事で詳しくご紹介しています。
IOC(国際オリンピック委員会)とは?具体的な仕事内容を簡単解説
4、オリンピック・パラリンピックの競技
ここではオリンピックとパラリンピックの競技について確認していきましょう。
(1)オリンピック競技
以下で開催予定(2021年3月時点)の東京2020オリンピックでの競技を例にとり、オリンピック競技をご紹介します。
東京2020オリンピックでは、以下33競技が行われます。
- 空手
- サーフィン
- スポーツクライミング
- スケートボード
- 野球・ソフトボール
- 水泳
- 射撃
- 自転車競技
- ハンドボール
- ゴルフ
- サッカー
- ボクシング
- バスケットボール
- テニス
- 近代五種
- テコンドー
- カヌー
- 陸上競技
- 柔道
- レスリング
- ラグビー
- 卓球
- 馬術
- セーリング
- バレーボール
- ホッケー
- アーチェリー
- トライアスロン
- バドミントン
- フェンシング
- ボート
- ウエイトリフティング
- 体操
競技数については、新競技の採用や既存競技の消滅など、様々な動きを繰り返しているため、大会によって変動があります。
また、パラリンピックでは開催していない競技もあります。
(2)パラリンピック競技
続いて、パラリンピックの競技です。
開催予定の東京2020パラリンピックでは、以下22競技あります。
- ボート
- テコンドー
- バドミントン
- アーチェリー
- 射撃
- 卓球
- 柔道
- 水泳
- 自転車競技
- シッティングバレーボール
- 馬術
- 5人制サッカー
- パワーリフティング
- 車いすラグビー
- 車いすテニス
- 車いすバスケットボール
- 車いすラグビー
- カヌー
- トライアスロン
- 陸上競技(マラソン)
- ボッチャ
- ゴールボール
こちらも、オリンピックでは開催していない競技があったりします。
参考:競技コラム
まとめ
今回はオリンピックとパラリンピックの概要、歴史、両者の違いについて解説しました。
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