景気とは、売買や取引などによる経済活動全般の状況です。
景気という言葉は知っているけど詳しくは分からない、という方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では
- 景気という言葉の意味
- 景気を測る指数
- 景気循環
などについて解説していきたいと思います。
本記事がお役に立てば幸いです。
経済について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
1、景気とは
景気とは、売買や取引などによる経済活動全般の状況です。
また、景気が良い状態(好景気)、悪い状態(不景気)が交互に発生することを景気循環と言います。
景気が良い時期を『山』、悪い時を『谷』と呼びます。
以下で景気循環をもたらす
- 好景気
- 不景気
について確認していきましょう。
(1)好景気
好景気とは、景気が良い状態です。
景気拡大期、景気上昇期とも呼ばれます。
好景気では売買や取引などの経済活動が活発になります。
一般的に経済活動が活発になると、物やサービスが多く売れるので、企業も儲かり、従業員の給料も上がります。
給料が上がれば、消費者としてより多くの物やサービスを買う傾向があるため、全体としてさらに経済活動が活発化するのです。
(2)不景気
不景気は、景気が悪い状態です。
景気後退期、景気下降期とも呼ばれます。
不景気では売買や取引の経済活動が停滞します。
一般的に経済活動が停滞すると、物やサービスが売れなくなるので、企業の儲けは減り、従業員の給料も減ります。
給料が減ってしまった従業員は、消費者として物やサービスを購入する頻度が減り、全体としてさらに経済活動が停滞化してしまうのです。
2、景気を測る指数
景気を測る指数にはさまざまなものがあります。
本記事では内閣府が発表している
- 景気動向指数
- 景気ウォッチャー指数
について解説していきます。
(1)景気動向指数
景気動向指数とは、内閣府が毎月作成している経済指標です。
景気の現状を把握したり、将来の予測を立てたりするために利用されます。
生産や雇用など経済活動に深く関わる分野の指標を統合することで計算されます。
景気動向指数には
・コンポジット・インデックス(CI)
・ディフュージョン・インデックス(DI)
があります。
① コンポジット・インデックス(CI)
コンポジット・インデックス(CI)とは、構成される指標の動きを合わせることで、景気変動の大きさや勢いなどを測る指数です。
英語名の“Composite Index”に由来し、Compositeはいくかの要素が合わさった、Indexは指数という意味を表しています。
コンポジット・インデックス(CI)には
- 先行指数(Leading Index)
- 一致指数(Coincident Index)
- 遅行指数(Lagging Index)
という3種類の指数があり、これらの動きを見ることで景気の状態を把握します。
コンポジット・インデックス(CI)では、景気の山の高さや谷の深さ、拡張や後退の勢いも測ることができます。
② ディフュージョン・インデックス(DI)
ディフュージョン・インデックス(DI)とは、改善されている構成指標の割合を計算し、景気の各部門への普及の度合いなどを測る指数です。
英語名のDiffusion Indexに由来し、“Diffusion”は普及、“Index”は指数を表します。
ディフュージョン・インデックス(DI)にも
- 先行指数(Leading Index)
- 一致指数(Coincident Index)
- 遅行指数(Lagging Index)
という3種類の指数が含まれています。
コンポジット・インデックス(CI)に比べて、ディフュージョン・インデックス(DI)では景気の拡張(後退)が特定の分野にどの程度及んでいるのか測ることができます。
(2)景気ウォッチャー指数
景気ウォッチャー指数とは、以下12地域において、景気の動きを身近に観察できる立場の人たち(調査景気ウォッチャー)から協力を得て、地域ごとの景気動向をまとめた指数です。
- 北海道
- 東北
- 北関東
- 南関東
- 甲信越
- 東海
- 北陸
- 近畿
- 中国
- 四国
- 九州
- 沖縄
経済活動の変化が敏感に反映される業種・職種の中から約2,000人にインタビューを行い、以下のような項目を調査します。
- 現在の景気に対する判断(良くなっている、変わらないなど)
- 現在の景気の判断に対する理由や具体な追加説明
- 今後の景気に対する判断(良くなっている、変わらないなど)
- 今後の景気の判断に対する理由
3、景気循環
景気循環とは、景気が波のように好景気と不景気を交互に繰り返すことです。
- 景気循環の種類
- 景気循環の局面
について見ていきましょう。
(1)景気循環の種類
景気循環には
- キチン循環
- ジュグラー循環
- クズネッツ循環
- コンドラチェフ循環
の4種類の波形があり、それぞれの波形の発見者の名前が付けられています。
キチン循環は、約40ヶ月の短い周期で景気が変動するという考え方です(短期波動とも呼ばれる)。
- ジュグラー循環は約10年の周期(中期波動)
- クズネッツ循環は約20年の周期
- コンドラチェフ循環は約50年の周期(長期波動)
となっています。
(2)景気循環の局面
景気循環の局面とは、経済の波を分析する際に利用する視点で、波を2つに分ける『2局面分割』と4つに分ける『4局面分割』があります。
2局面分割では、1つの景気循環を
- 景気拡張期
- 景気後退期
の2局面に分け、4局面分割では1つの景気循環を
- 回復
- 好況
- 後退
- 不況
の4局面に分けます。
ちなみに内閣府では2局面分割が採用されています。
参考:内閣府
4、日本の景気
公益社団法人日本経済研究センターの発表によると、2020年10月時点の景気後退確率は3.1%となっています。
景気後退(景気循環局面において景気が下降すること)の目安が67%であることから、新型コロナウイルスの影響はありながらも、海外経済などの影響もあり、持ち直しつつあると言えるかもしれません。
参考:10月の景気後退確率は3.1%と低水準 公益社団法人 日本経済研究センター
景気に関するQ&A
Q1.好景気になるとどうなる?
好景気では売買や取引などの経済活動が活発になります。一般的に経済活動が活発になると、物やサービスが多く売れるので、企業も儲かり、従業員の給料も上がります。
給料が上がれば、消費者としてより多くの物やサービスを買う傾向があるため、全体としてさらに経済活動が活発化するのです。
Q2.不景気になるとどうなる?
不景気では売買や取引の経済活動が停滞します。一般的に経済活動が停滞すると、物やサービスが売れなくなるので、企業の儲けは減り、従業員の給料も減ります。
給料が減ってしまった従業員は、消費者として物やサービスを購入する頻度が減り、全体としてさらに経済活動が停滞化してしまうのです。
Q3.景気循環の種類は?
景気循環には以下の4種類の波形があり、それぞれの波形の発見者の名前が付けられています。
- キチン循環
- ジュグラー循環
- クズネッツ循環
- コンドラチェフ循環
まとめ
今回は景気について解説しました。
景気が良い、景気が悪いという言葉はニュースでよく耳にするものの、どのように景気が判断されているのかまでは把握していなかった方も多いかもしれません。
景気についての理解が深まれば、今後の暮らしでも、さまざまな面で役に立つでしょう。