経済とは、人間の生活に必要なお金やモノ、サービスを生産・分配・消費する活動全般を指します。
本記事では
- 経済とは
- 経済を把握するには
- 経済に関係する省庁
- 経済特区
についてわかりやすく解説します。
本記事がお役に立てば幸いです。
1、経済とは
経済とは、生活に必要なお金・モノ・サービスについての社会的な関係のことです。
一連の活動には、生産・分配・消費があり、主に政府・企業・家計(個人)の3つの主体によって動かされています。
経済は英語で“Economy”と表記されます。
“Economy”はギリシャ語の『オノコミア』に由来し、オノコミアは家計を指す単語です。
そのため、経済にはお金をやりくりするという意味も含まれています。
2、経済を把握するには
経済は目に見えるものではありませんが、経済状況を捉える目安になるものはあります。
経済を把握するために使われる
- 経済指標
- 経済指標カレンダー
- 経済センサス
- 経済構造実態調査
について確認していきましょう。
(1)経済指標
経済指標とは、経済状況を示す景気や物価、金利などを数値化したものです。
経済指標は各国の公的機関等によって作成され、日本では各省庁がまとめています。
外務省の例を挙げてみましょう。
外務省では、
- 各国のGDP、経済の見通し
- 各国の景気指標
- 主要国の財政、金融指標
- 各国の国際収支指標
- 為替相場、株価
が主要経済指標として発表されています。
(2)経済指標カレンダー
経済指標カレンダーとは、各国が発表する経済指標をカレンダー形式でまとめた資料です。
金融関係のさまざまな企業によって作成され、投資家などによって活用されています。
例えばFX(外国為替証拠金取引)の外国為替市場は、各国の経済指標の発表に影響を受けるため、経済指標カレンダーはトレーダーが注目する情報の1つになっています。
(3)経済センサス
経済センサスとは、事業所や企業の経済活動の状態を調べる調査です。
『センサス(census)』とは国勢調査、全数調査という意味を持つ単語です。
総務省と経済産業省の共同で調査され、以下の2種類の調査方法があります。
- 事業所や企業の基本的な構造を明らかにする『基礎調査』
- 事業所や企業の経済活動の状況を明らかにする『活動調査』
経済センサスはアメリカや中国でも実施され、国の経済状況を測る大切な目安として利用されています。
(4)経済構造実態調査
経済構造実態調査は、経済センサスの間に行われる基幹統計調査(国が行う調査、国勢調査や人口動態調査など)です。
製造業やサービス産業等の経済活動の状況を明らかにすることが目的とされています。
経済センサスは2009年から始まりましたが、経済構造実態調査は2019年から始まった比較的新しい調査です。
従来の
- 経済産業省の商業統計調査
- 経済産業省の特定サービス産業実態調査
- 総務省のサービス産業動向調査と拡大調査
の3種類の調査をまとめて新しく作られました。
経済構造実態調査は、経済センサスと同様に総務省と経済産業省が調査しています。
画像引用元:経済構造実態調査とは 経済構造実態調査実施事務局
3、経済に深く関係する省庁
ここでは日本の経済に深く関係する省庁である
- 総務省
- 経済産業省
- 財務省
についてご紹介していきたいと思います。
(1)総務省
総務省は、生活全般に関係する行政機能を担当しています。
『総務』という名前の通り、総合的な行政業務を担当する機関です。
その担当分野は多岐にわたり、選挙から情報通信、消防防災(消防庁)も所管しています。
2020年4月に発表された『総務省の主な経済対策』をもとに、総務省が経済に対してどのような働きをしているのかを解説していきましょう。
総務省では新型コロナウイルスの流行を受け、
- 感染防止のための医療提供体制の整備
- 治療薬の開発
- 雇用の維持
- 事業の継続
- 地域経済に向けた環境整備
- 在宅学習、在宅勤務の促進
- マイナンバーカードの普及
- 税金関連の猶予と減税措置
などの対策を発表しました。
前述の通り、総務省は経済センサスや経済構造実態調査などの経済調査も行っており、経済を包括的に支える働きを担っています。
総務省とは?組織の役割・予算・幹部・組織図・業務を簡単解説
(2)経済産業省
経済産業省は、経済・産業の発展とエネルギー関連の事業を担当する機関です。
貿易・他国との経済協力・中小企業の海外展開も経済産業省の仕事です。
総務省と違い、経済産業省は企業や事業者を中心とした業務を行います。
総務省と同様に2020年12月時点で発表されている『経済産業省の支援策』を見てみましょう。
経済産業省では
- 持続化給付金
- 家賃支援給付金
- 中小企業、小規模事業者向け相談窓口
- 新型コロナウイルスの流行に伴う輸出入手続きの緩和
など、貿易を含めた企業等への経済的なサポートが主な政策となっています。
参考:経済産業省の支援策(2020年12月9日時点) 経済産業省
(3)財務省
財務省は国のお金を管理する機関です。
- 国の予算や決算
- 財政報告
- 財政統計
などを担当しています。
各省庁から提出された予算をまとめ、予算案(財務省原案)を作成するのも財務省の仕事です。
財務省の中には国税庁が入っているため、税金関連の仕事も担当しています。
総務省と経済産業省と同様に、新型コロナウイルス対策から財務省の経済へのアプローチを見てみましょう。
2020年12月15日に『令和2年度財務省所管一般会計補正予算(第3号)概算』が発表され、
- 水際における税関での感染症拡大防止対策(12億円)
- 国際協力機構や国際金融機関等を通じた途上国における新型コロナウイルス感染症拡大防止支援(278億円)
などの予算が追加されました。
税金面では
- 納税の猶予制度の特例
- テレワーク等のための中小企業の設備投資税制
- 特別貸付けに係る契約書の印紙税の非課税
などの軽減措置が行われています。
参考:令和2年度財務省所管一般会計補正予算(第3号)概算 財務省
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置
4、経済特区について
経済特区とは、経済を発展させるために納税や規制が緩和された特定の地域を指します。
1979年に中国で初めて経済特区が設置され、その後さまざまな国でも経済特区が設けられています。
中国と日本、それぞれの経済特区について確認していきましょう。
(1)中国
中国では1979年に経済特区の設置が決まり、1980年に以下の4つの都市が経済特区として指定されました。
・深圳(しんせん)
・珠海 (しゅかい)
・汕頭 (すわとう)
・廈門(あもい)
中国の経済特区では、外国企業が参入しやすい環境が整備され、現地の技術力の向上などが図られました。
またその技術力を活かし、輸出によって自国を発展させることも経済特区の目的の1つです。
特に深圳は最先端技術が集まる『ハイテク都市』と呼ばれ、注目が集まっています。
(2)日本
日本では、沖縄が経済特区として指定されています。
沖縄の経済特区は以下の5つの地域(地区)と1つの特例措置で成り立ち、それぞれに違った優遇措置が取られています。
- 観光地形成促進地域
- 産業高度化、事業革新促進地域
- 情報通信産業振興地域、特別地区
- 国際物流拠点産業集積地域
- 経済金融活性化特別地区
- 離島の旅館業に係る特例措置
国内には沖縄の経済特区のほかに
- 構造改革特区
- 総合特区
- 国家戦略特区
などもあります。
参考:経済特区沖縄 沖縄県
経済特区とは?日本では沖縄にある特別な地域〜メリットを解説
経済に関するQ&A
Q1.経済は英語で何という?
経済は英語で“Economy”と表記されます。“Economy”はギリシャ語の『オノコミア』に由来し、オノコミアは家計を指す単語です。
Q2.経済状況を捉える目安になるものは?
経済を把握する際に以下の指標が使われています。
- 経済指標
- 経済指標カレンダー
- 経済センサス
- 経済構造実態調査
Q3.日本の経済に深く関係する省庁は?
日本の経済に深く関係する省庁として以下が挙げられます。
- 総務省
- 経済産業省
- 財務省
まとめ
今回は経済について解説しました。
経済というとお金のイメージが強いですが、経済は生活や仕事に直結する大切な暮らしの基盤です。
経済の動きに関心を持ってニュースや新聞を見ると新しい発見があるかもしれません。