G7とは、「アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・日本・カナダ」の7か国からなる、先進国首脳会議のことです。
よく似た言葉にG8やG20があり、違いも含めてよくわからない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回はG7について、以下のとおりご紹介します。
- G7の概要
- G8、G20の違い
- 招待国について
- 日本で開催されたG7サミット
本記事がお役に立てば幸いです。
1、G7とは
G7とは、7つの加盟国による先進国首脳会議のことです。
加盟国は
- アメリカ
- イギリス
- フランス
- ドイツ
- 日本
- イタリア
- カナダ
の7つであり、「Group of seven」の頭文字を取ってG7と呼ばれています。
また首脳会議のことを、サミット(summit)と言うこともあります。
G7の発足は、1970年代のオイルショックなどが発生した世界的な経済不況がきっかけです。
先進国間で「今後の世界経済について、首脳レベルで話し合う場が必要である」という共通認識のもと開催されました。
当初は
- アメリカ
- イギリス
- フランス
- ドイツ
- 日本
の5か国体制でしたが、イタリアが参加を表明し、1975年の第1回首脳会議は6か国によって行われました。
その後1976年にカナダが加入し、7つの先進国による会議が行われるようになったのです。
参考:外務省
2、G8、G20との違い
G7と似た言葉に、G8・G20があります。
ここではそれらの違いについて解説していきます。
(1)G8とG7の違い
G8とは、ロシアが加盟し一時的に8か国体制となっていた、1998~2013年の先進国首脳会議のことを指します。
冷戦終結後の1998年から、ロシアも加盟国として、第24~39回の先進国首脳会議に参加していました(2021年時点では不参加)。
(2)G20とG7の違い
G20とは、G7の主要7カ国に13の国と地域を加え、2008年に発足した国際会議です。
具体的な13の国と地域は、
- アルゼンチン
- オーストラリア
- ブラジル
- 中国
- インド
- インドネシア
- 韓国
- メキシコ
- ロシア
- サウジアラビア
- 南アフリカ
- トルコ
- 欧州連合・欧州中央銀行
であり、参加国の国内総生産は、全世界の約8割を占めます。
G20の発足理由は、世界の経済危機がより深刻化したためです。
2008年に第1回会議がアメリカで行われ、以降国際的に重要な経済・金融に関する問題について話し合われています。
参考:外務省
3、招待国とは|加盟国との違い
招待国とは、加盟国ではないものの、首脳会議に参加できる国のことです。
招待国としての参加は、議長となった国による承認があれば問題ありません。
実際に招待国として参加したことのある国は、以下のとおりです。
- アルゼンチン
- バングラデシュ
- ノルウェー
- セネガル
- ベトナム
2021年度では、議長を務めるイギリスによって「韓国・インド・オーストラリア」の招待が表明されています。
4、G7サミット|日本で開催されたサミットについて
G7サミットとは、7つの加盟国に加えて、
- 欧州理事会議長
- 欧州委員会委員長
が参加し、開催される首脳会議のことです。
ここでは、日本で実際に開催された
- 九州沖縄サミット
- 北海道・洞爺湖サミット
- 伊勢志摩サミット
についてご紹介します。
(1)九州沖縄サミット
九州沖縄サミットは、2000年7月の21~23日に行われた、第26回サミットです。
議長は当時の内閣総理大臣である、森喜朗氏でした。
九州沖縄サミットでは、「21世紀に向けて人類が直面する課題」を明確にするため、様々な観点から意見交換がされました。
具体的に話し合われた分野は、
- IT
- 感染症対策
- 発展途上国
- 貿易
- 文化の多様性
- 国際犯罪
- 生命科学
- 環境
- 地域情勢
- 紛争予防
などになります。
九州沖縄サミットで、大きなインパクトを与えたのは「ITに関する沖縄憲章」です。
ITを21世紀の繁栄の鍵と位置づけ、ITに関する国際社会の取り組みの方向性を示しました。
参考:外務省
(2)北海道・洞爺湖サミット
北海道・洞爺湖サミットは、2008年7月の7~9日に行われた、第34回サミットです。
議長は当時の内閣総理大臣である、福田康夫氏でした。
北海道・洞爺湖サミットサミットでは、以下の分野について話し合われました。
- 世界経済
- 環境、気候変動
- 開発
- アフリカ
- 政治問題
特に環境問題について、長期目標の合意に向けた意志を示した点は、大きな成果の1つと言えるかもしれません。
参考:外務省
参考:北海道洞爺湖サミット – サミット情報/テーマ
(3)伊勢志摩サミット
伊勢志摩サミットは、2016年5月の26~27日に行われた、第42回サミットです。
議長は、当時の内閣総理大臣である、安倍晋三氏でした。
伊勢志摩サミットでは、以下の分野について話し合われました。
- 世界経済
- 貿易
- 国際保健
- 女性
- サイバー
- 政治外交
- テロ
- 難民
- 軍縮
- 国連安保理改革
- 気候変動
- 環境問題
- 開発
特に活発に議論されたのは、北朝鮮の核問題です。
同年の北朝鮮による核実験やミサイル発射を受け、国際的な対応が検討されました。
また中国による「南・東シナ海進出」についても焦点が当てられました。
参考:外務省
まとめ
今回はG7についてご紹介しました。
G8やG20との違いに加えて、招待国やG7サミットについてもおわかりいただけたのではないでしょうか。
G7の意義やサミット開催の目的を把握することで、世界がどういったことに関心を向けているのか理解することができる場合もあります。
本記事が少しでもあなたのお役に立てば幸いです。