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免税事業者とは?消費税を納めなくて良い事業者について

投稿日2020.3.6
最終更新日2020.03.16

免税事業者とは消費税を納める必要のない法人や個人事業主などを指します。
事業者の皆さんの中には免税事業者を選択することで、大きなメリットが生まれる場合もあります。

しかし同時に課税事業者(消費税の納付義務がある)であることを選択することで得られる有益性も存在します。

そこで今回は

  • 免税事業者の定義やなるための条件
  • 免税事業者の利点
  • 課税事業者のメリット

などについて本記事でご紹介いたします。

1、免税事業者とは?

免税
免税事業者とは消費税を納めなくても良い事業者のことです。免税事業者について見ていく前に、前提知識として消費税についてご紹介いたします。

(1)消費税について

消費税とはサービスの利用や商品の購入(利用)に対して公平にかかる税金のことです。
例えば、製造業者Aが商品の本体価格に消費税を上乗せして販売店Bに売ります。この販売店Bは消費者C(お客さん)に商品の価格に消費税を上乗せして販売し、消費者が消費税を払います。

そしてAはBから受け取った分の消費税を国に納め、BもCから受け取った消費税をCに代わって国に納付します。
免税事業者にはこの消費税の納税義務がないということです。

ちなみに2019年より消費税は10%に引き上げられ、その際軽減税率という制度が始まりました。
軽減税率については以下の関連記事で解説しています。

軽減税率とは? お得なポイント還元について簡単解説!

軽減税率とは、一部の対象商品についての税率を低く設定するということです。 2019年10月1日に始まった消費税増税(8%から10%へ)とともに軽減税率は導入されました。 この増税により一般的な消費税率は10%になりましたが、食料品などが税率8%のまま購入できます。 増税は社会への影響も大きく皆さんも関心が高いと思われますが、そうは言われても軽減税率についてよくわからないという方もいら...

(2)免税事業者である条件

免税事業者は

  • 売り上げが小さい(基準期間における課税売上高1000万円以下)こと
  • 事業開始から2年以内であること

上記の2つの条件のうち片方を満たすことで免税事業者になることができます。
2つの条件について詳しく見ていきましょう。

①課税売上高1000万円以下の事業者について

まず基準期間とは、その事業者に納税の義務が発生するかどうかの判定の期間のことです。個人事業主であれば前々年度であり、法人であれば前々年事業年度のことを指します。
注意しておきたいのは課税期間は基準期間と似ていますが、消費税の計算期間のことなので別物になります。

そして課税売上高とは消費税を抜いた売り上げのことになります。
ここで具体的な例を見ていきましょう。

平成30年度 A社
課税売上高900万円
令和元年 A社消費税の納税義務なし
平成30年度 B社
課税売上高1100万円
令和元年 B社消費税の納税義務あり

この様にA社は基準期間の課税売上高が1000万円以下のために消費税の納税義務が免除され、B社は1000万円を超えたために納税義務が発生します。

②事業開始から2年以内であること

上でも見た通り、基準期間は前々年度(2年前)になりますので、事業が始まって2年以内の会社などは原則消費税の納税義務がありません。
ただし、個人事業主の場合1月1日から6月30日までの課税売上高や報酬が1000万円を超えると事業開始2年以内であっても納税義務が発生するので注意して下さい。

納税義務の免除については国税庁のウェブサイトにも規定があります。

2、免税事業者なのに消費税を請求できる?

免税事業者は消費税の納税義務を免除されているのに、相手方に対して消費税を請求できるのでしょうか。
例えばA社は免税事業社であり、B社に商品を提供していたとします。この際B社に対し、商品の価格+消費税分を請求しても良いのか、ということが問題になります。

これに関してですが、免税事業者AはB社に消費税を請求することができます。この場合預かった税は国には納めずに免税事業者のもの(益税)になりますので、利益になります。
この様な仕組みになっている理由は免税事業者がそれほど大きな売り上げを出している訳ではないからです。

改めて確認しましょう。
課税売上高が1000万円以下の場合は消費税の納税義務が免除されます。
つまり益税を保持しても不公平すぎる、ということにはならないと考えられているのです。

3、消費税の還付


課税事業者と比べて優遇されている様に見える免税事業者ですが、場合によっては課税事業者を選択することで結果的に得をすることがあります。
そういったケースについて「消費税の還付」を例に確認しましょう。

まず消費税の還付とは、A社が消費者から預かった消費税から商品の仕入れ先であるB社に対して払った消費税を引いたとき+であれば国に納付ですが、−であればA社に戻る仕組みのことです。

この消費税の還付によって財政的にとても有利に立ち回れるケースもあるため一概に免税事業者になった方が良い訳ではありません。
免税事業者は消費税の還付を受けることができないからです。

消費税の還付を受けるためには消費税課税事業者選択届書を税務署に提出する必要があり、適用開始から2年間は課税事業者から免税事業者に変更することはできません。

自分の場合はどちらを適用した方がより、財政的に良い効果が現れるのかをよく検討し、場合によっては税理士などに相談してみると良いかもしれません。

以下の関連記事では個人事業主と消費税の関係について詳しく解説しています。

個人事業主を悩ます消費税の問題を解決!消費税の計算方法

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まとめ

今回は免税事業者についてわかりやすくまとめさせて頂きました。
免税事業者の適用が良いのか、課税事業者の適用が良いのかは業種や規模により別れてくる部分でもありますので、よく把握しておくことが重要になります。
本記事がお役に立てば幸いです。