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政治ドットコムインタビュー政治家インタビュー政党職員の経験を活かして、これからも地に足ついた活動を。国民民主党・臼木秀剛議員が語るこれからのビジョン

政党職員の経験を活かして、これからも地に足ついた活動を。国民民主党・臼木秀剛議員が語るこれからのビジョン

投稿日2025.1.10
最終更新日2025.01.10

第50回衆議院選挙が2024年10月27日に投開票され、99名の新人議員が誕生しました。『政治ドットコム』では、初当選を果たした国会議員の方々にインタビューし、政治家を志したきっかけや実現したい政策などを深掘りし、政治家の方々をより身近に感じられる記事を配信していきます。

今回のインタビューでは、国民民主党公認候補として立候補し、初当選を果たした臼木秀剛議員に、政治家を志した原点や今後注力したい政策、国民民主党の政党職員であった経歴をどのように活かしていきたいかお伺いしました。

(取材日:2024年12月19日)
(文責:株式会社PoliPoli 秋圭史)

臼木秀剛議員インタビュー

臼木秀剛(うすき ひでたけ)議員
1981年生まれ。信州大学卒業後、新潟大学大学院実務法学研究科修了(法務博士)。
衆議院議員政策担当秘書、国民民主党職員を経て、2024年初当選。

サポーターからプレイヤーに。党を応援したいという思いから自身も議員の道へ

ーハローワークを見て議員秘書に応募したのが政治の世界への入り口だと拝見しました。もともと政治に関心があったのですか。

もともとの関心は法律でした。大学の学部も法律系を選び、ロースクールに入ったのですが、私が大学院生の頃は、裁判員裁判の導入や法曹人口の拡大など、いわゆる司法制度改革と呼ばれるものが実行に移されていく時期でした。そのような社会変化を見て、当時は弁護士になってみたいなと思っていました。

ただ、司法試験のハードルや年齢的なところも踏まえてどうしようかと考えているときに、議員秘書募集の求人を見つけ、応募した次第です。政治は法律を作る場所と理解していたので、自分がこれまで学んできたことが活かせる仕事なのではないかとも感じていました。

ー今回急に出馬が決まったということも耳にしましたが、国民民主党からの出馬に至った経緯や想いについて聞かせてください。

元来、旧国民民主党の時代から、玉木雄一郎議員や伊藤孝恵議員たちとは面識があり、みなさんの政治活動や政策にシンパシーを感じていたので、この国民民主党という党はもっと大きくなってほしいという思いがありました。2021年の衆議院選挙ではあまり候補者が立てられずに議席が増やせなかったという事情を知り「もし、人が足りないなら自分も」という思いで、2022年の参院選の候補者公募に応募したのが一番のきっかけです。

残念ながらその選挙では落選してしまったのですが、ご縁があり党職員として、政治活動を支援するに至りました。そして、2024年の衆議院選挙で改めて機会をいただけたという経緯です。

臼木秀剛議員インタビュー

ー玉木議員や伊藤孝恵議員の政治活動のどのような点にシンパシーを覚えたのでしょうか。

具体的な政策を提案し、今目の前で起きていることをちゃんと変えていこうという姿勢やモチベーションにあふれている様子を目の当たりにしていました。「政治って本当はこうやっていろんなチャレンジをしていくことが大切なのだな」と、ワクワクしたのを覚えています。

コロナ渦で各党の提言を見ているときに一層それを感じました。必ずしも科学的なデータや知見に基づかない政策案や、現場の声が本当に聞けているのか疑わしくなるようなもの、あるいは単発で先のことを見据えていない内容の提言が乱立する中で、国民民主党は科学的知見やデータなどの客観的論拠に基づき、かつ世界情勢や先のことを見据えた政策を打ち出してると捉えていました。

そのような政策立案や議論の様子を身近に見ていて、「絶対国民民主党は大切だし、伸びていかなきゃいけない」「この党を応援したい」という思いがありました。

ー「政策本位」が国民民主党のキーワードだと思いますが、この党文化はどのように作られてきたのでしょうか。

いわゆる普通の社会で、普通に働いてきた人たちが集まってきている。あるいは、そうした国民の感覚に常に触れているということだと思います。

労働組合から応援いただいているので、組合に加入されている民間企業で働く方々と常に意見を交わしています。組合には大手企業から中小企業まで、そして、正規雇用の方だけでなく、パートやアルバイトの方も組合に参加しています。

この日頃からの活動が、生活者目線で地に足の着いた政治活動、政策提言につながっている。かつ、それが党の文化として育っていると考えています。

「安心して暮らせる社会」のために ~党職員の経験を活かして組織基盤を強化する~

ー今後、議員としてどのような活動に力を入れたいと考えていますか。

初当選議員の中でも様々な経験やスキルを持った方々がいますが、党職員として、この国民民主党のことを知っている議員は私だけです。まずはそうした切り口から貢献していきたいです。

国土交通や農林水産、経済産業委員会などの政策委員会も非常に多くの課題があり、ぜひ貢献したいと思っていますが、現在は、自分の経験も活かして国会対策や政治倫理の分野をお任せいただいています。これはやはり党から「臼木なら任せられる」という期待をしていただいているのだと思います。

産業政策についても、直接、委員会には参加していませんが、省庁や自治体の方々から話を聞いたり、組合の方から課題を聞く、現地視察させていただくなど、多面的に活動を続けています。

ー今回の選挙で国民民主党の存在感が増していますが、今後党としてはどのように成長させていきたいですか。

先のお話とも重複しますが、「政策本位」が国民民主党の本質であり、今回の選挙結果はそれを有権者の皆様に理解いただけた結果だと思っています。ですので「議席が増えたから…」ということではなく、この本質を、引き続き突き詰めていくことが大切です。

ただ、仲間が増えて、みなさんの声をより多く聞いて取り入れていくことができる反面で、党内での価値観のすり合わせなどは丁寧に議論していく必要性が増してくると考えています。

「キャスティングボートを握る」などと言っていただきますが、今回は数のいたずらでたまたまそうなっただけであり、まだまだ全議席の中でわずかなパーセンテージである政党には変わりないので、地方議員も含めてしっかり候補者を確保しながら、地に足の着いた活動を継続していくことが大事です。

臼木秀剛議員インタビュー

ー最後に今後の展望についてお伺いします。政策の実現を通じて、日本をどのような国にしていきたいですか。

抽象的ですが「どういう環境に生まれても、どこで生まれても、安心してその地域で暮らしていける。」そんな社会が理想だなと思っています。頑張りたい人はもっと頑張れる環境を作り、みんなの支えが必要な人には必要な支援を行っていく。それが当たり前の社会を目指したいです。

私自身が、就職氷河期、最後の世代ということもあり、働きたいところで働けない、頑張って働いても給料も上がらない、だから家族も持てない、子供を授かることが難しい、といった状況を肌身で感じてきました。

よく「失われた世代」「ロストジェネレーション」という言い方をしますが、これは「失われた」のではなく、政治・政策のミスによって「失わせてしまった」ということだと思っています。

こうしたミスを繰り返さないためにも、社会の実情を捉えた「政策本位」の提案を継続していきたいです。そのために、まずは「103万円の壁」をはじめとする税や社会保障制度の部分から変えていく。労働者であることが現代社会のスタンダードであると捉えたときに、彼らの私生活が安定して子どもを持ったり余暇を楽しんだりできることをベースにしつつ、お互いの暮らしをどう支え合っていくのかという政策をきちんと作り上げていく必要があります。

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
株式会社PoliPoliが運営する「政治をもっと身近に。」を理念とするWebメディアです。 社内編集チーム・ライター、外部のプロの編集者による豊富な知見や取材に基づき、生活に関わる政策テーマ、政治家や企業の独自インタビューを発信しています。