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IOC(国際オリンピック委員会)とは?具体的な仕事内容を簡単解説

投稿日2020.12.14
最終更新日2020.12.14

「IOC(国際オリンピック委員会)」とは、オリンピックを主催する団体のことです。
オリンピックに参加する各種国際スポーツ団体を統括する立場でもあります。

オリンピック関連のニュースなどで耳にする言葉かと思いますが、具体的な役割や仕事内容についてご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回はIOC(国際オリンピック委員会)について、以下のとおりご紹介します。 

  • IOC(国際オリンピック委員会)の概要
  • IOC(国際オリンピック委員会)の役割
  • IOC(国際オリンピック委員会)の具体的な仕事内容

本記事がお役に立てば幸いです。 

1、IOC(国際オリンピック委員会)とは

IOC(国際オリンピック委員会)
IOC(国際オリンピック委員会)は、オリンピック・ムーブメント(スポーツを通した生き方の哲学を世界中に広める活動)の最高機関と言えます。

また、IOC(国際オリンピック委員会)はオリンピック憲章に関する権限を持っています。
「オリンピック憲章」とは、オリンピック・ムーブメントの組織・活動・運用の基準のことです。 

IOC(国際オリンピック委員会)の決定には拘束力があり、参加者国や参加者は原則それに従う必要があるのです。

このことからも、IOCはオリンピックの運営において大きな役割を持っていると言えます。

 2、IOC(国際オリンピック委員会)の役割

IOC(国際オリンピック委員会)の役割は、オリンピック憲章に則って、「オリンピックの精神」を世界中に普及させることにあります。

つまり、IOCの最大の目的は「平和を目指し、人類の発展にスポーツを役立てること」と言えます。
役割を果たすために、オリンピック憲章には以下の15種類の指針が記載されています。 

  1. スポーツおよびスポーツ競技会の調整、組織、育成を奨励し、国際および国内スポーツ団体と連携してオリンピック・ムーブメントの統一強化を目的とする措置の推進ならびに適用を実現する。
  2.  法的資格のある公共機関や、民間の機関、政府当局と協力して、スポーツを人類のために役立てるよう努力する。
  3. オリンピック競技大会が確実に定期的に開催されるようにする。
  4.  平和を推進する活動に参加し、オリンピック・ムーブメント所属員の権利を守るために行動し、オリンピック・ムーブメントの妨げとなるあらゆる差別と闘う。
  5. 適切な手段により、あらゆる階層および組織において女性のスポーツ振興を強く奨励する。とりわけ国内ならびに国際スポーツ組織の執行部においてこれを推進し、男女平等の原則の完全実施を目指す。
  6. スポーツ倫理の普及を支援し、奨励する。
  7. スポーツの場においてはフェア・プレーの精神がまさり、暴力が禁止されることを確実にするため努力を傾注する。
  8. スポーツにおけるドーピングと率先して闘う。
  9.  競技者の健康を危険にさらすことのないよう、その防止を目的とした手段を講じる。
  10.  スポーツや競技者が、いかなるかたちにおいても、政治的あるいは商業主義的に悪用されることに反対する。
  11.  スポーツ組織および行政当局に、スポーツ選手の将来の社会的職業的安定の保証に最大限努力するよう働きかける。
  12.  万人向けのスポーツの育成を促進する。これは高水準のスポーツの基礎となるが、高度なスポーツはまた万人のためのスポーツの発展に寄与するのである。
  13. 環境問題への責任ある関心を示すという条件のもとでオリンピック競技大会が開催されるよう配慮するとともに、オリンピック・ムーブメントが環境問題に責任ある関心を表明し、そうした関心を活動に反映させ、またオリンピック・ムーブメントに携わるすべての人々に持続可能な開発の重要性に対する関心を喚起することを促進する。
  14.  IOA(国際オリンピック・アカデミー)を支援する。
  15.  その他の機関で、オリンピック教育に専念するものを支援する。

引用:日本オリンピック委員会

参考:日本オリンピック委員会

3、IOC(国際オリンピック委員会)の具体的仕事内容

IOC(国際オリンピック委員会)
IOC(国際オリンピック委員会)の具体的な仕事は以下のとおりです。

  • オリンピック憲章の内容を決める
  • オリンピック価値教育
  • オリンピックを行う場所の選定
  • オリンピックの中止や延期の決定

それぞれについて見ていきましょう。

(1)オリンピック憲章の内容を決める

まずはオリンピック憲章に関してです。

前述のとおり、オリンピック・ムーブメントに関わる全ての人は、オリンピック憲章の規定による制約を受けることになりますが、そのオリンピック憲章の内容を決定し、成文化しているのがIOC(国際オリンピック委員会)なのです。

オリンピック憲章は、IOC(国際オリンピック委員会)によって採択されたオリンピズム(オリンピックの精神)の

  • 根本原則
  • 規則
  • 付属細則

を成文化したものです。
オリンピック・ムーブメントの

  • 組織
  • 活動
  • 運用

の基準として用いられ、オリンピック競技大会の開催の条件などが定められています。

参考:オリンピック憲章

(2)オリンピック価値教育(OVEP)

児童がオリンピックの価値を理解するような教育を行うのも、IOC(国際オリンピック委員会)の仕事の一つです。

OVEPは「The Olympic Values Education Program」の略で、「オリンピック価値教育」を意味し、スポーツを通じた教育プログラムの一つとして作られました。

教師や指導者向けに作成された教育プログラムであるため、教育現場で活用されるものとなります。 

児童や生徒がオリンピックの価値を理解することを通して、人格形成を促し、社会の一員として必要な素養を身につけることを目的としています。

 オリンピックの精神に関する教育テーマとしては、以下の5つが挙げられます。 

  • スポーツと身体活動を通して努力から得られる喜びを経験する
  • フェアプレーを学ぶ
  • 自他共に尊重する
  • ベストを尽くす
  • 肉体、意志、精神の調和のとれたバランスの良い生活を送る

参考:オリンピック価値教育(OVEP) 

(3)オリンピックを行う場所の選定

オリンピックを4年に1度開催するためには、オリンピックの開催地を滞りなく決定する必要があります。 

場所の選定については、IOC(国際オリンピック委員会)が開催条件を公表した上で、オリンピック招致の意思がある都市が立候補し、その中から選ぶという形です。 

開催の7年前にIOC(国際オリンピック委員会)が会議を開き、IOC委員の半数以上が1都市に投票するまで投票を繰り返すのです。

投票ごとに票数が少ない都市から脱落していくかたちで進みます。

(4)オリンピックの延期や中止を決定する

2020年の東京オリンピックは、新型コロナウイルスの影響を受けて延期となりました。
このようにオリンピックの延期や中止を決定するのもIOC(国際オリンピック委員会)の仕事です。 

2020年12月時点では2021年に延期された東京オリンピックですが、2020年5月時点では、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長が「2021年開催が無理になった場合は中止」とする見通しを語っていました。

また、今回の延期理由は新型コロナウイルスであるため、開催条件としてワクチン開発が必要となる可能性を考慮し、世界保健機関(WHO)の助言に従う、という見解も示しました。 

参考:東京五輪、21年開催が無理なら中止 IOC会長が言及

まとめ

今回はIOC(国際オリンピック委員会)について詳しくご紹介しました。 

IOC(国際オリンピック委員会)の概要、役割、具体的な仕事内容から、IOC(国際オリンピック委員会)が担うオリンピックについての責任の重さがおわかりいただけたのではないでしょうか。

夏期と冬季オリンピックがあることを考慮すれば、IOCは開催都市を2年に1度選ぶ必要があり、不測の事態が起きれば延期や中止の判断を下さなければなりません。

本記事が少しでもあなたのお役に立てば幸いです。