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未来投資会議とは?日本の発展のためどのような会議がされているか

投稿日2020.9.7
最終更新日2020.09.07

未来投資会議とは、内閣総理大臣を議長として、国の経済成長につながる分野における投資活動について議論する会議のことです。

成長戦略や構造改革を促進するために開催されます。
今回は

  • 未来投資会議の概要
  • 未来投資会議のメンバー
  • 未来投資会議で審議している内容

についてご紹介します。
本記事がお役に立てば幸いです。

1、未来投資会議の概要

未来投資会議
未来投資会議は2016年9月に発足しました。
背景には2012年からスタートした経済政策、通称アベノミクスが道半ばの状態だったことがあります。

近年では、AIなどの技術革新が目まぐるしく、国全体でこうした先進的な技術に素早く対応していくことが非常に重要となっています。

参考:成長戦略と今後の検討事項

(1)4つの目標

未来投資会議には、次の4つの大きな目標があります。

  • 国民生活の利便性の抜本的な変革
  • 地方に投資を呼び込む
  • グローバル競争に勝ち抜く
  • AI、ロボット、IoTの社会実装を目指す産業構造改革

東京一極集中の是正やIT化などが重視されていることがわかります。
参考:未来投資会議

(2)4分野の徹底推進会合

そして未来投資会議のもと、次の4分野を徹底的に推進する「構造改革徹底推進会合」を設置しました。

  1. 第4次産業革命(Society 5.0)とイノベーション
  2. 企業関連制度改革と産業構造改革、長期投資と大胆な再編の促進
  3. 医療、介護、生活者の暮らし
  4. 地方の農業、観光、スポーツ、中小企業などの深化

参考:構造改革徹底推進会合

(3)今日的な課題への迅速な対応

未来投資会議は将来の総合的な経済政策を検討していく場ですが、その一方で、今日的な課題にもスピーディに対応しています。

例えば、2020年7月の会合では、新型コロナウイルス問題を扱いました。

また2020年4月の会合では、スタートしたばかりの5G(第5世代移動通信システム)について、どのように推進していくかが話し合われました。

(4)日本経済再生本部のなかの未来投資会議

未来投資会議は日本経済再生本部の会議です。

日本経済再生本部は、円高・デフレから脱却して強い経済を取り戻すための企画、立案、総合調整を行う組織で、2012年に設置されました。

参考:日本経済再生本部の設置について

2、未来投資会議のメンバー

未来投資会議の2020年8月現在のメンバー(議員)は以下のとおりです(長い役職は代表的な役職のみ掲載)。

議長:安倍晋三内閣総理大臣

議長代理:麻生太郎副総理

副議長:西村康稔経済再生担当大臣、菅義偉内閣官房長官、梶山弘志経済産業大臣

議員

高市早苗総務大臣、茂木敏充外務大臣、萩生田光一文部科学大臣、加藤勝信厚生労働大臣、竹本直一内閣府特命担当大臣、北村誠吾内閣府特命担当大臣

以下、民間など

大木隆生東京慈恵会医科大学教授、岡部信彦川崎市健康安全研究所所長、尾身茂独立行政法人地域医療機能推進機構理事長、金丸恭文フューチャー株式会社代表取締役会長、神津里季生日本労働組合総連合会会長、五神真東京大学総長、櫻田謙悟SOMPOホールディングス株式会社グループCEO、志賀俊之株式会社INCJ代表取締役会長、竹中平蔵東洋大学教授、中西宏明日本経済団体連合会会長、南場智子株式会社ディー・エヌ・エー代表取締役会長、新浪剛史サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長、三浦瑠麗株式会社山猫総合研究所代表、米良はるか READYFOR株式会社代表取締役CEO 、脇田隆字国立感染症研究所所長

新型コロナウイルス関連のニュースで頻繁に登場する尾身茂氏や、ワイドショーでコメンテーターを務める三浦瑠麗氏といった、テレビでおなじみの方も参加しています。

DeNA、日立、サントリーといった有名な企業の経営者もメンバーになっています。

参考:未来投資会議役員名簿

3、未来投資会議で審議している内容

未来投資会議
続いて、未来投資会議で具体的に審議している内容についてご紹介します。

(1)ウィズコロナ・ポストコロナ社会について

2020年7月30日の第42回会議では、「ウィズコロナ・ポストコロナ社会」について話し合われました。

コロナ禍によって、日本経済には次のような欠点があることがわかりました。

  • 一極集中や大都市集中が進んだことで、ITの恩恵が十分に活かされていないこと
  • 特定の場所で問題が起きると、流通全体へ影響が及んでしまうこと

そこでウイルスとの共存を目指すウィズコロナ社会では、次の項目について検討する必要があると言われています。

  • テレワークや在宅勤務、時差出勤、兼業・副業などの新しい働き方を定着させ、地方創生を推進し、分散型居住が可能となる社会をつくる
  • 変化への対応力がある、自律的なシステムを持った社会をつくる
  • 企業は目先の利益にとらわれず、長期的なビジョンを実現する経営を行う
  • 脱炭素化や循環型社会といった、環境にも優しい持続可能性のある社会にする

そしてこうした社会を築くために、必要な具体的な取り組みには以下のものがあります。

  • 新しい働き方の定着と一極集中の是正
  • 人々の間の信頼と接触の回復
  • 当面の経済運営の課題への対応
  • 金融市場の安定化
  • 産業再生と事業の再構築
  • エネルギーの課題への対応と今後のエネルギー戦略づくり
  • 科学と技術イノベーションの在り方の検討
  • 政府と自治体の在り方の検討
  • 国際環境への対応

参考:ウィズ・コロナ、ポスト・コロナ社会の検討のための未来投資会議の拡充について

(2)ビヨンド5G

第37回会議(2020年4月開催)では「ビヨンド5G」が話題になりました。
ビヨンド5Gとは、5Gのさらにその後の社会のことを指します。

総務大臣が提出した資料には、2030年代に期待される社会像が描かれています。

ビヨンド5G

画像出典:Beyond 5G推進戦略

未来の社会では、サイバー空間と現実世界が一体化しています。

現実世界で発生したデータは、次々サイバー空間に送られ、ビッグデータを構成します。
AIを活用して、ビッグデータを解析し、有益な情報をつくり出します。それを用いて、現実世界の社会問題を解決していきます。

この社会では、次のことが実現できると言われています。

  • 都市と地方、国境、年齢、障害の有無といったさまざまな違いに関係なく、あらゆる場所で、誰もが活躍できる社会
  • 社会的な無駄が最小限になり、便利で持続的に成長する社会
  • 不測の事態が発生しても柔軟に対応でき、安心と安全が確保された社会

次世代のビヨンド5Gの世界では、5Gを超える通信技術により、理想の社会を実現していきます。

参考:Beyond 5G推進戦略

(3)新しい働き方

第41回会議(2020年7月17日)では、「新しい働き方」が検討されました。
会議に提出された資料では、新しい働き方を次のように定義しています。¥

  • 若いうちから、自ら希望する働き方を選べる
  • 兼業や副業、フリーランスとして働ける

こうした働き方は徐々に社会に浸透していますが、まだ一般的ではありません。
会議では、こうした働き方が拡大しないのは、労働法制や労働時間の管理方法などに問題があるからではないか、といったことが話し合われました。

参考:第41回未来投資会議

(4)地域のインフラ

また、第41回会議では、地域のインフラの維持について話し合われました。

地方の人口減少が深刻化しているなかで、乗合バス事業者や地域銀行などの特定地域基盤企業によるサービスを維持するため、独占禁止法の特例法が成立しました。

独占禁止法の特例法以外にも、「スーパーシティ構想」というものもあります。

スーパーシティ構想とは、AIやビッグデータを活用した、これまでの社会とは根本的に異なる世界最先端都市の創生を目指す構想のことです。

資料では

「スーパーシティ構想の早期実現に向け、改正国家戦略特別区域法に基づき、速やかにスーパーシティの指定に係る公募を実施し、遅くとも本年中に指定する」

引用:第41回未来投資会議

といった、公約まで記載されています。

(5)東日本大震災等からの復興

第41回会議ではさらに、東日本大震災などからの復興についても話し合われました。
資料では「東北の復興なくして、日本の再生なし」そのために「必要な財源を確保する」といった内容が明記されています。

未来投資会議では、東日本大震災などの自然災害からの復興についても議論されるのです。

参考:第41回未来投資会議

まとめ

未来投資会議は、ジャンルを問わず、日本の発展に寄与するすべてのことについて検討しています。

参加者は政界、経済界、学会などを代表する人たちです。

未来投資会議の資料に目を通したり、未来投資会議に関する報道に注意を向けると、「これからの日本がどういった方向に進んでいくのか」がわかるかもしれません。