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政治ドットコム日本国憲法憲法第15条の条文をわかりやすく説明|公務員の定義や参政権

憲法第15条の条文をわかりやすく説明|公務員の定義や参政権

投稿日2023.2.28
最終更新日2023.02.28

憲法15条の条文

第15条〔請願権

  1. 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
  2. すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
  3. 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
  4. すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

引用:日本国憲法

憲法15条をわかりやすく説明

憲法15条は、公務員選定罷免権、公務員の本質、普通選挙の保障、秘密投票の保障について書かれています。

公務員の定義と参政権

公務員とは、国や地方自治体に勤務し、社会の土台作りを仕事とする人を呼びます。

一般的に公務員と聞くと、警察や公立の学校、市役所などで勤める人をイメージしますが、憲法15条で表記された公務員には、国会議員や地方自治体の首長、議員なども含まれています。

憲法15条第1項では、国民が公務員の選定や罷免(職をやめさせること)を行う権利を持つことを説明しています。
これを選定罷免権といいます。選定罷免権は参政権を保証するための権利の1つです。

しかし、現状ではすべての公務員の選定や罷免において国民が決定することはできません。

憲法では、国民が直接選定することができると決められているのは、国会議員や地方議会の議員、地方公共団体の首長で、警察官や学校の教師の選定などは行うことができません。
加えて、国民が直接罷免することができると決められているのは、最高裁判所裁判官のみです。

また、近年は外国人参政権についても議論が注目されています。
外国人参政権に関して詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

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憲法15条第2項では、公務員は皆、国民全体の利益のために奉仕すべきであって、国民のなかの一部の者(特定の政党や社会勢力など)の利益のために奉仕してはならないということを示しています。

普通選挙とは

憲法15条第3項では、普通選挙についての記載があります。
普通選挙とは、財産・納税額などにより選挙権を制限することなく、原則としてすべての成年者が選挙権を持つ選挙を指します。

普通選挙に関する法律である普通選挙法は1925年5月5日に公布され、選挙人資格から納税要件が撤廃され、満25歳以上の男子に選挙権が与えられました。
以前は財産・納税額によって選挙権が制限されていました。

秘密投票とは

憲法15条第4項では、秘密選挙についての記載があります。
秘密選挙とは、投票がどの選挙人によってされたかを秘密にする選挙を指します。

1947年に施行された日本国憲法の本条文で「投票の秘密」が憲法にて初めて保障されたが、日本では1900年(明治33年)の選挙法改正に伴い、以降の選挙では秘密投票が採用されていました。

反対に、誰がどの候補者に投票したかを明らかにする公開選挙では、選挙権を持つ人の買収や脅迫・強要などにつながる恐れがあり、公平性を保つことができないと考えられています。

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
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