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衆議院と参議院の違いってなに?5つの違いを簡単解説

投稿日2020.3.1
最終更新日2020.06.03

「衆議院で予算が可決され参議院での審議に入ります」というニュアンスの報道を見聞きしたことがあると思います。
国会では衆議院と参議院が

  • 法律の審議や
  • 予算の審議

を行って、国のルールである法律をつくり、政府が行う事業の決定及びその予算の確定を行います。

それでは、衆議院と参議院にはどんな役割があり、どう違うのでしょうか。
よく知る機会も少ないので、気になる方もいらっしゃると思います。

そこで今回は

  • 衆議院と参議院の役割と違い
  • 選挙制度の違い

についてわかりやすくご紹介致します。本記事がお役に立てば幸いです。

1、国会とは

衆議院と参議院は国会を構成する2つの議会をさします。
それでは、そもそも国会とはどんなことをする所なのでしょうか。

  • 日本国憲法に定められた三権分立
  • 国会の占める役割
  • 2つの議会をもつ二院制という制度

について解説していきます。

三権分立

まず三権分立とは、日本国憲法によって、主権者である国民が、

  • 国会(立法)
  • 内閣(行政)
  • 裁判所(司法)

の三つの独立した機関に国の権力を分ける仕組みのことをいいます。

相互を抑制しあい、バランスを保つことで、権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障する機能を持っています。民主主義の基盤となる考え方です。

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国会は立法機関として、憲法に基づく国のルールである法律をつくったり、時代に合わせて変更したりする役割を担っています。

また、行政サービスの予算を審議する、国会議員の中から行政機関の長である内閣総理大臣を選ぶ指名も行います。
他にも

  • 国際条約の承認
  • 弾劾裁判所の設置
  • 憲法改正の発議
  • 国政調査権の発動

などの役割があります。

続いて二院制についてです。
日本の国会は、衆議院と参議院の二つの議院から成り立っています。このしくみを二院制と言います。両院制とも呼ばれます。

二院制の利点としては、異なる視点で法律案を審議することで、国民の様々な意見をできるだけ広く反映させることが挙げられます。また、一つの議院の決めたことを他の議院がさらに検討することによって、課題が解決されているかという視点で審議を慎重に行えます。

さらに一つの議院の行き過ぎを抑え、足りないところを補ったりする抑制と補完ができることなどが利点としてあげられるでしょう。
日本の法律は基本的に2つの独立した議会である衆議院と参議院が議決(決定)したものが制定(実行)されます。

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2、衆議院と参議院の役割

2つあるうちのまずは衆議院から、その役割についてみていきましょう。

(1)衆議院の仕事|特徴

衆議院は所属する国会議員の人数も多く、幅広い年齢層で、民意に近い議員が審議を行います。予算審議はこちらの院から議論をはじめ(先議権)、可決(決定)されたものが参議院へ送られます。

このような参議院と比較して衆議院にしかできないことがいくつかあります。後ほど詳しく紹介します。

衆議院の仕事には、

    • 法案の審議、議決
    • 議案の発議(提案)
    • 内閣への質問主意書の提出
    • 国民からの請願の紹介
    • 予算案の審議、議決
    • 内閣総理大臣の指名
    • 国際条約の制定
    • 両院協議会の請求

などがあります。

国会議員は衆参両院ともに、所属する議員の一員として法案の審議や意思決定をする場合には、本会議と委員会などに所属しています。
常任委員会として17の委員会が設置されていますが、内容により特別委員会が設置されて、審議を行う場合もあります。

また衆議院には「議会の解散」が認められています。参議院は解散できません。

解散できる条件は、

  • 任期(4年)満了
  • 内閣不信任決議案が提出されて可決した時(69条解散)
  • 内閣任案決議案を否決されたとき
  • 内閣が必要と認めるとき(7条解散)

の4つの場合があげられます。
ちなみに、任期満了で解散できた衆議院は戦後26回の選挙の中で1回しかありません。

69条解散も内閣不信任決議案(内閣信任の逆、内閣にはもう任せておけないということ)をよく耳にする割にはこれまで4度しか行われていません。

このため、総理大臣の専権事項とも言われていますが、国民の最近の気持ちが託されている議員の集まり(参議院よりも任期が短いことから)として、衆議院には参議院よりもいくつかの有利な点があります。

これを「衆議院の優越」と呼んでいます。

  • 議決の効力における優越
  • 権限の事項における優越
  • 国会の会期延長
  • 両院協議会の請求

などが衆議院の優越として挙げられます。
衆議院の優越に関してより詳しく知りたい方は以下の関連記事をご覧下さい。

衆議院の優越とは?2つの特権について簡単解説

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(2)参議院の仕事|特徴

参議院は、人数は衆議院の半分程度ですが、継続して法案審議の経過を追える仕組みをとっているので、衆議院が時代の変化に左右されても、冷静に法案の課題を審議し、より良い法律の制定を行うことが求められています。

そんな参議院の

  • 特徴や仕事
  • 「良識の府」

と呼ばれる理由について紹介していきます。

参議院は議員になれる年齢が衆議院より5年遅く、人生のさまざまな経験をよりしてきた人の中から選ばれます。
また、任期は6年ありますが、所属する国会議員の半数は3年ごとに選挙が行われ、入れ替わります。解散は無いため、6年間じっくり審議に関わることができるのです。

参議院の仕事には

  • 法案の審議
  • 法案や決議などの議案の発議(提案)
  • 内閣への質問主意書の提出
  • 国民からの請願の紹介
  • 両院協議会での審議
  • 参議院の緊急集会

と衆議院とあまり変わらないように見えますが、同等の権限の中で、異なった視点から法案を審議し、政権に対して一定の距離を保ちながら、多様な民意の反映や政府に対するチェック機能が求められています。

参議院だけに認められている機能としては「参議院の緊急集会」のみです。

内閣は、人数の多い衆議院では多数派から支持を受けないと法律がつくれません。そのため、行き過ぎた内容や誤りがないか、参議院の目で見て是正(悪い点などを正す)する機能が求められています。

衆議院とよい緊張関係を保ちつつ、政府を監視し、誤りを是正する誠実な議論を行う「良識の府」となることが一つの理想です。

この他にも

  • 「再考の府」
  • 「政局の府」

などと呼ばれ、その時々の民意や政府の意向に左右されず、将来に渡って必要な法律の審議が行われることが参議院には期待されています。

3、衆議院と参議院の違い

衆議院と参議院では、

  • その議員数
  • 任期
  • 被選挙権
  • 選挙制度

において大きな違いがあります。これらについて違いを紹介していきます。

衆議院 参議院
議員数 465人 245人
任期 4年間(最長) 6年間(3年ごとに半数が改選)
被選挙権 25歳以上 30歳以上
選挙区 小選挙区289区で289人 全国45区で74人
比例代表 全国を11区に分けて176人 全国を1区として98人

 

(1)議員数

衆議院:465人
参議院:245人

議員数は衆議院の方が約1.9倍います。
それぞれの国会議員は同じ目標を掲げる政党に所属している、していないに関わらず、2名以上の院内会派(グループ)に所属している場合がほとんどです。

その院の各委員会の人数や、発言、質問時間の配分は会派の所属人数に左右されるためです。ただし、慣例で衆参両院の議長と副議長は会派に属さないようにしています。

(2)任期

衆議院:4年間(最長)
参議院:6年間(3年ごとに半数が改選)

任期は衆議院は最長で4年間あります。任期満了を前に解散が行われた場合には、選挙が行われます。

一方、参議院は解散がないので6年間の任期を満了まで基本的には務めます。ただし、半数の議員は3年ごとに改選があり、新しい民意を取り入れつつも、長い目での審議が行える仕組みをとっています。

(3)被選挙権

衆議院:25歳以上
参議院:30歳以上

衆議院は人数も多く多様な意見を取り入れられるよう25歳から被選挙権(立候補権)が与えられています。

参議院では長期的な視野に立って、物事を議論できるよう、衆議院よりも5年遅い30歳から被選挙権が与えられます。

国会議員は衆参両院に両方属することはできません。また、選挙権(投票権)はどちらも18歳から投票が行えます。

(4)選挙制度

選挙制度

衆議院と参議院では選挙区で個人を選ぶ選挙区制度と、目的が同じグループの政党から名簿順に選ぶ比例代表制度で違いがあります。

衆議院では選挙区と比例代表どちらにも立候補できますが、参議院ではどちらか一方にしか立候補できません。

また選挙区の区割りにおいて、一人に投じる一票の国民の数に格差が生じていて、定数や選挙区は数年に一度見直しや是正が行われていますが、「一票の格差」問題としてしばしば裁判が行われています。

それでは、それぞれに分けてみていきましょう。

①選挙区

衆議院:小選挙区289区で289人
参議院:全国45区で74人

衆議院では全国を289区に細分化して、各区から1人を選びます。何人立候補しても1人しか選ばれないため、2大政党化しやすい傾向にあります。

参議院では鳥取県と島根県、徳島県と高知県を合区とした、45区から院の半数にあたる74人を選びます。1区あたり1〜6人を選びます。

②比例代表

衆議院:全国を11区に分けて176人
参議院:全国を1区として98人

比例代表は各政党などが比例代表名簿を作成して、政党などの得票数順に当選する制度です。

衆議院は全国を11区に分けて政党の得票数に応じて当選枠を振り分けていきます。
参議院では全国を1区として、98人が政党名で選ばれます。

ただし、比例代表には拘束名簿式と非拘束名簿式があり、拘束の場合は名簿順に当選し、非拘束の場合は政党名だけでなく、立候補者名での得票数に応じて当選者が決まる仕組みです。

選挙によって方式が異なるのですが、それぞれにメリットとデメリットがあり、試行錯誤が行われています。

選挙制度について詳しく知りたい方は以下の関連記事をご覧下さい。

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(5)衆議院議員だけが代議士?

代議士とは国民の代表として会議に参加する人のことを指します。実は参議院議員はこの代議士に当てはまらないという考え方が存在します。この理由は戦前日本の二院制が「衆議院」と「貴族院」によって構成されていたことに由来します。

貴族院の議員は文字通り貴族の出身であったために「国民の代表」としては不適格であったという背景があり、今日でも参議院議員に対し代議士という言葉が使われないのです。

ただし、現在では代議士という言葉そのものがあまり利用されていません。

まとめ

衆議院と参議院の役割と違いについて紹介してきました。国のルールを決める国会において十分な議論が尽くされることを目的に2つの議会が存在します。

それぞれに違う特徴を備えることで多様な視点から法案が議論され、国民や社会にとってより良い法律が作られる仕組みであることがわかります。