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免税事業者とは?制度の改正による影響と2023年以降の対応方法

投稿日2020.3.6
最終更新日2023.05.02

免税事業者とは、年に1度、消費税を計算して税務署に納税する必要がない事業者のことを指します。売上が1000万円未満、または事業開始から2年以内であれば、免税事業者として扱われます。

事業者の皆さんは、免税事業者になることで税額を節約することができますが、課税事業者であることを選択することも有益な場合があります。

今回は、以下について詳しく解説していきます。

  • 免税事業者の定義
  • 条件
  • 利点
  • 課税事業者のメリット

また、免税事業者と課税事業者の選択についての重要なポイントも紹介します。

1、免税事業者とは?

免税
免税事業者とは消費税を納めなくても良い事業者のことです。
免税事業者について見ていく前に、前提知識として消費税についてご紹介いたします。

(1)消費税について

消費税とはサービスの利用や商品の購入(利用)に対して公平にかかる税金のことです。
例えば、製造業者Aが商品の本体価格に消費税を上乗せして販売店Bに売ります。この販売店Bは消費者C(お客さん)に商品の価格に消費税を上乗せして販売し、消費者が消費税を払います。

そしてAはBから受け取った分の消費税を国に納め、BもCから受け取った消費税をCに代わって国に納付します。
免税事業者にはこの消費税の納税義務がないということです。

ちなみに2019年より消費税は10%に引き上げられ、その際軽減税率という制度が始まりました。
軽減税率については以下の関連記事で解説しています。

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(2)免税事業者である条件

免税事業者は

  • 売り上げが小さい(基準期間における課税売上高1000万円以下)こと
  • 事業開始から2年以内であること

上記の2つの条件のうち片方を満たすことで免税事業者になることができます。
2つの条件について詳しく見ていきましょう。

①課税売上高1000万円以下の事業者について

まず基準期間とは、その事業者に納税の義務が発生するかどうかの判定の期間のことです。個人事業主であれば前々年度であり、法人であれば前々年事業年度のことを指します。
注意しておきたいのは課税期間は基準期間と似ていますが、消費税の計算期間のことなので別物になります。

そして課税売上高とは消費税を抜いた売り上げのことになります。
ここで具体的な例を見ていきましょう。

平成30年度 A社
課税売上高900万円
令和元年 A社消費税の納税義務なし
平成30年度 B社
課税売上高1100万円
令和元年 B社消費税の納税義務あり

この様にA社は基準期間の課税売上高が1000万円以下のために消費税の納税義務が免除され、B社は1000万円を超えたために納税義務が発生します。

②事業開始から2年以内であること

上でも見た通り、基準期間は前々年度(2年前)になりますので、事業が始まって2年以内の会社などは原則消費税の納税義務がありません。
ただし、個人事業主の場合1月1日から6月30日までの課税売上高や報酬が1000万円を超えると事業開始2年以内であっても納税義務が発生するので注意して下さい。

納税義務の免除については国税庁のウェブサイトにも規定があります。

2、免税事業者なのに消費税を請求できる?

免税事業者は消費税の納税義務を免除されているのに、相手方に対して消費税を請求できるのでしょうか。
例えばA社は免税事業社であり、B社に商品を提供していたとします。この際B社に対し、商品の価格+消費税分を請求しても良いのか、ということが問題になります。

これに関してですが、免税事業者AはB社に消費税を請求することができます。この場合預かった税は国には納めずに免税事業者のもの(益税)になりますので、利益になります。
この様な仕組みになっている理由は免税事業者がそれほど大きな売り上げを出している訳ではないからです。

改めて確認しましょう。
課税売上高が1000万円以下の場合は消費税の納税義務が免除されます。
つまり益税を保持しても不公平すぎる、ということにはならないと考えられているのです。

3、消費税の還付


課税事業者と比べて優遇されている様に見える免税事業者ですが、場合によっては課税事業者を選択することで結果的に得をすることがあります。
そういったケースについて「消費税の還付」を例に確認しましょう。

まず消費税の還付とは、A社が消費者から預かった消費税から商品の仕入れ先であるB社に対して払った消費税を引いたとき+であれば国に納付ですが、−であればA社に戻る仕組みのことです。

この消費税の還付によって財政的にとても有利に立ち回れるケースもあるため一概に免税事業者になった方が良い訳ではありません。
免税事業者は消費税の還付を受けることができないからです。

消費税の還付を受けるためには消費税課税事業者選択届書を税務署に提出する必要があり、適用開始から2年間は課税事業者から免税事業者に変更することはできません。

自分の場合はどちらを適用した方がより、財政的に良い効果が現れるのかをよく検討し、場合によっては税理士などに相談してみると良いかもしれません。

以下の関連記事では個人事業主と消費税の関係について詳しく解説しています。

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4、免税事業者はインボイス制度によってどうなる?

2023年5月からは、消費税インボイス制度の導入に伴い、免税事業者にも影響があります。

現在の消費税免税事業者は、取引先との取引を継続するためには消費税課税事業者になることを選択しなければならない場合が多く、実務上の影響が大きくなると予想されています。

インボイス制度に対応するには、免税事業者も課税事業者になる必要があり、消費税課税事業者選択届出書と登録申請書を提出する必要があります。

インボイス制度について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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まとめ

今回は免税事業者についてわかりやすくまとめさせて頂きました。
免税事業者の適用が良いのか、課税事業者の適用が良いのかは業種や規模により別れてくる部分でもありますので、よく把握しておくことが重要になります。
本記事がお役に立てば幸いです。

この記事の監修者
政治ドットコム 編集部
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