政治ドットコム選挙選挙権とは?選挙権と被選挙権の違いや年齢引き下げの理由について

選挙権とは?選挙権と被選挙権の違いや年齢引き下げの理由について

投稿日2020.10.1
最終更新日2020.10.05

選挙権とは、満18歳以上の日本国民が持つ投票できる権利です。
選挙権は、以前満20歳から認められていましたが、2016年に満18歳へ引き下げられました。

国民であれば誰もが持てる権利ですが、場合によっては選挙権を失うこともあります。

そこで今回は

  • 選挙権
  • 被選挙権
  • 選挙権年齢の引き下げ

などについて分かりやすく解説します。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、選挙権とは?

選挙権
選挙権とは、選挙で投票できる権利です。
満18歳になると投票所入場券が届き、最寄りの投票所で投票ができるようになります。

選挙は

  • 国会議員(衆議院議員、参議院議員)
  • 知事、都道府県議会議員
  • 市町村長、市区町村議会議員

などを決める大切な制度です。
そのため、選挙権は国の最高法規である憲法によって定められています。

選挙権に関する憲法の条文について、見てみましょう。

日本国憲法

第15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

引用:日本国憲法 e-Gov 

公務員とは国の仕事に従事する人のことを指し、選挙で選ばれる議員や知事、市町村長はすべて公務員です。

公務員を選ぶ権利と罷免(ひめん:職をやめさせること)する権利は国民が持っています。

また、誰に投票したのかという個人的な投票情報については誰も侵すことができず、どの候補者を選んでも責任が問われることはありません。

参考:選挙権年齢の引下げについて 総務省
参考:最高裁判所裁判官国民審査制度 総務省

2、被選挙権とは?

選挙権が投票で選ぶ権利である一方で、被選挙権は投票で選ばれる権利を指します。
立候補できる権利と覚えておくと分かりやすいでしょう。

選挙権と被選挙権の大きな違いは、公務員の種類によって立候補できる年齢が変わることです。
それぞれの公務員の立候補できる年齢を表で確認してみましょう。

公務員の種類 年齢
衆議院議員 満25歳
参議院議員 満30歳
都道府県知事 満30歳
都道府県議会議員 満25歳
市町村長 満25歳
市町村議会議員 満25歳

参考:被選挙権 総務省

3、選挙権年齢の引き下げ

選挙権
2016年6月に施行された「公職選挙法等の一部を改正する法律」によって、選挙権年齢は満20歳から満18歳に引き下げられました。

なぜ、選挙権年齢は引き下げられたのでしょうか?
その理由と法律の改正が行われるまでの流れについて見ていきましょう。

(1)引き下げの理由

選挙権年齢引き下げの理由は、10代の意見を政治に反映し、若者に継続的な政治への関心を持ってもらうためです。

以下のグラフは総務省が発表している年代別の投票率の推移ですが、赤いグラフは20代の投票率を示しています。

衆議院選挙投票率

画像出典:衆議院議員総選挙における年代別投票率の推移 総務省

グラフが始まる昭和42年(1967年)から全世代で投票率が低下しました。
特に20代を示す赤いグラフの投票率が低いことがわかります。

こうした若者の投票率の低下に伴う、政治離れを改善するために、選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられました。

また、アメリカやイギリスなど先進国の多くが18歳からの選挙権を認めており、世界基準に合わせたという見方もあります。

参考:なぜ、いま18歳選挙権なのですか? 自民党

(2)選挙権年齢引き下げまでの流れ

選挙権年齢引き下げへの取り組みは、2007年5月から始まりました。
きっかけとなったのは「日本国憲法の改正手続に関する法律(通称 国民投票法)」です。

当初は憲法改正の是非を問う国民投票の投票権を20歳から18歳に引き下げてはどうかという議論がなされていました。

そして、「憲法改正の是非を問う国民投票では、選挙権を18歳に付与するべき」という結論にまとまり、国民投票法が施行される2010年5月までに、選挙権年齢に関係する法律の改正(公職選挙法など)が決定しました。

しかし、期限を過ぎても法整備が行われない状態が続いたので、2014年に各党の間で改正法施行後、2年以内に選挙権年齢を18歳に引き下げる確認書が交わされました。

また、2015年2月には各党から構成される「選挙権年齢に関するプロジェクトチーム」が公職選挙法改正案を再提出する方針を固め、翌月3月に法律案を衆議院に提出しました。

その後2015年6月に公職選挙法改正案が可決され、2016年6月に施行されたことにより、正式に18歳にも選挙権が付与されることとなりました。

参考:選挙権年齢の18歳以上への引下げ 参議院

4、選挙権における積極的要件と消極的要件

選挙権には

  • 積極的要件
  • 消極的要件

の2つの要件があります。

積極的要件とは、選挙権を持つために必要な条件で、消極的要件とは選挙権を失う条件を指します。

これらの選挙権の要件は公務員の種類によって異なるので、それぞれの要件の内容について見ていきましょう。

(1)国政選挙(衆議院議員、参議院議員選挙)の積極的要件

国政選挙での積極的要件は、日本国民で満18歳であることです。

(2)知事・都道府県議会議員選挙の積極的要件

知事・都道府県議会議員選挙での積極的要件は、日本国民で満18歳であることに加えて、「引き続き3カ月以上その都道府県内の同一市区町村に住所のある者」という条件も必要になります。

例えば、神奈川県から東京都に引っ越した場合には、住所を移してから3か月未満の場合は東京都知事選挙や都議会議員選挙における投票権を持つことはできません。

ただ、公職選挙法が一部改正され、同一の都道府県内であれば2回以上引っ越した場合でも選挙権は失われないことになりました。

参考:選挙権と被選挙権 総務省
参考:引っ越したら住民票を移しましょう 総務省

(3)市区町村長・市区町村議会議員選挙の積極的要件

市区町村長・市区町村議会議員選挙の積極的要件は、日本国民で満18歳以上であることに加えて、「引き続き3カ月以上その市区町村に住所のある者」という条件が必要です。

知事・都道府県議会議員選挙では、同都道府県内という枠組みがあったものの、市議会議員及び市区町村長ではより狭い条件となっています。

ただし、同市町村であれば引っ越し後も選挙権を失うことはありません。

参考:選挙Q&A(投票) 東京都選挙管理委員会事務局

(4)消極的要件

積極的要件とは異なり、どの選挙でも消極的要件は同じです。

選挙権を失う消極的要件は以下の通りです。

  • 禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者

  • 禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く)

  • 公職にある間に犯した収賄罪により刑に処せられ、実刑期間経過後5年間(被選挙権は10年間)を経過しない者。または刑の執行猶予中の者

  • 選挙に関する犯罪で禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行猶予中の者

  • 公職選挙法等に定める選挙に関する犯罪により、選挙権、被選挙権が停止されている者

  • 政治資金規正法に定める犯罪により選挙権、 被選挙権が停止されている者

引用:選挙権と被選挙権 総務省

簡単にまとめると、収賄罪や選挙に関係する犯罪、禁固以上の重い犯罪などで刑に処せられた人物が消極的要件に当てはまることになります。

まとめ

今回は選挙権について解説しました。

仕事や育児でなかなか投票に行けない人も多いかもしれませんが、自分達の代表を決める大事な権利が選挙権です。

国の将来に影響を与える大切な1票であるということを念頭に置き、期日前投票や不在者投票などの制度を利用して、必ず投票するようにしましょう。