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気候変動とは?気候変動の問題点・日本や海外の対策を簡単解説

投稿日2020.7.29
最終更新日2020.09.07

「気候」とは、

  • 天気
  • 気温
  • 降水量

などの平均的な状態の特徴のことです。

気候変動とは、自然要因または人為的要因で、これらの気候に一瞬では無い変化が生じることです。
昨今では地球の温暖化現象を指し示す際に気候変動という言葉がよく用いられています。

人々は、自分たちが住む土地に起こる気候に合った生活様式をつくりあげるので、気候変動が起きると生活が乱れ、悪影響が及びます。

例えば、洪水が滅多に起きない土地に起きると、その住民たちは洪水対策をしていないので、被害が大きくなる可能性があります。

そこで今回は、

  • 人々のどのような活動が気候変動を引き起こすのか
  • 気候変動が引き起こす問題
  • 対策

についてご紹介します。

1、気候変動とは


繰り返しになりますが、気候変動とは広い意味で気温や降水量が長い期間で見て変化することであり、狭義の意味で人間の排出する温室効果ガスによる地球温暖化の結果として地球の温度が上がっていく現象を示す際によく用いられる言葉です。

現在この気候変動により

  • 海面上昇
  • 干ばつ
  • 農業への悪影響
  • 水害

など、人間社会に対する悪影響が予想されています。

2、気候変動の要因

気候変動を引き起こす要因には、自然によるものと人為的なものの2つがあります。
それぞれみていきましょう。

(1)自然要因

自然の力が気候変動を起こすことがあります。
自然要因には、

  • 海洋
  • 火山
  • エーロゾル
  • 太陽活動

などがあります。

エーロゾルは、大気に浮遊している個体または液体の微粒子のことで、エアロゾルと呼ぶこともあります。
それぞれの自然要因が気候変動を引き起こすメカニズムをみていきます。

①海洋の動き

地球上の熱は絶えず移動しています。
熱を動かす主な原動力は海洋です。
温かい海水や冷たい海水が流れることによって、熱が移動していきます。

ある土地に四季があったり、雨季と乾季があったりするのは、地球上の熱が変化しているからです。
そのため、海洋の動きが大きく変化すると、気候は例年の変化を著しく超えて、大きな変化になります。

②火山活動

火山は噴火するときに、火山灰や火山ガスを放出します。
火山灰が大量に発生すると「日傘」のようになってしまい、一定地域の気温を下げます。

火山ガスに含まれる二酸化硫黄は、日光に当たって化学変化を起こして硫酸に変わり、これが地上に降り注がれると太陽光を吸収し、地表温度を下げます。

そして、火山ガスに含まれる二酸化炭素は、地表面から放射される熱を閉じ込める効果を持つので、気温を高めます。
つまり火山ガスは、そのときの状況によって、気温を下げることも上げることもあるわけです。

予想がつかない変化を、その地域にもたらしてしまうかもしれません。

③エーロゾル

エーロゾルは太陽光を反射するので、エーロゾルが大量に発生している地域の気温を下げます。
逆に、エーロゾルが気温を高めることがあります。

太陽光を吸収したエーロゾルが周囲の大気を温めて、雲の発生を抑制することがあるからです。
雲ができにくくなると太陽光が直接地表に当たる確率が高くなるので、気温が上がるわけです。

エーロゾルは自然発生することもありますが、人の活動によっても増えることがあるので「人為的要因」とみることもできます。

人為的要因としてのエーロゾルについては、後述します。

④太陽がどのように気候変動を起こすのか

太陽の表面には、黒点という、一部だけ温度が低くなっている部分があります。
太陽黒点は、太陽自体の活動によって発生したり消えたり、移動したりします。
太陽黒点の大きさや数の違いは、太陽から地球に降り注がれる放射エネルギーの量に影響します。
放射エネルギーの量によって気温や降水量が変わってくるので、太陽の活動によって気候変動が起きます。

(2)人為的要因

ニュースなどで気候変動が問題になるとき、焦点が当たるのは人為的要因です。
なぜなら、人為的要因による気候変動なら回避できるかもしれないからです。

人為的要因を否定する科学者もいますが、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は「気候変動に人為的な活動が影響しているのは明らか」と提示した報告書を出しています。

人為的要因にはさまざまな種類がありますが、ここでは

  • 温室効果ガスの排出
  • 森林伐採
  • 大気汚染

などについて紹介します。

①温室効果ガスの排出

地球全体の平均気温は、本来ほとんど変わりません。
それは地球に入ってくる太陽エネルギーと、地球から出ていく放射エネルギー(赤外放射)が釣り合っているからです。

しかし、地球全体の平均気温が高くなっています。
これは、人類が化石燃料を燃やし続けた結果、温室効果ガスが大量に発生したからなどが原因と考えられています。

温室効果ガスの主なものは二酸化炭素です。
二酸化炭素は地表面から放射される熱を閉じ込める効果を持ちます。

地球に降り注ぐ太陽エネルギーが一定なのに、地球から出ていく放射エネルギーが減るので、地球が暖かくなってしまうのです。

②森林伐採

森林が伐採されると、3つの「悪いこと」がおきます。

森林は二酸化炭素を吸収するので、木々がなくなると二酸化炭素が増えてしまいます。
これが1つめです。

2つめは、森林が伐採されると地表面がむき出しになり、日光の反射率が変わってしまうことです。
日光は気温に影響を与えるので、これも気候変動の立派な要因の1つとなります。

3つめは、水の循環が変化することです。
森林は水を蓄えておくことができるので、伐採されることによって、循環に変化が生じます。

水には温かくなりにくく冷めにくいという性質があるので、気温の変化を小さくします。そのため森林が失われると、気温が乱高下する可能性があります。

③大気汚染

大気汚染は、エーロゾル(大気中の微粒子)を増やします。
エーロゾルは太陽光を反射したり吸収したりするので、それが増えると気温が下がったり上がったりします。

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3、気候変動の問題点


気候変動が問題になるのは、人的かつ経済的な被害を引き起こすことがあるからです。
気候変動による被害として、代表的な

  • 海面上昇
  • 農業への悪影響
  • 水害

についてご紹介します。

(1)海面上昇

ICPP(国連の気候変動に関する政府間パネル)は2019年に、このまま温室効果ガスの排出が続けば今世紀末に海面が1メートル超上昇する、と警鐘を鳴らしました。

人の生活圏は、海の波が届くぎりぎりの場所まで拡大しています。海面が上昇すれば、海岸沿いの街が海に沈んでしまうことが懸念されます。

また、ICPPは、100年に1度しか起きないような高潮が、今世紀末までに毎年起きるようになるだろうと予測しています。

(2)水害

気候変動は、

  • 豪雨
  • 高潮
  • 洪水

などの水害を引き起こします。
日本では「2080~2099年の平均降水量」が「1979~1998年の平均降水量」の1.05~1.25倍になる、と予測されています。

地方毎の予測は次のとおりです。

  • 北海道地方:1.24倍(「2080~2099年の平均降水量」が「1979~1998年の平均降水量」の1.24倍になる、ということ。以下、同じ)
  • 東北地方:1.22倍
  • 関東地方:1.11倍
  • 北陸地方:1.14倍
  • 中部地方:1.06倍
  • 近畿地方:1.07倍
  • 紀伊南部:1.13倍
  • 山陰地方:1.11倍
  • 瀬戸内地方:1.10倍
  • 四国南部:1.11倍
  • 九州・沖縄地方:1.07倍

また国土交通省は、降水量が増加することで治水安全度が低下すると予測しています。
さらに、次のような水害も懸念されています。

  • 温暖化によって利根川上流の積雪が減り、首都圏で利用できる水が減る
  • 融雪時期が早まることで、河川の流れの形態が変化する
  • 年間の水需要パターンが変わり、水利用に深刻な影響が出る

(3)農業への悪影響

農林水産省は2018年に、水稲、果樹、野菜、花、畜産の各農業分野で、すでに気候変動の影響が出ていて、その被害はさらに拡大するとの見通しを発表しました。

具体的な被害は以下のとおりです。

  • 水稲の白未熟粒(十分に熟してないためコメが白濁する現象)の多発
  • 果実の着色不良や日焼け
  • 家畜の健康問題
  • 乳牛の乳量の低下
  • 病害虫や疾病の増加
  • 土砂災害、洪水、浸水による農業生産基盤へのダメージ
  • 梨や桃の凍霜害

4、日本の対策|気候変動適応法

気候変動への対策や対応を、日本と世界にわけてみていきます。
まず日本の取り組みですが、2018年に気候変動適応法が施行されました。
同法では、日本が受けている気候変動の被害として、

  • 気温上昇
  • 大雨の増加
  • 農作物の品質低下
  • 動植物の分布域の変化
  • 熱中症リスクの増加

を挙げています。

同法は、これらの被害から国民の生命と財産を守り、経済と社会を持続的に発展させるために制定されました。
気候変動適応法では、国と地方公共団体の「責務」と、事業者(企業など)と国民の「努力すべきこと」が書かれています。

(1)国の責務

国の責務は第3条に書かれてあります。重要なので全文を引用します。

気候変動適応法第3条

 

第1項

国は、気候変動、気候変動影響及び気候変動適応(以下「気候変動等」という。)に関する科学的知見の充実及びその効率的かつ効果的な活用を図るとともに、気候変動適応に関する施策を総合的に策定し、及び推進するものとする。

 

第2項

国は、気候変動適応に関する施策の推進を図るため、並びに地方公共団体の気候変動適応に関する施策の促進並びに事業者、国民又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「事業者等」という。)の気候変動適応及び気候変動適応に資する事業活動の促進を図るため、気候変動等に関する情報の収集、整理、分析及び提供を行う体制の確保その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

出典 気候変動適応法

ここから、国の義務を整理すると以下のようにまとめられます。

  • 気候変動の科学的知見を充実させる
  • 科学的知見を活用する
  • 気候変動に適応する施策をつくり、推進する
  • 国は、地方公共団体、事業者、国民などが気候変動に適応できるように、情報を集め、広く提供していく

(2)地方公共団体の責務

地方公共団体の責務は第4条に書かれてあります。
その内容は次のとおりです。

  • その区域における、自然的、経済的、社会的状況に応じた気候変動適応を進める
  • 事業者に対し、気候変動適応の事業を促す

(3)事業者(企業など)について

事業者が努力すべきことは、第5条に次のように書かれてあります。

  • 自社の事業活動に即して、気候変動適応に努める
  • 国と地方公共団体に協力する

(4)国民について

国民が努力すべきことは、第6条に次のように書かれてあります。

  • 気候変動に適応することの重要性に関心を持ち、理解を深める
  • 国と地方公共団体に協力する

5、世界の対策


気候変動への世界的な対応で最も重要なのは、2015年の「国連気候変動枠組条約締約国会議」(COP)で合意された「パリ協定」です。

協定の内容は、2020年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組みになります。

「枠組み」とは次のとおりです。

  • 世界の平均気温の上昇を、産業革命以前と比べて2度より十分低く保ち、1.5度に抑える努力をする
  • 温室効果ガスの排出量をピークアウトさせ(減少に転じさせ)、21世紀後半には、温室効果ガスの排出量と森林などによる温室効果ガスの吸収量のバランスを取る

パリ協定は素晴らしい内容といえますが、アメリカの大統領は2017年に協定から脱退すると表明しています。
世界第1位の経済大国のアメリカなどがパリ協定を守らなければ、枠組みを達成できるかどうかわかりません。

また、世界第1位の経済大国が、気候変動の人為的要因を減らす取り組みに消極的だと、他国への影響は避けられないでしょう。

今後の課題となっています。

まとめ

ここまで気候変動とそれに伴う問題点についてご紹介しました。

「気候変動」を、気候が変動するほどの異常事態ととらえ、気候変動適応法やパリ協定に則した対応を取っていく必要があります。