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国会議員になるにはどうしたらいい?当選までの流れ

投稿日2020.3.28
最終更新日2020.09.08

皆さんの中に、国会議員になりたいと一度は思ったことのある方はいませんか?
国会議員とは国会において予算案や法律案を審議して議決を行う議員のことです。

国会議員になりたい、と思ったら一体何をすればいいのでしょうか?
選挙に出れば良いということはわかりますが、そもそも出馬するにはどこで何をしたらいいのでしょう?

また、選挙に出る際に費用はかかるのでしょうか?かかるとしたらいくらぐらいの費用がかかるのでしょうか?予算についても気になるところだと思います。

そこで本記事では、「国会議員になりたい」と思ったことのある方のために、

  • 国会議員とはなにか
  • 国会議員になるにはどうすれば良いのか
  • 国会議員になったあとは何をするのか
  • 国会議員の待遇

などについてご紹介します。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、国会議員とは?


まず、国会議員になるにはどうすればよいのかを説明する前に、「国会議員とは何か・どのような仕事をしているのか」について簡単に説明します。

国会議員とは、国会における話し合いなどで、決定権(議席)をもつ人のことで、主な仕事としては

  • 法律案を作ること
  • 法律案を審議すること
  • 法律を制定すること
  • 予算の決定
  • 条約締結の承認

などがあります。

国会は年に1回、1月から始まる150日間の通常国会と、必要に応じて開かれる臨時国会があり、国会議員は国会会期中にこうした仕事をこなしています。

また国会議員は日本国民の中から選挙によって選ばれ、憲法第43条には、国会は「全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」とあります。

そのため国会議員になるには選挙に出て当選する必要があるのです。
次章から、実際の立候補から当選に至るまでの流れをご紹介します。

2、国会議員になる方法・流れ

国会議員になるには以下のような流れがあります。

  • 立候補する
  • 選挙運動をする
  • 当選する(国会議員となる)

流れとしてはとてもシンプルだということがおわかりいただけるのではないでしょうか。
それでは、これらの各流れについて細かく説明します。

(1)立候補する

国会議員になるためには、国政選挙に立候補して当選しなければなりません。
立候補までの流れは以下の通りです。

①立候補する資格があることを確認

国政選挙は、誰でも立候補できるというわけではありません。
国政選挙に立候補して国会議員になるには、

  • 日本国民であること
  • 年齢要件を満たしていること

の2つの条件を満たしている必要があります。
また、国会には衆議院と参議院がありますが、両院の議員にはそれぞれ立候補の資格となる年齢に違いがあります。

衆議院議員 満25歳以上
参議院議員 満30歳以上

この年齢以上であれば、日本国民は誰でも立候補ができます。

ただし、上記の2つの条件を満たしていたとしても、

  • 刑事罰の執行中であること
  • 公職選挙法違反で被選挙権が停止されている

などに該当する場合は立候補できません。

②選挙区を決める

国政選挙は、人口割合や行政区などによって各ブロックに区割りがされます。
これを選挙区といって、各選挙区から1~6人が選ばれます。

意外と知らない人が多いのですが、国政選挙では候補者の住民票がどこにあるのかは関係なくどの選挙区からでも立候補できます。

③供託金を預ける

国政選挙に立候補するときには供託金が必要です。
供託金とは、選挙に立候補するときに一時的に預けるお金のことです。

誰でも彼でも軽い気持ちで立候補されることを防ぐのを目的とした制度であり、預けられた供託金は選挙が終わった後に戻ってきますが、定められた得票数に達しなかった場合は没収されてしまいます。

供託金制度の内容は選挙の種類によって、以下の表の様な違いがありますので是非参考にして下さい。

選挙の種類 供託額 供託物が没収される得票数、またはその没収額
衆議院小選挙区 300万円 有効投票数×1/10未満
衆議院比例代表 候補者1名につき600万円 没収額=供託額-(300万円×重複立候補者のうち小選挙区の当選者数+600万円×比例代表の当選者数×2)
参議院選挙区 300万円 有効投票数÷その選挙区の議員定数×1/8未満
参議院比例代表 候補者1名につき600万円 没収額=供託額-600万円×比例代表の当選者数×2

※候補者が重複立候補者である場合は、比例代表の供託額は300万円となります。

④届出を出す

選挙期日の1~2ヶ月前に、立候補予定者説明会が開かれ、

  • 選挙運動の期間
  • 細かなルール
  • 立候補に必要な手続き
  • 必要書類

などについての指導を受けます。
届出をする書類には、

  • 候補者届出書
  • 供託証明書
  • 宣誓書
  • 戸籍謄(抄)本又は全部(一部)事項証明書

が必須です。
その他にも、所属する政党に関わるもの、選挙運動に関わるものなど、必要に応じて提出すべき書類がたくさんあります。

立候補の届出には

  • 本人届出
  • 推薦届出
  • 政党届出

の3つがあり、それぞれ下記の表のようなの特徴があります。

本人届出 立候補する本人による届出
推薦届出 選挙人名簿に登録されている人が誰かを推薦して行う届出
政党届出 政党、政治団体による届出

届出の受付は、公示・告示日の1日しかありません。
そのため書類に不備がないように、事前に選挙管理委員会に確認してもらうのが一般的です。

届出が受理された瞬間から、選挙運動が始められます。

(2)選挙運動する

選挙運動については、まったく制限を設けずに自由にしてしまうと、立候補する人の経済力や人脈などによって格差が生まれてしまいます。

公平性を期するために、選挙運動は公職選挙法により様々なルールがあります。
詳しく見ていきましょう。

①選挙運動の期間

選挙運動が許される期間は決められており、届出が受理された瞬間から選挙日前日までです。
投票日当日の選挙運動は禁止されています。

②演説等で選挙運動をする場合

選挙運動には大きく分けて印刷物などによるものと、演説など言論によるものがあります。
言論の具体的なものには

  • 個人演説会
  • 街頭演説
  • 選挙カーでの名前の連呼
  • 政見放送
  • 経歴の放送
  • 電話で投票のお願いをすること

などがあります。
ただし、直接有権者の家に出向く戸別訪問や、お茶とお茶菓子を除く飲食物の提供は禁止されています。

③印刷物等で選挙運動する場合

印刷物による選挙運動には次のようなものがあります。

  • はがき
  • ビラ
  • ポスター
  • パンフレット
  • 新聞広告
  • 立札、看板
  • たすき、腕章、胸章など
  • 選挙公報

各印刷物は、大きさや数量、使い方など、ルールが細かく決められています。

例えば、選挙ポスターなどであれば内容に関しては自由で制限がなく、規格(サイズ)は「42cm × 30cm(A3用紙)」以内であれば問題ありません。(場合によっては規格が異なるものもあります。)

④インターネットに等で選挙運動をする場合

平成25年4月から、インターネットを使った選挙運動ができるようになりました。

  • 立候補者
  • 政党
  • 有権者

などの人々はホームページやブログ、SNSなどで政策を訴えることができます。
ただし、インターネットの選挙運動には以下のような禁止事項があるので注意が必要です。

  • 有権者が電子メールで投票をお願いする行為
  • 満18歳未満の選挙運動
  • ネットやメールのページを印刷して配ること
  • 公示・告示日から投票日前日までの期間外の選挙運動
  • その他

これら以外にも選挙運動には細かな制限がさまざまにあり、選挙運動期間には政党による選挙活動にも制限がかかるのです。

公職選挙法に違反すると、場合によっては当選が無効となるので、選挙運動に関して事前に細かく選挙管理委員会に確認しておく必要があります。

(3)当選する

開票結果から、得票数の多い順番に当選となっていきますが、選挙の種類によって当選の仕方が異なります。

①衆議院比例代表選挙の場合

まず選挙区ごとに各政党の得票数に比例して当選人の数が決定されます。
続いて各政党、候補者名簿の「当選人となるべき順位」として記載されている順番に当選人が確定します。

②参議院比例代表選挙の場合

各政党の総得票数に比例して当選人の数が決まり、政党の候補者の得票数の多い順に当選人が確定します。

③比例代表以外の選挙の場合

得票数の多かった候補者から順番に当選します。

④繰り上げ当選となる場合

繰り上げ当選の主なパターンは以下の表の通りです。

衆議院議員小選挙区 当選人と同数の得票数で、くじで落選した候補者がいる場合に限り繰り上げ当選
参議院議員選挙区 選挙日から3ヶ月以内に欠員(死亡や辞職)が生じた場合、次点候補者が繰り上げ当選
衆議院議員比例代表 比例代表選挙の候補者の次点が繰り上げ当選。衆議院議員選挙と重複立候補している場合は、供託金が没収されていないことが条件

当選者が死亡したり辞職したりした場合、次点の候補者が繰り上げ当選となることがあります。

3、国会議員の待遇


国会議員の仕事については既に取り上げさせて頂いたので、国会議員にはどの様な待遇があるのかについてご紹介します

(1)国会議員の年収

国会議員の報酬は、月額約129万円です。
さらにボーナスがあり、夏に約260万円、冬に約290万円が支給され、年収に換算すると約2100万円となります。

金額に衆議院議員、参議院議員とで違いはありません。
また報酬とは別に文書通信交通滞在費が月100万円、政党に所属している議員には政党交付金などの支給もあります。

ただし、これらは議員のお給料ではなく経費として支出されるお金です。
国会議員は大変多忙で責任の重い職業なので、秘書や事務所スタッフを何人も雇わなければならず、多額の費用がかかります。

国会議員への支給額は高額というイメージがありますが、その分出ていくお金も大きいのです。

(2)国会議員の特権

国会議員は憲法によって3つの特権が保障されています。
それは、不逮捕特権(第50条)、発言の免責特権(第51条)、そして歳費特権(第49条)です。

不逮捕特権 国会会期中は特別の事情がない限り逮捕されない
発言の免責特権 議院で行った演説、討論、表決について議院の外で責任を問われないというもの
歳費特権 議員活動に必要な経費が国から支給される

不逮捕特権とは、国会会期中は特別の事情がない限り逮捕されないという特権です。
発言の免責特権とは、議院で行った演説、討論、表決について院外(議院の外)で責任を問われないというものです。

「院外で責任を問われないとはどういうこと?」と疑問に思った方がいるかもしれませんが、これは「院内で行った発言に対して、一般の国民であれば受けるであろう刑事上の処分や民事上の損害請求を受けない」というものです。

この特権は、あくまでも院内での発言に対しての特権であるため、院外で行った発言に対してはこの特権は無効です。

歳費特権は「国会議員の年収」の項でも触れたように、議員活動に必要な経費が国から支給されるというものです。

その他にも、JRに無料で乗れたり航空券引換証が支給されたり、議員宿舎が格安で借りられたりするなどの優遇制度もあります。

これら特権・優遇制度は、国会議員が資金面で政治活動に困窮し、企業との不正な癒着が起きるのを防ぐ目的があります。

4、国会議員を続ける方法

国会議員には当然任期がありますが、任期後も国会議員を続けるにはどうすればよいのでしょう。

(1) 衆議院の解散

衆議院議員の任期は4年ですが、任期満了前に解散となることがあります。
衆議院が解散となるのは下記の通りです。

  • 内閣不信任決議案が可決されたとき
  • 内閣信任決議案が否決されたとき
  • 内閣が解散を決めたとき

対して参議院には解散がありません。

参議院議員は6年の任期を全うします。
国会の運営において、参議院よりも衆議院が優位とされていることをご存知でしょうか?

これを衆議院の優越といい、その理由は

  • 任期が短いこと
  • この解散によってより国民の声を正確に反映させられる

と考えられているためです。

(2)再当選

衆議院議員は任期4年の満了、または解散で、参議院議員は任期6年の満了で国会議員ではなくなります。

国会議員を続けるためには、次の選挙で再当選しなければなりません。

そうして再当選を繰り返すと2期目、3期目と期数を重ねていくことになります。

5、国会議員になるために知っておくと良いこと


国会議員になるためにはいくら費用がかかり、どれくらいの時間が必要なのでしょうか。

(1)準備に必要な時間

支持基盤や政党からの公認があるかどうかによって大きく変わりますが、選挙期日までに6ヶ月間は必要という意見があります。

ただし、衆議院の場合は内閣の解散権行使による総選挙が多いので、事前に数ヶ月間の準備できるのは参議院選挙といえます。

特に地方においてがそうですが、国会議員の選挙区は市区町村議会選挙と比べてずっと地理的範囲が広いので、支援を集めるのに大変な時間と労力を要します。

(2)選挙にかかる費用

国会議員になるために最も大きな費用となるのが選挙です。

平成30年に公表された「衆議院小選挙区選出議員選挙における公職の候補者の選挙運動に関する収支報告書の要旨」によれば、衆議院小選挙区の選挙にかかる費用は、数百万円から1000万円となっています。

供託金を合わせれば2000万円近くになる候補者もいるようです。

まとめ

国会議員の仕事は私たちの生活に直結する重要な役割を担っています。

政治家になることは、なにか特別な資格や学歴という観点から見て良い大学にいたこと、などの条件がいるものではなく、日本国民なら誰にでもなれる職業で権威あるものです。

本記事が国会議員を志す方のお役に立てば幸いです。