「オンライン診療」という新しい形の医療サービスをご存知でしょうか?
これは、インターネット通信を使った診療で、パソコンやスマートフォンなどを活用して、自宅からでも医師の診察を受けることが可能です。予約から診察、そして支払いまでの全てのプロセスをオンラインで完結できます。
この記事では、以下について詳しく解説します。
- オンライン診療の概要
- そのメリットとデメリット
- 具体的な受診方法
新型コロナウイルス感染症の流行により、このような新しい診療形態の需要は急速に増えています。本記事が皆様の健康管理に役立つ情報を提供できれば幸いです。
1、オンライン診療とは
オンライン診療とは、インターネット通信を使った診療です。厚生労働省ではオンライン診療の定義を以下のように定めています。
オンライン診療とは
遠隔医療のうち、医師ー患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為。
引用:オンライン診療の適切な実施に関する指針 厚生労働省
オンライン診療では
- 予約
- 問診
- 診察
- 処方箋の受け取り
- 決済
などをオンラインで完結できます。
受診時は、手持ちのパソコンやスマートフォンなどの情報通信機器を利用します。医師と患者はビデオチャットアプリ等の映像を通して対面し、診療を行います。
(1)オンライン診療の目的
オンライン診療の目的は、
- 地域差のない医療サービスの提供
- 医療の質向上
などです。
厚生労働省の調べによると、2019年度の無医地区(医療機関のない地域)は590地区、無医地区に住む総人口は12万6,851名でした。
オンライン診療は、離島やへき地での医療サービスを充実させることを重視しています。また従来の対面診療等を組み合わせることで、効率的に医療の質を高められると考えられています。
画像引用元:遠隔医療モデル参考書 -オンライン診療版- 総務省
参考:令和元年度調査の概況 厚生労働省
2、オンライン診療推進の背景
オンライン診療推進背景には
- 情報通信技術の発達
- 医師の不足
- 感染症の拡大
などがあります。
それぞれ解説していきましょう。
(1)情報通信技術の発達
オンライン診療が実現した背景には、情報通信技術(ICT)の発達があります。情報通信技術とはパソコン、スマートフォンを使った情報交換技術です。
ショルダーフォンからスマートフォンへの変化も情報通信技術の発達の1つです。映像での対面診察やインターネットを使った手続きには、情報通信技術の活用が大きく影響しています。
画像引用元:図表Ⅰ-1-2-1 ショルダーフォンからスマートフォンへの変化 第2節 技術の進歩 国土交通省
(2)医師の不足
日本では、医師の長時間労働は社会問題であり、長時間労働の原因は「医師不足」にあると言われています。
2017年の厚生労働省の調べによると、1週間の労働時間が週60時間を超える医師の割合は約41.8%を記録し、職種別で最も高い割合となりました。
画像引用元:医師の勤務実態等について 厚生労働省
また過疎地域の医師は、高齢患者への訪問医療による負担もあると言われています。
オンライン診療では、医師の移動を減らし、患者情報を関係機関と共有することで、全体的な業務の負担軽減につながると期待されています。
参考:第1部 特集 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築 総務省
(3)2020年における感染症の拡大
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、オンライン診療が促進されています。
非対面のオンライン診療によって、医師と患者間の感染(院内感染)を防ぐことができます。
また、オンライン診療は「初診は原則対面」が前提でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、制限の一部が緩和されました。
参考:オンライン診療の適切な実施に関する指針 厚生労働省
参考:初診からオンライン診療、週明けから開始 日本経済新聞
画像引用元:新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について 厚生労働省
3、オンライン診療のメリット・デメリット
オンライン診療は、医師と患者の両者にメリットのある診療方法です。
しかし、従来の対面診療に比べてデメリットもあります。
オンライン診療のメリットとデメリットを解説していきましょう。
(1)オンライン診療のメリット
オンライン診療のメリットは、患者の事情に合わせて診察ができることです。
- 仕事で病院の空いている時間に受診ができない
- 育児で子どもを置いて病院に行けない
- 介護で介護者を置いて病院に行けない
など、患者にはそれぞれの事情があります。
高齢者や持病を抱える人にとっては、長距離の通院は負担を伴うことでもあります。オンライン診療は多くの患者の課題を解決できる診察方法です。
(2)オンライン診療のデメリット
オンライン診療のデメリットは
- 受診できる患者が限定されること
- 誤診や見落としのリスクがあること
です。
①受診できる患者が限定される
オンライン診療では、パソコンやスマートフォン等の情報通信機器が必要なため、該当機器を持っていない人は利用できません。
特に高齢者の場合は、パソコンやスマートフォンに不慣れなケースが多く、上手く活用できない可能性があります。
②誤診や見落としのリスクがある
オンライン診療では、触診ができません。そのため映像の解像度が悪いと、症状をうまく確認できないことがあります。
厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」では、
- 音声が聞き取れない
- 動画が途切れる
などの適切な判断ができない環境では、オンライン診療を行ってはいけないとされています。
参考: 新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて 厚生労働省
4、オンライン診療の利用する判断基準
ここでは、「どんな時にオンライン診療を受けるべきなのか」の1つの判断基準になる
- オンライン診療に適している人
- オンライン診療があまり適さない人
について、ご紹介します。
(1)オンライン診療が適している人
オンライン診療が適している人は、比較的症状が安定している人です。生活習慣病等の慢性疾患や喫煙に関する定期的な診療は、オンライン診療に向いていると言われています。
(2)オンライン診療があまり適さない人
オンライン診療があまり適さない人は
- 向精神薬の処方を希望する人
- 体調が急変している人
- 自分の症状をうまく説明する自信がない人
などです。
安全管理が必要な向精神薬やリスクの高い薬はオンライン診療では処方できません。緊急時は救急車を呼ぶことも考えましょう。
5、オンライン診療の受診方法
ここでは、オンライン診療の受診の具体的な流れである
- 受診したい医療機関がオンライン診療を行っているか確認
- オンライン診療の予約
- オンライン診察
- 受診後
についてご紹介します。
(1)受診したい医療機関がオンライン診療を行っているか確認
最初に受診したい医療機関を決めます。医療機関を決めたら、その医療機関がオンライン診療を行っているか確認しましょう。
新型コロナウイルス感染症い関するオンライン診療ができる病院は、厚生労働省のホームページに掲載されています。
参考:Ⅰ対応医療機関リスト 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について 厚生労働省
(2)オンライン診療の予約
医療機関に、オンライン診察の予約を入れます。予約の仕方は医療機関によって異なりますが、電話やWebサイト、アプリからの予約が一般的です。
(3)オンライン診察
診察の時間になったら、スマートフォンやパソコンを用意します。診察には本人確認が必要なため、本人確認書類も準備しておくと安心です。
専用のアプリを開き、医師からの着信を待ちましょう。着信に出ると診察が始まります。
(4)受診後
受診後は2種類のケースに分かれます。
①対面での受診を推奨された場合
オンライン診療では判断が難しい症状や検査が必要な場合などは、医師から対面での診察が求められることがあります。
対面での受診を推奨された場合は、必ず医療機関を受診しましょう。
②薬の処方を受けた場合
薬の処方を受けた場合は、自宅または薬局で薬を受け取ります。診察時に受け取り希望の薬局を伝え、診察後には薬局に連絡を入れましょう。
自宅で薬を受け取る場合には、オンラインで服薬指導を受けます(直接薬局で指導を受けなければならない薬もあります)。
参考:電話・オンラインによる診療がますます便利になります。厚生労働省
まとめ
今回はオンライン診療について解説しました。病院の待ち時間が苦手な方も多いのではないでしょうか。オンライン診療をうまく活用して、スマートな健康維持に活用してみましょう。
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