土壌汚染とは、人の活動によって排出された有害な物質が土に蓄積されている状態のことです。
汚染されてもはっきりとした変化が少ないこともあるため、人が気づかないうちに土壌汚染が進行してしまう場合もあります。また、人の健康や生活環境、生態系へも悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで今回は以下について解説します。
- 土壌汚染とは
- 土壌汚染がもたらす悪影響
- 土壌汚染対策法とは
本記事がお役に立てば幸いです。
1、土壌汚染とは?
土壌汚染とは、人の活動によって排出された有害な物質が土に蓄積されている状態のことです。
具体的には
- 第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)
- 第二種特定有害物質(重金属など)
- 第三種特定有害物質(農薬等)
などの「特定有害物質」が「自然環境や人の健康・生活に害を及ぼすほど土壌に含まれている状態」を指します。
土壌汚染が起きる原因として、
- 工場や排水施設における有害物質の漏れ
- 廃棄物の埋め立て
などがあります。
使用中の有害な物質を地面にこぼしてしまったり、有害な物質を含む排水が漏れたりしてしまうと、土の中に入って土壌汚染が発生してしまいます。
一方で、そういった施設がない土地においても、自然発生的な汚染が数多く存在するのが土壌汚染の恐ろしいところです。
また、土壌汚染の要因となる有害な物質は、水中や大気中と比べて移動しにくいため、土の中に長期間留まりやすい性質があります。
そのため、土壌汚染には以下のような特徴があります。
- 汚染されていることに気づきにくい(目に見えない)
- いったん土が汚染されると、排出をやめても長い間汚染が続く
- 人の健康や生態系などに対して、長期間にわたり悪影響を及ぼす
- 汚染の範囲は、水や大気の汚染と比べて局所的
2、土壌汚染がもたらす悪影響
ここでは、具体的にどのような悪影響があるのか紹介します。
(1)人体への悪影響
第一に、土壌汚染は人の健康にとって悪影響があります。
汚染された土は
- 直接肌に触れる
- 口に入る
などの直接的な接触だけではなく
- 有害な物質が溶け出した地下水を飲む
- 汚染された土と関わる農畜産物を食べる
といった様々なルートを経て人体に入る危険性があるのです。
また、悪臭などによる生活環境への影響も考えられます。
(2)地球環境への悪影響
土壌汚染の地球環境における悪影響としては
- 農産物や飼料用植物の生育阻害
- 生態系への悪影響(野生動物への健康被害など)
といったことが考えられます。
土壌汚染は汚染が起きた地域だけではなく、隣接する地域などを巻き込む可能性もあり、広範囲に渡る生態系への悪影響が恐ろしいところです。
3、土壌汚染対策法とは
土壌汚染対策法とは、土壌汚染の現状を把握して、人への健康被害の対策を実施することを目的とした法律です。
1970年の段階で、農用地の汚染に伴い制定された「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」が存在しました。
しかし、当時は市街地の土壌汚染について
- 汚染の原因
- 経路
- 影響
などのメカニズムがあまり明らかになっていませんでした。
近年、事業者や地方自治体による調査が進んだことで、土壌汚染の実態が明らかになってきました。
そして2002年5月に「土壌汚染対策法」が制定されたのです。
(1)土壌汚染対策法における調査
土壌汚染対策法では土地所有者は、以下のようなときに汚染状況を調査しなければならないと定めています。
- 有害物質を取り扱っていた工場を廃止する場合
- 土壌汚染の恐れが高く人の健康へ被害を及ぼす可能性がある土地を持っている場合
また、調査によって
- 土に含まれている有害物質の量
- 有害物質の溶け出す量
などが基準値を超えていることが判明した場合は、自治体がそのエリアを「指定地域」に指定します。
さらに、その情報は台帳に記載されて市民に公開されます。
(2)指定区域における対策
指定区域では、汚染原因者または土地所有者が、汚染された土に対して何らかの対策をとらなければなりません。
新たな汚染が広がらないような対策、管理も求められます。
実際に、土壌汚染対策法の施行後及び改正後は、土壌汚染の調査が増加しました。
そして
- 土壌汚染に関する調査
- 原因となっている問題箇所の早期発見
が実現するようになり、少しずつ土壌汚染対策が進んでいます。
参考:土壌汚染対策法
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まとめ
今回は土壌汚染についてご紹介しました。
土壌汚染対策法により、都道府県等の土壌汚染の調査件数は年々増加しており、汚染状況の把握が進んでいます。
土は一度汚染されてしまうと、元の状態に戻すためには長い時間がかかります。
地球で生きていく上で向き合わなければならない環境問題の一つである土壌汚染についても、今一度考えてみてはいかがでしょうか。