政治ドットコムニュース持続可能な開発とは?持続可能な開発目標(SDGs)や問題点も簡単解説

持続可能な開発とは?持続可能な開発目標(SDGs)や問題点も簡単解説

投稿日2020.6.24
最終更新日2020.06.24

持続可能な開発とは、地球環境を保全しつつ今後も長期的に行えるような開発(資源の採集や工業の発展)のことです。

また、「持続可能な開発目標」とは、“Sustainable Development Goals”(通称、SDGs)と呼ばれる世界共通の目標です。

SDGsの中には、

  • 貧困
  • 健康
  • 環境

など17の目標があり、2030年までに全人類で達成したいゴールがまとめられています。
今回は、グローバルスタンダートとして注目を集める、

  • 持続可能な開発
  • 持続可能な開発目標(SDGs)

についてご紹介します。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、持続可能な開発とは


持続可能な開発は、英語名では“Sustainable Development ”です。
また持続可能な開発目標はSDGs(エス・ディー・ジーズ)と呼ばれます。
“Sustainable”には使い続ける・継続するなどの意味があり、それきりではない継続して取り組めるよう環境に配慮した開発を行うということです。

(1)目的

持続可能な開発の目的には「地球上の誰一人取り残さない(leave no one behind)」というSDGsの考えが根底にあり、先進国でも発展途上国でも同じように目標に取り組むことが求められています。

持続可能な開発の目的には、さらに「5つのP」という具体的なゴールが掲げられ、

  • People(人)
  • Planet(地球)
  • Prosperity(豊かさ)
  • Peace(平和)
  • Partnership(パートナーシップ)

に分けられています。

簡単に言えばこの5つのPを大切にしていきましょうということです。
そもそもこのようなスローガンやそれに関連する目標が設定されたのは、現状が維持されることにより、

  • 「経済格差の広がり」
  • 「資源の枯渇及び環境破壊」

が悪化すると考えられているからです。

先進国では他国に負けてしまわないように、更なる経済発展を目指します。
そのような状況下で地球環境や途上国の人々が犠牲になるようなことがないようにしましょうということです。

(2)SDGsの初出|日本での反応

持続可能な開発目標は、2000年に決められた「ミレニアム開発目標(MDGs)」の達成期限が切れたために制定された2030年までの新たな目標です。

  • 2000年 ミレニアム開発目標(国連ミレニアム・サミット)
  • 2015年 持続可能な開発目標(国連持続可能な開発サミット)

上記のように15年が経過し国連で新たな開発目標が決められました。
2015年に掲げられた持続可能な開発目標に対する、日本政府・企業のそれぞれのアクションや個人に推奨された行為を見てみましょう。

  • 国(政府):2016年に総理大臣を本部長とする「SDGs推進本部」を設置。同年、取り組みの基盤となる「SDGs実施指針」を決定し、2019年、今後の10年の取り組みを決めた「SDGs アクションプラン2020」を発表する。
  • 企業:電気のない無電化地域へのソーラーランタンの開発・寄贈(パナソニック株式会社)、所属芸人を起用したSDGsの普及活動(吉本興業)、小型荷物を自転車で配送するエコ配の実施(ヤフー株式会社)など
  • 個人:エコバッグの持参、食べ物を捨てない・残さない、ゴミを減らす、公共交通機関を使う、差別をしない、差別に声を挙げる、SDGsに関わる活動をする団体に寄付をする、SDGsに関する情報をSNSでシェアするなど

2、持続可能な開発目標(SDGs)とは

持続可能な開発目標(SDGs)には17の目標があります。
具体的に見てみましょう。

目標1 あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

目標2 飢餓をゼロに

目標3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

目標4 すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

目標5 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

目標6 すべての人々に水と衛生へのアクセスを確保する

目標7 手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

目標8 すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワークを推進する

目標9 レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る

目標10 国内および国家間の不平等を是正する

目標11 都市を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする

目標12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する

目標13 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

目標14 海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

目標15 森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

目標16 公正、平和かつ包摂的な社会を推進する

目標17 持続可能な開発に向けてグローバル・パートナーシップを活性化する

引用:SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは? 国際連合広報センター

以上のような目標を掲げています。こうして見ると

  • 「貧困の撲滅」
  • 「地球環境の保全」

などを志していることがおわかりになると思われます。

3、日本における持続可能な開発


日本では持続可能な開発のために具体的にどのような取り組みが行われているか、詳しく見ていきましょう。

(1)環境基本法

持続可能な開発目標と関係の深い法律に「環境基本法」があります。
この法律はSDGsが決まる前の1993年に制定され、環境保護を目的に定められました。

環境基本法の基本理念

  • 現在及び将来の世代の人間が環境の恵沢を教授し、将来に継承

  • 全ての者の公平な役割分担の下、環境への負担の少ない持続的発展が可能な社会の構築

  • 国際的協調による積極的な地球環境保全の推進

出典:環境基本法の概要 環境省

1993年に作られた法律ですが、すでに「持続的発展」、「国際的協調」などSDGsに繋がる理念が掲げられていることがわかります。

この環境基本法により、日本では

  • 大気汚染
  • 水質汚染

このような公害への対応にいち早く取り組んできました。

(2)循環型社会

持続可能な開発に関係のある法律には「循環型社会形成推進基本法」も欠かせません。
2000年に制定された法律で、主に資源の再利用(リサイクル)について定められています。

循環型社会とは、循環型社会形成推進基本法に基づいて作られる社会のことで、廃棄物のうち再利用可能なものを循環型資源と名づけ、ゴミの廃棄と再利用に対して

  • 地方公共団体
  • 事業者
  • 国民

のそれぞれが責任を負います。

(3)日本政府の取り組み|SDGsアクションプラン2020

1993年の環境基本法、2000年の循環型社会形成推進基本法など、持続可能な開発を法律面から先取りしていた日本ですが、最近の取り組みには「SDGsアクションプラン2020」があります。

「SDGsアクションプラン2020」とは、2015年に決められた持続可能な開発目標を残りの10年でどのように達成していくのかをまとめたプランで、2030年までの10年を「行動の10年」とします。

  • ビジネスとイノベーション
  • SDGsを原動力とした地方創生
  • SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント

を3つの柱として、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会をきっかけに日本のSDGsに対する取り組みを世界にアピールする狙いがあります。

参考:SDGsアクションプラン2020 外務省

4、持続可能な社会のための世界の取り組み

海外ではどのような対応がなされているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

(1)環境保全

SDGsを掲げるだけではなく、環境保全のためにプラスチックの規制が世界的に広まっています。
プラスチックによる海洋汚染は深刻で、プラスチック製のレジ袋や使い捨てプラスチックからの脱却が進められています。

(2)貿易の制限

2019年に開かれたバーゼル条約締約国会議では、リサイクルできない汚れたプラスチックの輸出を法的に制限することが決められました。

「汚れたプラスチックをなぜ輸出するの?」と感じる人もいるかもしれませんが、ゴミを自国では捨てきれない先進国が東南アジアへゴミを捨てている現状があり、特に途上国での環境汚染が問題になっています。

プラスチックゴミの輸出先となっている東南アジア諸国は輸入制限を実施し、90万トンものゴミを輸出している日本の対応も求められています。

参考:2019年の日本の廃プラ輸出量は90万トン 日本貿易振興機構

(3)排出ガス規制

自動車から出る排気ガスは地球温暖化や大気汚染の原因になるため、各国で自動車排出ガス規制が実施されています。
日本では基準を超える車の登録を規制する単体規制や車の数を制限するマイカー規制、ディーゼル車規制などがありますよね。

ヨーロッパでは走行1kmあたりのCO2排出量を95g以下に抑える2021年の燃費規制の厳密化が決まり、日本車メーカーの対応が急務とされています。

5、持続可能な開発という理念の問題点


しかしながらこの理念には反発を呼びかねない問題点も存在しています。

(1)経済活動の制限

持続可能な開発には環境に配慮した項目が多いため、それらの全てを達成しようとすると高いコストがかかります。
企業がSDGsに取り組む場合、本来の経済活動に制限がかかることもあり、利益と環境保全を両立することが理想とされますが、資金がない企業には難しい問題でもあります。

(2)南北問題

(1)で説明したようにSDGsが掲げる目標にはコストがかかる項目もあります。
ここで問題になってくるのは先進国と途上国の格差です。
これは「南北問題」とも呼ばれる地域差のことで、北に裕福な国が集まっていることからこのように呼ばれています。

戦時中北にある国が南の国々を植民地化していたことにより、発展が遅れ、それがそのまま現在も続いてしまっています。
そういった今まさに成長期にある国々からすれば、環境保全を意識して自国の発展を第一に考えた急進的な開発を控えましょう、と言われても理不尽な話になります。

SDGsは全人類で取り組むべき目標ですが、先進国の人々は同時に途上国の現状を知り、途上国の人々もSDGsに取り組めるように促していく責任があります。

まとめ

今回は「持続可能な開発目標(SDGs)」について解説しました。
エコバッグの持参や電力の節約など、私たちが個人で実践できる項目は多くあります。

国際連合広報センターが発表した「持続可能な社会のためにナマケモノにもできるアクション・ガイド」には自宅に居ながら今すぐにできるSDGsアクションが紹介されているので、

できることから始めてみてください。