政治ドットコム環境・社会環境問題循環型社会とは?3Rの概要から政府の取り組みまで簡単解説

循環型社会とは?3Rの概要から政府の取り組みまで簡単解説

投稿日2021.4.28
最終更新日2021.04.28
この記事の監修者
山口和史
20年にわたって法律、税務、経営等の業界専門誌の編集長を歴任。
2020年から政治ドットコムの理念「政治をもっと身近に。」を実現するため、編集長に就任。
独自の視点と切り口で、政治にまつわる最新情報を発信する。

循環型社会とは、効率的なモノの利用やリサイクルを進めることで、無駄な資源の消費を減らし、環境へ負担をかけない社会のことです。

限りある資源を有効活用し、持続可能な社会を創造するため、循環型社会の形成が求められています。

今回の記事では

  • 循環型社会の概要
  • 循環型社会を創る3R
  • 日本のゴミ事情
  • 循環型社会への具体的な取り組み

などについて分かりやすく解説します。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、循環型社会とは

循環型社会
「循環型社会」とは、

  • 大量生産
  • 大量消費
  • 大量廃棄

の経済社会から脱却し、効率よく資源を利用することで、従来よりも環境への負荷が少ない社会のことです。 

地球上の資源は限られており、このままのペースで消費を続けると、

  • 石油
  • 石炭
  • 天然ガス

などの天然資源は、いつか枯渇するといわれています。

また天然資源の大量消費は

  • 地球温暖化
  • 廃棄物の増加
  • 海洋・土壌汚染

などの環境問題にもつながります。

2、循環型社会を創る「3R」について

日本の循環型社会を実現するために欠かせないのが「3R」です。

3Rとは、

  • Reduce(リデュース)
  • Reuse(リユース)
  • Recycle(リサイクル)

という3つの取り組みを表したものです。

循環型社会画像出典:3R(スリーアール)を徹底しよう!|福島市役所

3Rは、海洋プラスチックごみ削減にもつながるとして注目されています。
プラスチックによる海洋汚染については以下の関連記事で詳しくご紹介しています。

マイクロプラスチック問題とは?深刻な課題に対する日本の対策

マイクロプラスチックとは、5mm以下の細かく砕かれたプラスチックごみのことで、これが深刻な海洋汚染を引き起こしています。 マイクロプラスチック問題とはこのマイクロプラスチックが自然界に流出し、分解されずにそこに留まることで起きる悪影響のことです。 これは世界規模で拡大していて、四方を海に囲まれた日本でも深刻な問題となっています。 そこで今回は、次の3点を中心に解説していきます。 ...

それでは、どのような取り組みなのか、以下でそれぞれ解説していきましょう。

(1)Reduce(リデュース)

Reduceとは、ゴミとして廃棄されるものを減らす取り組みのことです。
たとえば、

  • レジ袋を使用しないためにコンビニへマイバッグを持参する
  • 食品ロスを削減するため、食べ残しや過剰な注文をしない
  • 短い期間しか使用しないものはレンタルやシェアシステムを利用する
  • 使い捨て製品の利用を減らす

などが当てはまります。

また、

  • 強い耐久性をもつ製品の製造
  • 製品の寿命を長くするためのメンテナンス体制の設備

などもReduceに含まれます。 

(2)Reuse(リユース)

Reuseとは、一度使用した製品を繰り返して使用する取り組みのことです。

たとえば

  • ボディシャンプーなどをボトルに詰め替えて使用する
  • 着なくなった洋服や制服などを必要な人に譲る
  • リサイクルショップやフリーマーケットを活用する

などが当てはまります。

(3)Recycle(リサイクル)

Recycleとは、廃棄物を分別回収し、原材料やエネルギー資源として再生利用する取り組みのことです。

たとえば、

  • プラスチックや瓶、古紙などの分別回収に協力する
  • リサイクル製品を積極的に利用する
  • リサイクル技術・装置の開発に努める

などが当てはまります。

参考:3R 活動推進フォーラム

3、日本のゴミ事情

日本のゴミ事情を確認するために、

  • 日本のゴミの総排出量
  • 日本のプラスチック容器包装の廃棄量
  • ラスチックのリサイクル率

について見ていきましょう。

(1)日本のゴミの総排出量

環境省によると、2018年時点で「日本のゴミの総排出量」は、4272万トンとしています。

このゴミの量は、東京ドーム約115杯分にあたります。
また「外国人を含む、1人の1日あたりのゴミ排出量」は、918gと報告されています。

参考:一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成30年度)について|環境省

(2)日本のプラスチック容器包装の廃棄量

世界におけるプラスチックの年間生産量は

  • 1950年:200万トン
  • 2015年:3億8000万トン

となっており、全世界的にプラスチックの製造量が大きく増加していることがわかります。 

このままのペースでは、2050年までに120億トン以上のプラスチックが

  • 埋め立て
  • 自然投棄

されると推測されています。

2018年のUNEP(国連環境計画)の調査によると、「1人当たりのプラスチック容器包装の廃棄量」について、日本は世界で2番目に多いという結果でした。

さらに、日本の「ゴミのプラスチック類における、容器包装の割合」は、約61.8%となっており、世界平均を大幅に上回っています。 

参考:プラスチックを取り巻く国内外の状況|環境省

(3)プラスチックのリサイクル率

2018年でのプラスチック資源循環利用協会の調査によると、日本のプラスチックのリサイクル率は、約84%でした。

特に、サーマルリサイクルは約56%と、リサイクル手法の大半を占めています。
日本では以下の3つの方法で、廃プラスチックをリサイクルしています。

  • マテリアルリサイクル:プラスチックゴミを再利用して別のプラスチック製品を作ること
  • ケミカルリサイクル:プラスチックゴミを分解して化学原料として再生すること
  • サーマルリサイクル:プラスチックゴミを焼却して熱エネルギーに変えること

循環型社会

画像出典:プラスチック基礎知識2020|プラスチック資源循環利用協会

4、循環型社会を形成するための政府の取り組み

循環型社会を形成するために、政府が取り組んでいる

  • 第4次循環型社会形成推進計画
  • 中古住宅流通・リフォームの促進
  • 資源有効利用促進法
  • 環境ラベル

についてみていきましょう。

(1)第4次循環型社会形成推進計画

循環型社会形成推進計画とは、循環型社会形成促進法に基づき作られる、循環型社会を実現するための計画です。

2018年には、第4次循環型社会形成推進基本計画が発表されました。
第3次循環基本計画の内容に加えて、その後5年間の国内外の動きを取り入れたものとなっています。

循環型社会の形成に向けた具体的な項目は、以下の7つです。

  • 持続可能な社会づくりとの統合的取り組み
  • さまざまな地域循環共生圏形成の活性化
  • ライフサイクル全体での徹底的な資源循環
  • 適正処理のさらなる推進と環境の再生
  • 万全な災害廃棄物処理体制の構築
  • 適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進
  • 循環分野の基盤整備

これらをベースに、

  • 少子高齢化が進む地方における地産地消
  • 域内循環の推進

など、2025年までに国がすべき施策が示されています。

循環型社会

画像出典:第四次循環型社会形成推進基本計画の概要|環境省

また、循環分野の課題としては以下の内容が挙げられました。

  • 原発事故による環境汚染からの復興
  • 大規模災害の頻発と対策の遅れ
  • モノではなく心の豊かさを求める国民意識の変化
  • 資源の循環や適正処理の担い手の確保

参考:第四次循環型社会形成推進基本計画の概要|環境省

(2)中古住宅流通・リフォームの促進

中古住宅を安心して売買・リフォームできる環境をつくることで、建て替えや解体時に生じる廃材の減少を目指しています。

従来よりも廃棄物を削減させるため国土交通省では、

  • 長期優良住宅化のリフォーム推進に対する基準の策定・普及
  • 中古住宅に対する建物評価手法の改善

などの施策を進めています。

参考:循環型社会の形成に向けた取組の推進 |国土交通省

(3)資源有効利用促進法

資源有効利用促進法とは、事業者に対して3Rの取り組みを求めることで、リサイクル社会の構築を推進する法律です。

具体的には、

  • リサイクルしやすい設計製品の製造
  • 設計段階で3Rを意識した対策・配慮
  • 分別回収や事業者による自主回収
  • リサイクルシステムの構築

など、10業種・69品目を対象に規定が設けられています。

参考:資源有効利用促進法|経済産業省

(4)環境ラベル

環境ラベルとは、環境に配慮した製品やサービスであることを示すラベルの総称です。

  • 文章
  • マーク
  • 広告

など様々な環境ラベルが存在しています。

以下は、(財)日本環境協会が運営しているエコマークです。
ISO(国際標準化機構)によって規定されたシンボルマークの1つになります。

ISOとは、国際間の取引をスムーズに行うために、共通の基準を定める機関です。
循環型社会

画像出典:エコマーク|環境省

 様々な環境ラベルがありますが、ISOでは環境ラベルを以下3つのタイプに分けています。

  • タイプⅠ(ISO14024):第三者の認証機関が認めたことを表す環境ラベル
  • タイプⅡ(ISO14021):事業者独自の基準を満たしたことを表す環境ラベル
  • タイプⅢ(ISO14025):製品の環境負荷を定量的データで表す環境ラベル

参考:環境ラベル等データベース|環境省

まとめ

今回は、循環型社会について解説しました。
循環型社会と言うと難しいイメージを持つかもしれませんが、

  • リサイクル製品を買う
  • ゴミは分別して捨てる
  • すぐ捨てずに修理をしながら長く大切に使う
  • 環境に優しい素材でできているものを選ぶ

など日常的な生活から取り組める事は多くあります。
循環型社会を実現するために、3Rへの意識を高めていくことが大切であると言えるでしょう。