建国記念日とは建国を記念する日であり、日本では、2月11日を「建国記念の日」と定め、国民の祝日としています。
この記事では、
- 建国記念日の概要
- 日本における「建国記念の日」の起源
- 制定されるまでの経緯
などについて詳しく説明していきます。
本記事がお役に立てば幸いです。
1、建国記念日とは
建国記念日とは、「建国を記念する日(祝日)」のことです。
建国記念日を祝日とする国は多くありますが、何をもって建国の日付とするかは、その国家により異なっています。
例えば、アメリカは1776年7月4日に大陸会議にて、アメリカ独立宣言が採択された「独立記念日」が建国記念日に当たります。
「独立記念日」に限らず、
- 「憲法記念日」
- 「革命記念日」
- 「統一記念日」
- 「政府樹立日」
などを建国記念日とする国もあります。
また、建国記念日にパレードが開催される国もあります。
例えば、フランスの建国記念日は7月14日で、この日には毎年シャンゼリゼ大通りで軍事パレードが行われ、夜にはエッフェル塔をバックに花火が打ち上げられるなど、一大イベントとして親しまれています。
日本で建国を祝う祝日は、「建国記念の日」と呼ばれています。
日本の「建国記念の日」の由来等について、以下で詳しく説明していきます。
2、日本の「建国記念の日」について
日本では、「初代天皇が即位したとされる日」を建国記念の日としています。
独立記念日や革命記念日を建国記念日とする諸外国と比べて、珍しい起源かもしれません。
日本では実際の建国日が明確ではないため、建国神話をもとに定められました。
日本神話において初代天皇とされる「神武天皇の即位日(紀元前660年1月1日)」を新暦に換算した日が、2月11日であたるため、この日を「建国記念の日」としています。
国民の祝日に関する法律(祝日法)第2条は、建国記念の日を以下のように規定しています。
「政令で定める日 建国をしのび、国を愛する心を養う。」
引用:国民の祝日に関する法律
この規定に基づき、佐藤内閣が「建国記念の日となる日を定める政令」(昭和41年政令第376号)を定め、「建国記念の日は、二月十一日」となりました。
日本でも2月11日には、建国奉祝のイベントが開催されています。
各地の神社仏閣(神道神社・仏教寺院)にて「建国祭」などの祭りが行われますので、是非近隣のイベントを調べてみてください。
3、いつ建国記念の日が定められたのか
「建国記念の日」は、1966年6月25日の祝日法改正により、国民の祝日に加えられました。
同年12月9日に公布・施行され、翌年2月11日から適用されました。
実は、明治時代にも神武天皇の即位日を祝う「紀元節」という祝日が存在していました。
当初は1月29日を神武天皇の即位日として祝日に定めていましたが、1874年に2月11日を紀元節として定めました。
天皇を中心とした統一国家の建設を進める明治政府にとって、起源節は重要な日であり、国民の間でも2月11日は、建国を祝う日として広く定着していたのです。
しかし、この紀元節は、1948年に廃止されます。
なぜ明治時代に定められた「紀元節」は廃止され、その後「建国記念の日」として復活することになったのでしょうか。
その沿革を以下で説明していきます。
4、紀元節から建国記念の日へ
戦後占領軍(GHQ)の意向によって、日本の文化から国家神道を排除し、政教分離を徹底しようとする過程で「紀元節」は1948年に廃止されました。
紀元節は、天皇を神聖視する国家神道を支えていると考えられたためです。
しかし、日本が独立を回復した1952年から「紀元節」の復活運動が起きました。
建国記念日の設置を定める法案は、9回にも渡る提出・廃案を経て1966年にようやく、「建国記念の日」として復活します。
建国記念の日を紀元節と同様の2月11日にするのか、それとも他の日にするのかに関しても議論があり、
- 日本国憲法が施行された5月3日(憲法記念日)
- サンフランシスコ講和条約を発効した4月28日
- 聖徳太子が十七条憲法を制定したとされる4月3日
などが建国記念日の候補として提案されていました。
その後、各界の有識者から組織される審議会の諮問のもと、2月11日となったのです。
まとめ
この記事では、日本の「建国記念の日」に関して、その内容や由来をご紹介しました。
建国記念の日には、日本の歴史について改めて調べてみるのもいいかもしれませんね。