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政治ドットコムインタビュー政治家インタビュー日本維新の会代表選企画 推薦人・岩谷良平議員に聞く!吉村洋文氏を推す理由

日本維新の会代表選企画 推薦人・岩谷良平議員に聞く!吉村洋文氏を推す理由

投稿日2024.11.28
最終更新日2024.11.28

日本維新の会代表選挙が11月17日に告示され、12月1日に投開票が行われます。

『政治ドットコム』では日本維新の会代表選挙2024において、候補者推薦人を通じて候補者の魅力や政策に込められた思いを深掘りするインタビュー記事を発信します。今回のインタビューでは、日本維新の会代表選挙への立候補を表明した吉村洋文氏の推薦人である岩谷良平衆議院議員に、吉村洋文氏の魅力やビジョンについてお伺いしました。

(取材日:2024年11月22日)

岩谷 良平(いわたに りょうへい) 衆議院議員
1980年生まれ。日本維新の会副幹事長•防衛部会長。2011年から大阪府議会議員を1期務めたあと、アメリカカフェチェーンの日本本部の社長を経て、2021年に衆議院議員選挙初当選。現在2期目。吉村洋文氏と「大阪維新都構想戦略チーム」の初代メンバーを務め、2025年大阪万博を発案した。

ずっと行動を共にしてきた盟友に代表になってほしい

ー岩谷議員は、吉村洋文氏の推薦人を務めています。まず、推薦人の役割について教えてください。

日本維新の会の代表選挙では、現職の議員または首長である「特別党員」50人が推薦人となることで初めて立候補が可能になります。投票は、特別党員も一般党員も一人一票となりますので、推薦人の主な役割は、候補者である吉村さんに代わって党員のみなさんに投票を呼びかけることにあります。

ー岩谷議員が吉村さんの推薦人となったのには、どのような背景があったのでしょうか。

私と吉村さんは2011年当選の同期なんです。吉村さんが大阪市議会議員、私が大阪府議会議員に初当選したころからずっと一緒に活動をし続けてきました。初当選直後から公務員制度や教育制度の改革条例を作るためのプロジェクトチームなど多くの場面で議論を交わし、一緒に政策を作ってきた間柄になります。

2015年の「大阪都構想」の是非を問う住民投票を実施する際も行動を共にしました。維新の都構想戦略チームのリーダーが吉村さん、私はそのメンバー。都構想についてもど真ん中で一緒にやってきました。2014年に吉村さんが大阪市議会議員から衆議院議員選挙に立候補した際も地元の選挙対策チームとして支えました。側で見てきて、根っからの改革派で誰よりも維新スピリットを持った吉村さんに代表になってほしいと思ってきたので、今回、代表選に立候補すると聞き、喜んで推薦人になりました。

ー長く吉村さんと一緒に活動されている岩谷議員ですが、吉村さんのお人柄についても教えてください。

吉村さん、意外とお茶目な面もありますよ。初めて衆議院議員選挙に出馬した際の話です。冬だったこともあり、吉村さんはなぜか真っ白なベンチコートを着て演説していた。そこで、私たちがベンチコートを着て選挙活動を行うのも変なので、緑のジャンパー着てきてくださいよ、と言ったんですよ。すると次の日には、白のベンチコートの上に緑のジャンパー着て現れて。どういうセンスしてるんやと。

政策面ではしっかりしているのに、それ以外は無頓着というか、仕事一筋という人ですね。

ー吉村さんの推薦人となっている方は、ほとんどが大阪の議員です。大阪以外での支持を広げていくことについてどのようにお考えですか。

実は大阪の議員に限らず吉村さんの推薦になりたいというお申し出はたくさんいただいています。ただ、推薦人は50人しかダメということで、どこかで線を引かなければならなかった。誰を推薦人にするかの線引きはなかなか判断が難しかったんですが、今回は吉村さんの方から基本的には2011年の当選同期組を推薦人にする、と言っていただいたので、大阪の議員が推薦人になっています。ただ選挙対策本部には、大阪以外の議員も多く集まってきて活動をともにしています。実態としては、吉村さんの支持が大阪に偏っているという状況ではないですね。

永田町から距離があること自体が吉村さんの強み

ー岩谷さんから吉村さんの強み、また他の候補者との違いについて教えてください。

吉村さんは大阪市長・大阪府知事を務めてきたので、強いリーダーシップを発揮する機会が多く、大胆な意思決定の経験があることが大きな強みだと思います。国会議員は国会で合議ばかりしていてなかなか決められませんが、首長には決断力がある。その経験に期待しています。

政策面での他の候補者との大きな違いは道州制をはっきり打ち出していることです。日本維新の会の源流である大阪維新の会は、もともと地方分権、統治機構改革を訴えて結成された地域政党です。その根本は、大阪では大阪都構想、全国では道州制を目指す点にあり、吉村さんが掲げる大きな3つの柱のうちのうちの1つに「道州制を実現する政党」とはっきり打ち出しているのは、大阪維新出身の吉村さんならではないかと思います。

ー吉村さんが日本維新の会の代表となることで、党はどのように変わると思いますか。

まずは世代交代の実現です。吉村さんはまだ40代。日本政界では若い人がリーダーになることが難しい現実がありますが、まだ40代の吉村さんが日本維新の会のリーダーになることは既成政党との差別化にもつながり、改革政党・維新とのメッセージにもなると思います。また今の日本維新の会は国民から永田町文化に染まってきているのではないか、そう見られていると感じます。吉村さんは大阪を拠点に首長を長く務めており、永田町の文化からは距離があります。政治家が料亭で会談し政策を決めていく「飲み食い政治」はこれからの時代にもう通用しない、とも明言しています。吉村さんが代表となることで、党内の改革が促され、日本維新の会は改革政党の立場をより磨くことができると思っています。

ー吉村さんの掲げた、「りんごの実をもぐのではなく、りんごの実がなる木が育つ『土』を耕す」とはどういう意味なのでしょうか。

「今の日本、皆さんにリンゴを与えることはできません。リンゴのなる木の土を耕し直します」。これは、2012年に作られた最初の維新八策の言葉です。「りんごの実がなる木が育つ『土』を耕す」というフレーズは、じつは私たちの原点なんです。

今の日本には課題が山積しています。その解決のためにそれぞれの分野が限られた予算の奪い合いをしている。つまりりんごの実をもぐことに夢中になっているわけです。そこで維新は、まずりんごの実がなる土を耕そう、つまり例えば財源を増やすために経済成長を目指そう、将来世代のための投資を増やそうと訴えています。そのために維新はあらゆる規制、制度を一から見直そうとしています。支援母体を持たず既得権とのしがらみがない維新だからこそ訴えることができる姿勢です。

ー吉村さんは「次世代のための政党」を掲げています。吉村さんが実現したい政策とはなんなのでしょうか。

まず手始めとして全国で所得制限なしの高校授業料の無償化を実現させること。これが吉村さんが初めの第一歩として掲げていることです。大阪府では来年度以降は私立高校も含めて保護者の所得制限なしで高校授業料が無償化されます。実は、これは6000億円程度の予算で全国でも実現できるんです。国がやろうと思えばすぐにでもできる。

社会保障においても現役世代に過度な負担を強いている現実を変えたいと考えています。今の高齢者世代からご批判を頂く改革かもしれません。ただ、だからこそ次世代のための改革政党たる維新がやらなければならないと思っています。

実際に維新は大阪市で、70歳以上の高齢者が地下鉄やバスに無料で乗れる敬老パスを廃止し、費用を徴収することにしました。小学生も料金を払っているのだから、高齢者も無料ではなく一部料金を負担してほしいと訴えたんです。正直、たくさんの反発もありました。しかしそれでも大阪で維新の会が支持をいただいてるのは、高齢者の方も含めて必要な改革だと納得していただいた裏返しだと思っています。

若者世帯の負担を減らすためにすべての世代で負担を分かち合わなければならないという現実を正直に話をして、説明を尽くして、理解を求める。そうすれば最終的に日本の高齢者のみなさんも理解して応援してくださるだろうと、吉村さんと私は考えています。

ー最後に、読者へのメッセージをお願いします。

吉村さんは、とにかく次の世代のための政治をやりたいんだと。その思いで政治をやってます。そのための手段としてたとえば大阪では、教育無償化を進めてきて、日本でも道州制や教育無償化、社会保障改革をやろうとしている。吉村さんの目指すすべてが、次の世代のための政治なんです。どれだけ批判を受けようとも、今を生きている大人の責任として、改革をやり遂げる。これが吉村さんの原点だと思います。

正直、吉村さんなら政治家辞めた方が収入も増えるだろうし、自由に暮らせる。今回の代表選挙の立候補にあたっても葛藤を抱えていたかもしれません。それでも歯を食いしばって、批判に耐えながらやってるのは、本当にすべて若い世代の皆さん、次の世代の皆さんのために今我々がやらなきゃいけないという強い思いがあるからです。その思いをぜひ信じて、一緒になって日本を変えるために行動し、そして応援していただければありがたいと思っています。

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
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